ラウル・デ・カイザー《Flank》
1991-92年、キャンバス・油彩、82×67cm、ゲント現代美術館蔵
Collectie S.M.A.K.,langdurige bruikleen Collectie Vlaamse Gemeenschap
Foto: Dirk Pauwels
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共に過ごしたい絵
かつて印象派の指導者エドゥアール・マネ(1832-83)に「画家のなかの画家」と呼ばれたのはベラスケス(1599-1660)だった。彼はスペイン絵画の黄金時代であった17世紀を代表する巨匠であるが、現代の「画家のなかの画家」は誰で、どのような絵を描いているのだろうか。
ベルギーの画家ラウル・デ・カイザーではないか、と美術館で学芸員を務めた経験のある詩人ローランド・ヨーリス(1936-)やニューヨークのメガギャラリー、デヴィッド・ツヴィルナーのハンナ・ショウウィンク氏は言う。静寂な謎めいた世界が広がる抽象絵画で、万人向けではないが熱心なコレクターがおり、またリュック・タイマンス(1958-)をはじめ、現代美術の画家からも高く評価されている。ラウル・デ・カイザーの代表作《Flank》(ゲント現代美術館[S.M.A.K.:Stedelijk Museum voor Actuele Kunst]蔵)を見てみたいと思った。
1992年のドクメンタIXに出品され、以降デ・カイザーはヨーロッパでもっとも重要な芸術家のひとりになっていく。《Flank》には何が描かれているのだろう。縦長のベージュの色面に黒っぽい斑点がある。実物を見なければわからないほど、表面は薄い皮膜が重なり繊細に描かれているのかもしれない。ゆっくり描いたところ、瞬間的に描いたところなど、キャンバスは画家が筆を運んだ痕跡をとどめ、速度や時間の流れを感じる。鑑賞する絵というよりも、時の経過を共有しながら共に過ごしたい絵である。
インディペンデント・キュレーターで森美術館の非常勤学芸員を務めているマーティン・ゲルマン氏(以下、マーティン氏)に《Flank》の見方を伺った。マーティン氏は、S.M.A.K.のシニア・キュレーターとして2018年には「RAOUL DE KEYSER:OEUVRE(作品)」展のキュレーションを行なっている。帰国間近という多忙のなかだったが、東京・六本木の森美術館でお会いすることができた。
マーティン・ゲルマン氏 ©Yuki Maniwa
短編詩的なジェスチャー
マーティン氏は、ドイツ西部のケルンから北東に位置するヘルデッケに生まれた。森林地帯と二つの湖がある風光明媚な自然と歴史が織りなす静かな町で、父親が教会のオルガニスト兼クワイア(聖歌隊)の指揮者ということもあり、幼い頃から芸術的環境に囲まれ、音楽に興味を持つようなったという。とは言え子供の頃はサッカー選手になることを夢見ていたそうだ。
ベルリンとポツダムの大学で文化マネジメント、文化科学、社会学を学んだ。視覚芸術に興味を持つようになったのは、イヴ・クライン(1928-62)の《空虚への飛翔》(1960)がきっかけだった。2004年と2006年に開催された第3回、第4回ベルリン・ビエンナーレの企画に携わり、2006年よりキュレーターとして活動を開始した。
2008~12年ドイツ・ハノーファー にあるケストナー・ゲゼルシャフトにてキュレーター、2012~19年ベルギーに滞在、2013〜16年S.M.A.K.でシニア・キュレーターを務めた。2021~25年までは森美術館の客員学芸員、その後非常勤学芸員として「アナザーエナジー」(2021)、「私たちのエコロジー」(2023)、「マシン・ラブ」(2025)などの展覧会を企画。専門は現代美術で、デ・カイザーのほか、チャン・ペイリー(1957-)、ヒワ・K(1975-)、ゲルハルト・リヒター(1932-)、ジェームズ・ウェリング(1951-)、マイケル・E・スミス(1977-)、ナイリー・バグラミアン(1971-)、カスパー・ボスマンス(1990-)、リリ・デュジュリー(1941-)、トーマス・ルフ(1958-)、レイチェル・ハリソン(1966-)、ジョーダン・ウルフソン(1980-)らの展覧会を企画してきた。
