小吹隆文/福住廉 |
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3/5〜3/6 |
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加藤つくし展
3/5〜10 Oギャラリーeyes[大阪] |
“ちまちました絵”と書くとネガティブな印象を与えかねないが、加藤つくしはちまちま描くことで豊かな鉱脈を掘り当てる才能を持っている。退行でも、開き直りでも、戦略でもない作品には無駄な力が感じられず、さりげない気配が見る者を包み込む。過去の個展ではジャンル横断的な表現も見られたが、今回はオーソドックスな絵画展に終始。かえって作家の資質がよく伝わった。
[3月5日 小吹隆文] |
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栗田咲子展
3/5〜4/7 ギャラリーDen[大阪] |
今回も彼女お得意の、現実とイマジネーションが融合した私小説的世界を展開。本人も含めたさまざまなモチーフが時空を超えて同居する作品を見ていると、先日国立国際美術館で開催された《エッセンシャル・ペインティング》を思い出す。絵画における共時性ってことか?絵画の他には小品コラージュを多数出品。昔から作っていたが、公開をためらっていたらしい。何てもったいないことを。今後ラインアップに加わることを望む。
[3月5日 小吹隆文] |
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岡野香織展
3/5〜24 CUBIC GALLERY[大阪] |
約1年半ぶりの個展。画風は変わらないが、絵から感じる説得力は前回よりアップしている。色の扱い、空間の深度、表現のバラエティなど、諸要素が着実に向上した感じだ。大作から中品、小品まで取り揃える辺りにも余裕が感じられる。男性的な骨太さと女性的な柔らかなセンスが同居した作風はユニークで、このまま伸びると面白い存在になるかも。
[3月5日 小吹隆文] |
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首藤枝美:日本の美術展
3/6〜11 ギャラリーはねうさぎ[京都] |
日本の美術展チラシを使った痛快無比な作品。異なるチラシを2枚重ねして、上層の一部を切り抜き下層のイメージとコラージュしたり、同じチラシの一部を何重にも重ねて舞台の書き割りを思わせる半立体作品に仕立て上げる。アイデアの斬新さを単純に楽しむも良し、3次元(実物)→2次元(チラシ)→3次元(作品)のイメージの往還と意味の変化を考えるも良し。さまざまなレベルで楽しめるのが魅力だ。
[3月6日 小吹隆文] |
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城戸孝充展
2/26〜3/10 ギャラリー21+葉[東京] |
水の彫刻表現を追及する城戸孝充の個展。絶えず変化する水の流動的な形態に彫刻的な形象を見出す姿勢はかねてから一貫しているものの、今回の個展では観客参加型の作品に発展していた。黒い水で浸したドーナツ状の水槽の中心にオールを備え付け、来場者がオールを漕ぐと水が循環するという仕掛けだ。油分を含んだ黒光りする水面はかつてのリチャード・ウィルソンを連想させるが、オールをあげた後も力を蓄えた水面がゆっくりと不規則に動いていくところがこの作品の見所である。それはもはや彫刻的表現の範疇を超えているようにも思えるけれど、その水面の下で目には見えない底流も動いていることを想像させることを考えると、見えない彫刻ともいうべき極限的な境地に達しているのかもしれない。
[3月6日 福住廉] |
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