小吹隆文/福住廉 |
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4/23〜5/19 |
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吉岡千尋展
5/14〜19 Oギャラリーeyes[大阪] |
遠景、近景、心象、個々のモチーフが渾然一体となった個性的な絵画作品。テンペラ画の下地塗りに使う白亜地を絵具としても用いることで、画面に独特の質感が作り出されているのも興味深い。吉岡は視覚が脳で修正される前の未整理な状態に興味があり、その時見えているはずの景色の一部をクローズアップするつもりで描いているのだという。錯綜する空間、複線化された時間。そこに展開されるのは混沌極まりない空間なのだが、何故か心地よい風がこちらの脳裏を横切り、忘れ難い印象を残すのであった。
[5月14日(月) 小吹隆文] |
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田中洋喜展
5/14〜26 CUBIC GALLERY[大阪] |
一貫して人物像を描く画家の新作展。ジャンプし身を反らせたポーズは本来躍動的なはずだが、絵からはクールな質感が漂い、動と静が拮抗する緊張を孕んだ一瞬が凝結されている。背景の消去や極端な構図から窺えるデザイン的センスや、人物像に見られる横方向の刷毛目がその原因であろう。年々洗練度が上がっており、作品の行きつく先に興味をそそられる。
[5月14日(月) 小吹隆文] |
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5/12〜6/2 ギャラリーヤマグチ クンストバウ[大阪] |
大小二つの展示室とライブラリーに計32点の作品が出品された。なかでも鮮烈な印象を残すのが大展示室の25点。立方体のキャンバスに油絵具を分厚く塗りこんだ絵画(というより物質)が、壁と言わず床と言わずさまざまな場所に配置されているのだ。通常は画面の奥に生まれるイリュージョンが逆向きに発生し、空間全体を異化している。これは果たして絵画なのか? また、カラフルな色彩が実はすべて日本の伝統色であることにも驚かされた。
[5月16日(水) 小吹隆文] |
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20世紀の夢 モダン・デザイン再訪 大阪コレクションズ
5/17〜7/1 サントリーミュージアム[天保山] [大阪] |
国立国際美術館、大阪市立近代美術館建設準備室、サントリーミュージアム[天保山]の共同企画。これは、大阪にある3館が互いの所蔵品を持ち寄って3つの企画展を行なうもので、本展はその最後に当たる。内容は、19世紀後半から第2次大戦までのモダン・デザインの展開。家具、食器、写真、ポスター、書籍など約160点が出品された。バウハウスやデ・ステイル、ロシア構成主義といった日本でもメジャーなものだけでなく、オメガ商会やウィーン工房など国内ではレアな逸品が揃っていることに驚かされる。聞けば、出品作の多くは大阪市立近代美術館建設準備室のもの。これだけのコレクションが日頃十分活用されていないとは、もったいない限りだ。大阪市にはそろそろ真剣に美術館建設を考えてもらいたいものである(緊縮予算と不祥事続出でそれどころじゃないってか?)。
[5月16日(水) 小吹隆文] |
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