マーティン氏が《Flank》の実物を初めて見たのは2012年。S.M.A.K.の仕事を始めるためにドイツからベルギーのゲントに到着したときだった。キャンバスに重ねられた無数の色層だけでなく、キャンバスに飛び散る小さな斑点にもすぐに心を奪われ、「まるで短い詩のようだ」という。ありふれた日常の記憶を、短編詩的なジェスチャーで表現している。マーティン氏は《Flank》に宿る感性と触覚に魅了されたと話す。しかし、ゲントに着いてから1カ月後にデ・カイザーが亡くなり、S.M.A.K.で最初に取り組んだのは、美術館の小さな部屋でささやかな追悼展を開催することだった。
「Nieuwe Visie(New Vision)」に所属
デ・カイザー(本名:ラウル・エミール・アンリ・デ・カイザー)は、1930年ベルギーの首都ブリュッセルから西方へ約70キロ離れたフランドル地方の美しい町デインズに生まれた。両親はルシアン・デ・カイザーとベルタ・ルフェーバーで、二人は居酒屋を経営し、父親は大工だった。ベルギーの正式国名はベルギー王国という。オランダ、ドイツ、ルクセンブルク、フランスの4カ国と隣接し、面積は日本の九州よりやや小さく、人口は1,170万人(2023年現在)。
デ・カイザーは、高校時代に叔父の指導によって絵を描き始め、最初の展覧会は両親の居酒屋で行なわれた。19歳のときに国営電信電話会社に事務職の公務員として就職し、地元紙の美術評論家として、またスポーツジャーナリストとしても活動。1951年21歳のときには兵役に就いている。翌年ディナ・ボードンクと結婚。三人の息子が生まれ、1961年デインズ近郊のアステネに移住した。
1963年公務員試験で最高得点を獲得し、行政官として働く資格を得たが、画家になるため、デインズ芸術アカデミーの夜間クラスに入った。ポップ・アートを牽引していたベルギーの画家ロジェ・ラヴェール(1921-2013)に数カ月師事し、ラヴェールが参加していたヨーロッパのフォーマリズムを探究した画家グループ「Nieuwe Visie(New Vision)」に所属した。1960年代後半から1970年代初頭にかけてミニマリズム、コンセプチュアル・アートといった国際的な潮流に影響を受けたが、《Krijtlijn》などチョークの線の描き方を模索し、デ・カイザーの表現はより開かれていった。
現実と抽象の間を探求する遊び
1970年スポーツ記者を辞めたデ・カイザーは、翌年第11回サンパウロ・ビエンナーレに参加する。1970年代半ばから80年代半ばにかけては、身近な対象を小さなサイズのキャンバスにクローズアップで描き、モダニズムをさりげなく昇華していった。1984年妻ディナが死去。1986年ベルギー・ゲントでの「Initiatief 86」展に参加し注目される。1991年アントワープのゼノXギャラリー、フランクフルトの画廊ポルティクスにて個展を開催。同年《Flank》の制作に取り掛かった。タイトルの「Flank」は、このゼノXギャラリーの画廊主フランク・デメグドの名前か、ポルティクスの所在地フランクフルトが関係しているのかもしれない。
そして、翌年の1992年ドクメンタIXに《Flank》を含む近作5点を出品、国際的な評価を獲得する。その後、数多くの個展やグループ展が開催され、2004年にはホワイトチャペル・ギャラリー(ロンドン)から始まった回顧展はヨーロッパを巡回する。2007年第52回ヴェネツィア・ビエンナーレへ参加。
デ・カイザーの作品には、絵画のほかに素描や水彩画、シルクスクリーン、リトグラフ、エッチング、リノカットがある。一見頼りない印象を与えるその作風は、モチーフが具体的であるがゆえに、具象と抽象の間を行き来する日常の不可思議な出来事と、つかみどころのない抽象の世界の橋渡しとなる独自の絵画となっている。デ・カイザーは、イメージが成立する最小の構成要素である形・色・空間などの基本要素と純粋に向き合い、単純な形状ながら配色と線づかいによって独特の雰囲気を漂わせた。
長いキャリアのなかで表現は変遷しているが、デ・カイザーの目に映る身近なモチーフを、そのときの直感に基づいて抽象的な形に抽出し、それを繰り返し描くというスタイルは生涯変わることがなかった。デ・カイザーにとって絵画は、現実と抽象の間の緊張関係を探求する遊びであり、絵画がもたらす可能性を探る旅でもあった。2012年10月5日デインズにて死去。享年82歳。
