小吹隆文/福住廉 |
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1/25 |
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常本若菜 展
1/22〜2/2 ステムギャラリー[大阪] |
お菓子や食品のパッケージなどを版にしたコラグラフの版画作品を出品。以前の作品はパッケージをほぼそのまま使用していたが、最近はパッケージの一部を模様や文字などを頼りにカットしたり、メディウムを塗って凹凸をつけたり、引っかいて文字や線を入れたりする加工を施す場合もあるようだ。色とりどりの小さな版が並んで、独特のリズムを刻んでいるのが目に心地よい。軽快でモダンな作品を見ていると、1960年代の猪熊弦一郎の作品が連想されたりもした。
[1月25日(金) 小吹隆文] |
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東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了制作展
1/19〜27 ZAIM[神奈川] |
先端の修了展。別会場で催されていた卒業制作展よりも、当然といえば当然だけれど、全体的に見るべき作品が多かった。なかでもホワイトアウトする群集をとらえた多和田有希の写真作品や、鳥の羽毛と鶏糞などをもとに、しかし鳥を構成するのではなく、怪物のような立体を作り出した藤井信子、団子屋を営む母の生き方に迫った山川京子の映像作品などが際立っていた。
[1月25日(金) 福住廉] |
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OS1
1/18〜27 東京藝術大学横浜キャンバス新港校舎[神奈川] |
東京芸術大学大学院映像研究科メディア映像専攻の修了制作展。全体的に技術が先行した作品が多く目についたが、面白かったのが米澤慎祐のゲーム型の作品。昔のインベーダーゲームのようなテーブル型のゲーム機には対戦型のサッカーゲームが用意されているが、肝心のボールは時折影を残すだけで、はっきり見えない。その代わりにタッチペンでディスプレイに触れると、ボールの所在を示すポインターが現われ、ボールが接触するとはじき飛ばすが、しないと数秒の後消えてしまう。ポインターを数多く置けばボールのありかを知ることができるが、あまり手当たり次第に散りばめると思わぬ方向にボールが弾き飛ばされ、オウンゴールを招きかねない。つまりボールの存在を目で直接的に確認するのではなく、ポインターによって間接的に捉える感性が求められているわけだ。俯瞰的な視点でゲームを繰り広げていくと、ゲームの全体を空間的に把握しているプロサッカー選手の特別な感覚を追体験しているような錯覚に陥った。遊戯性と技術力、そして知覚を自己言及的に反省させるコンセプトがうまい具合に兼ね備えられた優れた作品だった。また、入場する際に図録のカヴァーが手渡され、退場する際にアンケートに協力すれば、図録の本体がもらえるという仕組みも工夫が凝らされていてすばらしい。
[1月25日(金) 福住廉] |
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食堂ビル1929 食と現代美術 part4
1/11〜29 BankART 1929[神奈川] |
BankART 1929 の恒例となった企画展。「食」にまつわる作品がところ狭しと展示されていたが、ずば抜けていたのは泉太郎の映像インスタレーション。厚みのある壁を平行に並べて、そのあいだにテレビモニターを仕込み、壁と壁のあいだから見せるという展示方法もすばらしかったが、映像の内容も面白い。なかでもハンバーガーショップに調理器具や食材を持ち込み、客席で淡々と手作りハンバーガーを作って食べる自分の姿を映した映像は、まさしく「食」の安全性をめぐって激しく揺れ動く現代の問題を鮮やかに浮き彫りにしている。ビニールの中で挽き肉とタマネギをもみこむのはまだしも、まさかそれをガスコンロにかけたフライパンで焼いてしまうとは!
[1月25日(金) 福住廉] |
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