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展覧会レビュー
小吹隆文/福住廉
2/11〜2/13
矢田淳子 写真展 記念写真 
2/11〜24 ギルドギャラリー[大阪]
矢田淳子 写真展 記念写真 
自宅前でポーズを取る兄妹、昔通った幼稚園の正門前に立つ親子、自宅の床の間で正座する老夫婦、etc...。かつて記念写真を撮った場所で、改めて彼(女)らを撮影した写真作品が出品された。作品の隣には当時の思い出やエピソードを取材したテキストも。見ているうちに彼らの過去・現在と自分の記憶がダブり、じんわりハートウォーミングな気持ちになってくる。
[2月11日(月) 小吹隆文]
写真の美術 美術の写真
1/26〜3/23 大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室[大阪]
写真の美術 美術の写真
昭和初期に関西で活躍した浪華写真倶楽部、丹平写真倶楽部の面々から、杉本博司や森村泰昌ら現代の作品までを通して、写真芸術の変遷をたどった。前者を「美術作品としての写真」、後者を「写真による美術表現」とし、その差異と写真表現の多様化を伝えることが企画意図であろう。しかし、私自身はヴィンテージ・プリントを含む戦前の作品への興味から、もっぱら前者へと目が向いてしまった。梅阪鶯里、川崎亀太郎、佐保山尭海、椎原治による、いずれ劣らぬ素晴らしい作品が並んでいるのだ。地元関西のこうした質の高い活動を、これらも積極的に伝えてもらいたいものだ。
[2月12日(火) 小吹隆文]
公募京都芸術センター2008 大崎のぶゆき「Meltdown」 宮永愛子「漕法」
2/8〜26 京都芸術センター[京都]
公募京都芸術センター2008 大崎のぶゆき「Meltdown」 宮永愛子「漕法」
若手アーティストを対象に、ギャラリーでの展示プランを募る公募展。今年は国立国際美術館長の建畠晢が審査員を担当し、107件の応募のなかから大崎のぶゆきと宮永愛子のプランを選出した。大崎は水溶性の透明シートに水性ペンなどで描いた星座の絵を水面に浸して、イメージが崩壊していく様子を捉えた映像インスタレーションを出品。図像が崩れていく瞬間の美しさに心奪われるが、大崎自身はそこに曖昧で不確かな現代社会を象徴させているらしい。宮永の作品は、自ら編んだ漁網に海水の塩分を結晶化するまで染み込ませて天井から吊るしたインスタレーション。会期前半には公開制作され、前半と後半で様相が大きく変化するのが特徴である。作品には昨年一年間の英国滞在で得た感興や人々との出会いが込められており、まるで一編の詩を思わせるたたずまいだった。
[2月13日(水) 小吹隆文]
奥村雄樹 アイミーマイン
1/16〜2/17 MISAKO & ROSEN[東京]
奥村雄樹の新作展。台北の街角で信号待ちする原チャリの群れを撮影した写真作品は、よく見るとすべてのバックミラーに奥村の顔が映りこんでおり、唯一無比のはずの身体が無限に複製可能なデジタル記号のように増殖する様子が表されていた。一方映像作品は、海外で暮らす奥村の1日を、まるでミュージシャンのPVのような撮り方で見せているが、就寝の際、顔面が二つに割れると、その中にはETみたいな宇宙人が操縦席に座っており、じつは奥村が操られていたというオチがつけられる。確たる根拠に欠けた「曖昧な」主体性を物語っているようだったが、しかしここには根源的な矛盾がある。それは身体を無限に複製しつつも、また主体のメタレベルを暴くことでその皮相性を示しつつも、物語の主人公がつねに自分であり続けることで、最終的には唯一無比の強烈な自我が浮き彫りにされるということだ。私性から逃避しているにもかかわらず、私性が追いついてくるという逆説。もしかしたらこれは同時代の若者たちの表現に広く見られる典型的な傾向なのかもしれない。
[2月13日(水) 福住廉]
多和圭三 新作展
1/28〜2/16 hino gallery[東京]
多和圭三 新作展
鉄の塊をハンマーで延々と打ち続けることで鉄の表面に波打つ文様を描き出す多和圭三。浅く細かい刻印の作品と深く荒い刻印の作品が展示された。先ごろ神奈川県立近代美術館葉山館で催された「プライマリー・フィールド」展に出品された作品とは対照的に、鉄の表面のテクスチュアがよりいっそう強調されていたが、そのぶん打撃の衝撃と無限に反復された身体運動を想像させていた。こうした愚直な運動によってすばらしい見せ物を作り出そうとする構えこそ、若者は見習うべきだろう。
[2月13日(水) 福住廉]
Index
1/25
常本若菜 展
東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了制作展
OS1
食堂ビル1929 食と現代美術 part4
1/26〜1/29
風間サチコ 満鉄人vsプリズン・ス・ガモー
尾柳佳枝──絵と映像展
岡上淑子 展 「変容」
柳澤顕 展
2/1〜2/18
アートは心のためにある: UBSアートコレクションより
海老原靖 「pause」
岡田一郎 展/エアーコンディション
森村泰昌「荒ぶる神々の黄昏/なにものかへのレクイエム・その弐」
没後50年 横山大観──新たなる伝説へ
2/9〜2/10
村東剛 写真展 「おとちゃん」
名和晃平展 TORSO
細江英公 写真絵巻 「死の灰」
マーブル!!
2/11〜2/13
矢田淳子 写真展 記念写真 
写真の美術 美術の写真
公募京都芸術センター2008 大崎のぶゆき「Meltdown」 宮永愛子「漕法」
奥村雄樹 アイミーマイン
多和圭三 新作展
2/17
ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展
内藤ルネ展 "ロマンティク"よ、永遠に
安楽寺えみ写真展 Snail Diary
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