Flankの見方
①タイトル
Flank(ふらんく)。英題:Flank
②モチーフ
肌。
③制作年
1991~92年。デ・カイザー61~62歳。
④画材
キャンバス・油彩。
⑤サイズ
縦82×横67cm。
⑥構図
正面。
⑦色彩
ベージュ、薄茶、ピンク、グレー、白、黒など多色。
⑧技法
油彩。単色に見える表面にはさまざまなタッチがあり、完全な平面ではない。いろいろな速度で複数の色彩が塗られ、2年をかけて描かれている。その層となった表面のベージュまたは薄い茶色から、少しオレンジがかった濃いピンク色が透けて見える。黒い点は、絵具をチューブから押し出し、振り投げつけて直接キャンバスに付着させる。
⑨サイン
なし。
⑩鑑賞のポイント
ベルギーの現代美術キュレーターとして名高く、ゲント現代美術館(S.M.A.K.)の創設者だったヤン・フートが、チーフキュレーターを務めたドクメンタIX(1992)にデ・カイザーを招き、本作が出品された。画面全面にクローズアップした肌は、特定の何かを指し示すものではなく、タイトルの「Flank」も、必ずしもその内容を示唆しているわけではない。デ・カイザーにとって、絵画そのもの、つまり単色絵画の多面性を探求することこそが、本質である。絵画の最低限の要素を用いて、絵画を絵画たらしめる均衡を探っている。鑑賞者は、単色のトーンレンジ(濃淡の幅)のなかで、絵具の層がつながっていないエッジ部分に、下層の痕跡状態を探し求める。しかし、これらの層に気づくことは、作品を読み解くための必須条件ではない。デ・カイザーは、鑑賞者を絵画の「皮膚科医」としての役割へと駆り立てる。絵具の皮膚がどのようにひび割れ、剥がれ、水ぶくれになるのか。その希薄で繊細なキャンバスから目が離せなくなる。見る者に絵画とは何かを深く問いかけ、また問いかけさせる。従来の厳格な抽象絵画と大きく異なり、粗野な身振りではあるが、そこには豊かな生命力が宿っており、イメージの行く先は鑑賞者の心象風景と融合していく。デ・カイザー全盛期(1990年代初頭から2000年代半ば)の代表作である。
安全に哲学的な境地に辿り着く
デ・カイザーの絵画はどのように制作されているのだろうか。マーティン氏は「デ・カイザーの作品は、1960年代から70年代のポップ・アート、コンセプチュアル・アート、ファンダメンタルペインティング★という芸術運動を経ることによって生まれている。デ・カイザーはこうした運動の一部に溶け込まないよう、つねに身の周りのものにインスピレーションを見つけ、ポストモダン時代を独自の表現方法で切り開いていった。自宅や家の前にある木、もっとも身近に接している皮膚などをモチーフに、風景画家として小さなキャンバスに具象的要素と抽象的要素を同等に扱い、変化を取り入れながら新しい絵画を持続的に創造していた。ミュンスター彫刻プロジェクトを設立した著名なドイツ人キュレーターのカスパー・ケーニッヒ(1943-2024)は、デ・カイザーを現代美術の巨匠ゲルハルト・リヒター(1932-)とは対照的に、『小規模フォーマットのマスター』と表現した。デ・カイザーは、自らを中間空間に位置づけ、そこから螺旋状に対立を展開していった。絵画のルールを熟知した画家であり、そしてこのゲームの達人だった」と述べた。
また、デ・カイザー作品の特徴は、「自然界や具象的なイメージを暗示させながら、経験や解釈を制限するような物語や還元主義的な枠組みを示唆することを避けているのが特徴。デ・カイザーの作品を通して、私たちはもっとも安全に哲学的な境地に辿り着くことができると思う。なぜなら、人生そのものこそが、彼の作品を読み解くための最良かつ究極の引き立て役であるように思われるからだ。人生と作品、その避けられない相互作用、ラディカリズム、偶然、障害、出会い、決断、拒絶、そして願望に満ちた、ありのままの人間の生を受け入れること。これらすべてが、結果として生じる作品に、個々の作品の特有の輪郭と、全体に詩的なぼやけを与える対照的な形式を形作っている」とマーティン氏。
