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扇田克也展
1/23〜2/4 ギャラリー恵風[京都] |
粘土で造形し、石膏で型を取り、そこにガラスを詰めて溶かして作られた作品。流し込む前の型に銀箔やさまざまな金属素材を仕込んでおくことで、作品表面に独特の表情が生まれている。また、表面に油絵具を塗った新展開の表現も。家の形をした作品で知られる扇田だが、今回の作品は切り出されたばかりの石のようなシンプルな形態が特徴。無駄や作為が削ぎ落とされ、存在そのものが表現として成立している。光を溜め込み、じんわり発光しつつ佇んでいる姿が美しい。
[1月23日 小吹隆文] |
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Brilliant Works The exhibition of AMUSE ARTJAM 2006
1/15〜31 ARTZONE[京都] |
昨年末に開催された《AMUSE ARTJAM 2006》出品作家のなかから6人をピックアップした企画展。6人とも女性なのは果たして偶然? 毛髪へのフェチが滲み出た朴賢京と高橋涼子、破れたストッキング(?)を被った人物像を描く龍門藍など、皮膚感覚というか、生理的な部分にタッチする表現が多いのが印的だった。彼女らを選んだ根拠や、現在の状況との関連を記したテキストがあれば、もっと説得力を持たせられただろう。さほど期待せず見に行ったが、良い意味で期待を裏切られた。
[1月23日 小吹隆文] |
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小野啓写真展 青い光
1/11〜2/2 ビジュアルアーツギャラリー[大阪] |
小野は全国各地の高校生達とメールでやり取りし、彼らのポートレイト作品を制作している。多くの被写体は挑戦的な眼差しでファインダーを睨んでいるが、そこに大した根拠がないことは自分の10代を振り返ればすぐ分かる。しかし、この青臭い視線はハイティーンの特権だし、精神と肉体のアンバランスから生じる輝きを、くすぐったい気持ちで受け取っている自分がいることもまた確かだ。今後も撮り続けて、まとまった数量で見せられれば一層価値を増すだろう。
[1月25日 小吹隆文] |
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ビル・ヴィオラーはつゆめ
1/23〜3/21 兵庫県立美術館[兵庫] |
人物が火や水に包まれる《クロッシング》は神秘的な秘儀を思わせる。群集が突然奔流に飲み込まれる《ラフト/漂流》はテロを意識せざるを得なかった。《グリーティング》と《キャサリンの部屋》からはヨーロッパ古典絵画のような品格ある美を感じたし、《驚く者の五重奏》と《オブザーヴァンス/見つめる》には感覚の奥底を直接刺激された。映像でしか伝えられない表現があるということをまざまざと見せてくれる稀有な機会であった。兵庫県立美術館の広大な展示スペースが十分生かされていたことも付け加えておく。
[1月27日 小吹隆文] |
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