小吹隆文/福住廉 |
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4/23〜5/19 |
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兼未希恵──コノ道ハドコヘ行ク
5/8〜20 立体ギャラリー射手座[京都] |
四季折々の植物を描いた、長さ22メートルもの新作を発表。カラフルな色彩とフラットな描写が特徴だが、岩絵具とアクリルを併用した日本画である。移動をともなうため鑑賞に自然と時間がかかり、四季という主題も相まって、一種のバーチャルトリップ感を味わえる。今の日本人のライフスタイルに寄り添う花鳥風月って、案外こんな感じなのかもしれない。
[5月8日(火) 小吹隆文] |
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それでも人は、「境界」を超える
4/21〜6/3 練馬区立美術館[東京] |
いかにも思わせぶりなタイトルのセンスに首を傾げたくなるが、それはともかく、じっさいはコレクターが収集した作品をまとめてみせる堅実な展覧会。岡村桂三郎や斎藤典彦、間島秀徳、山本直彰といった「日本画」的な作品と須田悦弘、福田美蘭、松井智恵、柳幸典といった「現代美術」的な作品70点あまりが一堂に会している。見ていくうちに思い至るのは、「日本画」や「現代美術」といった境界がほとんど意味をなさないほど、全体的に同じようなニュアンスが一貫しているということであり、つまりそれがコレクションの基準ということなのだろう。
[5月8日(火) 福住廉] |
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加藤崇
5/7〜12 Gallery K[東京] |
ガムテープで手足を縛ってよちよち歩いたり、顔面を大量の輪ゴムで縛りつけたり。加藤崇の映像と写真は、芸術だろうが批評だろうが、なにを表現するにしても、その行為そのものがすでにがんじがらめに拘束されている点を象徴的に見せつけてくれる。日本人はどうあがいたってマシュー・バーニーにはなれないのだ。
[5月10日(木) 福住廉] |
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片山雅史展:皮膜ー千の光
5/12〜6/9 ノマル・プロジェクトスペース キューブ&ロフト[大阪] |
京都・三十三間堂の千手観音像からインスパイアされた1,000点組の大作《皮膜2004──千の光》と、100点組の《皮膜2004-2006/バーモントの皿・大濠の庭》をメインに、約20作品を出品。ヒマワリの花芯や蜂蜜の巣などに見られる、自然界に偏在するパターンをモチーフにした画面は、一見何が描かれているか分からないほど抽象的。黄色と紫を多用した色彩もあって、キャンバス内に光が充満しているような印象を憶える。それらが1,000点もの数で視界を覆う時、見る者は全知賞をフル活動させて作品との間にインタラクティヴな関係性を築こうとする。その交感こそ片山作品のキモ。光溢れる絵画空間に全身を包まれるうち、なんとも不思議な浮遊感が脳内に充満するのが分かった。
[5月12日(土) 小吹隆文] |
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