★──具体的な技法や手法を重視した絵画の基盤やスタイルを指す。例として、色彩の基礎、構図の原則、画材の特性を探求する作品など。
血流と皮膚、そして自然界
《Flank》については、「“フランク”というタイトルは、実はサッカー用語にもあり、サイドを攻撃するウイングの選手を指す。空間を通して色を動かすこの作品には似合うが、しかしそれが本当かどうかはわからない。デ・カイザーは、詩的で繊細な作品を作りながら、ありきたりなタイトルや辞書からランダムにタイトルを引っ張り出すという。デ・カイザーがよく使う戦略である。この作品で私たちが目にするのは色彩だ。それは肌の色だが実際の作品を見ると、キャンバス上にさまざまなタッチが見られ、黒い点が肌の吹き出物のようにランダムに表われている。私たちは皮膚について考えるとき絵画についても考える。なぜならキャンバスも皮膚のようなものだから。デ・カイザー自身もかつて、黒い点々を作ったことについてこう言っていた。『チューブから絵具を投げ付けたんだ。鯉が跳ねて水しぶきを上げるように絵具が飛び散ったり、またキャンバスにチューブが当たらないように注意しないと、奇妙な場所に絵具が付いてしまう可能性がある…』。同じ頃、デ・カイザーはギュスターヴ・クールベ(1819-77)の絵の中の皮膚について語った。『私はかつてウィーンで、クールベの絵画を見て人間の皮膚や動物の皮膚を研究するという課題を自分に課したことがある。キャンバスに描かれた絵具の前に、人間の皮膚に気づくのはどの画家だろうか考えた……』。黒い点は、デ・カイザーがキャンバスから少し遠ざかり、キャンバスに向かって黒い絵具を投げつけて描いた。つまりこの作品は、近さと遠さの混合を表現し、私たちの周りの自然界からの距離を例証している。私たちにとって通常絵画は視覚と関連するが、デ・カイザーにとっては、視覚と同時に触覚も重要だった。デ・カイザーは二つの感覚がどのように組み合わされるかを考えていた。《Flank》には私たちの内なる血流、つまり隠されたままの感覚と、外面的な皮膚が描かれている」とマーティン氏は語った。
現在マーティン氏は、デ・カイザーの故郷デインズのすぐ隣のドゥールレにあるドント・ダーネンス美術館で予定されている「シンシア・マルセル展」(2025.5)と「エディス・デキント展」(2026.1)を企画中であり、また東京ではマーティン氏キュレーションによる「ラウル・デ・カイザー展」が今年(2025)の11月初旬にワコウ・ワークス・オブ・アートで開催される予定である。
マーティン・ゲルマン(Martin Germann)
インディペンデント・キュレーター。ドイツのヘルデッケ生まれ。ケルン在住。ベルリンとポツダムの大学で文化マネジメント、文化科学、社会学を修学。2004年および2006年の第3回、第4回ベルリン・ビエンナーレの企画に携わり、2006年よりキュレーターとして活動開始。2008~12年ドイツ・ハノーファー のケストナー・ゲゼルシャフトにてキュレーター、2012~19年ベルギーのゲント現代美術館シニア・キュレーター、2019~25年森美術館ゲストキュレーター、その後アジャンクト・キュレーター。専門分野:現代美術。主な賞歴:2015年ベルギーの最優秀展覧会賞としてAICA賞受賞(「時のひだ」リリ・デュジュリー個展)。主な展覧会企画:「ラウル・デ・カイザー展」(ゲント現代美術館、2018)、「トーマス・ルフ展」(国立台湾美術館、2021)、「アナザーエナジー展」(森美術館、2021)、「オリバー・ラリック展」(中国・OCAT上海館、2022)、国際芸術祭「あいち2022」(愛知芸術文化センターほか、2022)、「私たちのエコロジー」展(森美術館、2023-24)、第9回絵画ビエンナーレ「Stories from the Ground」(ドント・ダーネンス美術館、2024)、「マシン・ラブ」展(森美術館、2025)。その他、展覧会カタログや雑誌『032c』『FRIEZE』『Mousse』にも寄稿している。
ラウル・デ・カイザー(Raoul De Keyser)
ベルギーの画家。1930~2012年。デインズ生まれ。家は居酒屋を経営し、父親は大工。1949年事務職公務員として国営電信電話会社に就職。美術評論・スポーツ記者もしていたが、30代に入り画家になるため辞めて、1963年デインズ芸術アカデミーに入学。60年代にはポップ・アートを牽引していた画家ロジャー・ラヴェールが参加していたグループ「Nieuwe Visie(New Vision)」に所属し、70年代から本格的に油彩画に取り組む。1990年公務員を早期退職。1991年オランダ・マーストリヒトのヤン・ファン・エイク・アカデミーで講師。1992年ドクメンタIXに出品。2007年第52回ヴェネツィア・ビエンナーレに参加。主な個展:1970年アントワープ王立美術館(ベルギー)、1986年パレ・デ・ボザール(ベルギー)、1987年ゲント現代美術館(ベルギー)、1988年ゼノXギャラリー(ベルギー)、1991年ポルティクス(ドイツ)、2000年王立ハイバーニアン・アカデミー(アイルランド)、2001年シカゴ大学ルネッサンス・ソサエティ(米国)、デヴィッド・ツヴィルナー(米国)、ワコウ・ワークス・オブ・アート(日本)、2002年ドント・ダーネンス美術館(ベルギー)、2004年ホワイトチャペル・ギャラリー(英国)、ロシュシュアール現代美術館(フランス)、デポン美術館(オランダ)、セラルヴェス現代美術館(ポルトガル)、2005年ザンクト・ガレン美術館(スイス)、2007年Mudel(Museum van Deinze en de Leiestreek/ベルギー)、2008年FRAC(Fonds Régional d’Art Contemporain)オーヴェルニュ(フランス)、2009年ボン美術館(ドイツ)、2011年フランドル議会議事堂内のホール「デ・ロケッテン」(ベルギー)、2015年エディンバラ王立植物園インヴァリース・ハウス(英国)、2018年ゲント現代美術館(ベルギー)。主な受賞:ジュヌ・ペインチュール・ベルジュ賞(1967)、オステンド・ヨーロッパ絵画賞銅メダル(1969)、レオポルド2世勲章シュヴァリエ章(1974)、ルーヴェン・カトリック大学文化賞(1994)、フランドル市民芸術賞(1995)、フランドル共同体文化賞(2007)。2012年デインズにて没。享年82歳。代表作:《Flank》《Baron in Al Held-Veld》《Tap and garden hose (green, zerp)》《Krijtlijn》《Chalk lines angle》《Angouleme》など。
デジタル画像のメタデータ
タイトル:Flank。作者:影山幸一。主題:世界の絵画。内容記述:ラウル・デ・カイザー《Flank》1991-92年、キャンバス・油彩、縦82×横67cm、ベルギー、ゲント現代美術館(S.M.A.K.)蔵。公開者:(株)DNPアートコミュニケーションズ。寄与者:S.M.A.K.、(株)DNPアートコミュニケーションズ。日付:─。資源タイプ:イメージ。フォーマット:Tiff形式21.1MB、300dpi、8bit、RGB。資源識別子:RS6002_DE KEYSER Raoul – Flank (3123)(Tiff形式21.1MB、300dpi、8bit、RGB、カラーガイド・グレースケールなし)。情報源:S.M.A.K.。言語:日本語。体系時間的・空間的範囲:─。権利関係:ラウル・デ・カイザー、S.M.A.K.、(株)DNPアートコミュニケーションズ。
画像製作レポート
《Flank》の画像は、ゲント現代美術館(S.M.A.K.)へメールで依頼した。後日、S.M.A.K.からのメールにより、作品画像をダウンロードして入手(Tiff、21.1MB、300dpi、8bit、RGB、カラーガイド・グレースケールなし)。著作権は不要、無料、掲載期限なし。
iMac 21インチモニターをEye-One Display2(X-Rite)によって、モニターを調整する。S.M.A.K.のWebサイトにある作品画像を参考に、画像の色味を確認、同じに見えたので調整はせずそのまま使用した(Tiff形式21.1MB、300dpi、8bit、RGB)。著作権について、デ・カイザーは2012年没のため著作権保護期間(70年)にあたるが、S.M.A.K.に問い合わせると、画家の著作権許諾書は必要なしとの回答だった。画家と美術館の間で公開に向けた取り決めがあるのかもしれない。作品を所蔵する美術館の広報として、美術館側から作品画像を前向きに提供する感じを受けた。利用者としては作品画像の借用のプロセスが簡略化されていて使いやすかった。
セキュリティを考慮して、高解像度画像高速表示データ「ZOOFLA for HTML5」を用い、拡大表示を可能としている。
参考文献
・図録『RAOUL DE KEYSER』(WAKO WORKS OF ART、2001)
・図録『Raoul De Keyser』(WAKO WORKS OF ART、2007)
・Steven Jacobs,Raoul De Keyser:retour 1964-2006(Ludion、2007)
・Raoul de Keyser:Terminus:Drawings(1979-1982) and Recent Paintings(Steidl/David Zwirner、2011)
・RAOUL DE KEYSER:OEUVRE(Buchhandlung Walther König、2018)
・図録『抽象世界 : abstraction : aspects of contemporary art』(国立国際美術館、2019.5.25)
・Webサイト:清水穣「レビュー:1980年代以降の抽象芸術に何が起きたのか。清水穣評「抽象世界」展」2019.7.16(『美術手帖』)2025.5.5閲覧(https://bijutsutecho.com/magazine/review/20119)
・Webサイト:Scott Indrisek「Art Market:Painters Love Raoul De Keyser-Now the Market Is Catching Up」2019.11.28(『Artsy』)2025.5.5閲覧(https://www.artsy.net/article/artsy-editorial-painters-love-raoul-de-keyser-market-catching)
・Webサイト:Hamza Walker「Essay:Raoul De Keyser」2001(『THE RENAISSANCE SOCIETY』)2025.5.5閲覧(https://renaissancesociety.org/publishing/65/raoul-de-keyser/)
・Webサイト「Archives Raoul De Keyser」(『Benedict Vandaele』)2025.5.5閲覧(https://www.benedictvandaele.com/expo)
・Webサイト:「ラウル・デ・カイザー」(『WAKO WORKS OF ART』)2025.5.5閲覧(https://www.wako-art.jp/artists/raoul-de-keyser/)
・Webサイト:「Raoul De Keyser」(『Trautwein Herleth』)2025.5.5閲覧(https://trautweinherleth.de/artists/raoul-de-keyser/)
・Webサイト:「Raoul De Keyser」(『ZENO X GALLERY』)2025.5.5閲覧(https://zeno-x.com/artists/raoul-de-keyser/)
・Webサイト:「Raoul De Keyser」(『David Zwirner』)2025.5.5閲覧(https://www.davidzwirner.com/artists/raoul-de-keyser)
・Webサイト:「Raoul De Keyser」(『S.M.A.K.』)2025.5.5閲覧
(https://smak.be/en/artists/raoul-de-keyser)
・Webサイト:「Flank/Raoul De Keyser」(『S.M.A.K.』)2025.5.5閲覧(https://smak.be/en/artworks/flank-3123)
掲載画家出身地マップ
※画像クリックで別ウィンドウが開き拡大表示します。拡大表示後、画家名をクリックすると絵画の見方が表示されます。
2025年5月