村田真/原久子 |
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2/26-2/29 |
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特別展 円山応挙
2/3〜3/21 江戸東京博物館[東京] |
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午前中、子守りしながら仕事を片づけて、さーてメシでも食って芸大の卒展を見に行こうと案内状を確かめたら、ぬぁんと正午で終わりではないか! わーい早すぎるぞ、わーい喜んでる場合ではない。しかたなく進路を変更して両国の応挙展へ。10年前に見た没後200年展より点数も多く、写生図巻や粉本などの資料も充実し、日本絵画における「写生」の可能性と限界を知ることができた。しかしまた、これが日本絵画における脆弱な素材ゆえの限界なのだが、毎週のように展示替えがあるため、この日見られたのは全出品作品のうちの6割にも満たない。しかも薄暗い照明のもと、ガラス越しにしか見られないのだ。絵画はやっぱり表面をなでなで目で愛撫できるくらい近くで見たい。
[2月26日(木) 村田真] |
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コマール&メラミッド エレファントアート展
2/23〜3/5 ギャラリーイセヨシ[東京] |
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昨年、川村記念美術館でも紹介されたゾウの描いた絵を展示即売。どのゾウもバリバリの抽象表現主義者だが、ストロークの違いによってフランツ・クライン風、デ・クーニング風と個性が表われている。もっとも彼らの場合、手ではなく鼻のストロークだが。作品の売上げの一部は、仕事が減って困ってるタイのゾウ使いたちに寄付されるというので、モネの最晩年風の1点を購入。35,000円なり。パオ〜。
[2月27日(金) 村田真] |
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山部泰司展
2/16〜28 村松画廊[東京] |
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金一色のゴールデンペインティング。よく見ると金の隙間から下地の赤がのぞき、表面には花のようなかたちがレリーフ状に浮きあがって金唐革みたい。いったん絵具を厚く盛りあげて描き、その上に金箔を貼ったらしい。絵画本来のもつゴージャスさ、脆弱さ、胡散臭さといったものをすべて備えた欲ばりな作品。
[2月27日(金) 村田真] |
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六本木クロッシング クロストーク
2/27 Super
Deluxe[東京] |
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六本木クロッシング展の関連イベントとして開催されたクロストークは、6人のノミネーター兼キュレーターと、出品作家である会田誠、鶯蛙、生意気、ヤノベケンジによる2部構成の座談会。終了時間が遅いイベントであるにもかかわらずオーディエンスがいっぱい来ていて、関係者のくせにちょっと驚く。出演者が多いので、1人当たりが話す時間は短いが、ヤノベケンジは歯に衣着せぬしゃべりでかなりのインパクトを与えた。こんな場ではやっぱりしっかり作品をつくっている作家の言葉は重みがある。でもって、「生意気」は「ボクらの今の気持ちをピアノで弾きます」と連弾しはじめて……こうなると言葉もさることながら内から出た衝動的な行為が場をさらってゆく。
[2月27日(金) 原久子] |
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若冲と琳派
2/26〜3/15 横浜高島屋8階美術ギャラリー[神奈川] |
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京都の細見美術館のコレクション展。琳派は宗達、光琳、抱一もあるが、鈴木其一が大半を占めている。若冲の作品も驚くほどあるが、驚くほどの作品は《糸瓜群虫図》くらい。でもよくこれだけ集めたもんだ。
[2月28日(土) 村田真] |
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今日の作家展2004
2/27〜3/21 横浜市民ギャラリー[神奈川] |
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あれ? いつから「昨日の作家展」になったんだっけ?と一発かましたくなるような後退ぶりだ。「人間のこころをめぐる表現」のテーマのもと、出品作家は智内兄助、橋口譲二、森脇正人、ヤン・シャオミンの4人で、平均年齢52歳。別に高齢だから後退というのではなく、写真の橋口を除く3人はいわゆる具象画で、森脇などは日展を中心に活動する画家なのだ。はたしてここで採りあげるべき「今日の作家」だろうか。会場は閑散とした団体展を思わせる。
[2月29日(日) 村田真] |
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ある知日家アメリカ人と昭和の日本
2/4〜4/25 横浜開港資料館[神奈川] |
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幕末・維新の横浜を知るために開港資料館を初訪問。常設展では、黒船来航から開港、明治の文明開花までが写真や浮世絵(ほとんど複製)、模型などのディスプレイでざっくりたどれる。企画展のほうは、知日家のアメリカ人ドン・ブラウンにスポットを当てたもの。彼は25歳で初来日し、日米開戦の迫った1940年に帰国。戦時中は日本軍に投降を呼びかける宣伝ビラを作成。戦後はGHQの一員として再来日し、対日メディア政策にかかわり、1980年に亡くなるまで生涯を日本研究に捧げたという。「親日家」ではなく「知日家」とされている点、彼の複雑な胸中がしのばれる。
[2月29日(日) 村田真] |
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アーカスナイト
2/29 スクラッチタイル[神奈川] |
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アーカスの“敏腕”ディレクター帆足亜紀と、2003年の招聘アーティスト小泉明郎をゲストに迎え、10年目を迎えるアーティスト・イン・レジデンスの活動を振り返る。アーカスのミッションは、アーティストの創作活動を支援することと、地域交流を活発にすること。つまり「芸術性」と「大衆性」の二兎を追うわけだが、このふたつが両立しがたいことは全国の美術館の悪戦苦闘ぶりを見ても明らかだ。理想をいえば、芸術性の追求がおのずと大衆性の獲得につながることだが、なかなかそうはいかずゴケで、逆にマンガやアニメのように、大衆性を追求したものがいつのまにか(しかも海外で)芸術性を獲得してしまうのが、ニッポンという場所のおもしろさなのだ。
[2月29日(日) 村田真] |
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幻のロシア絵本1920〜30年代展
2/28〜4/11 芦屋市立美術博物館[兵庫] |
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理想の国家をつくろうと市民もみな同じ気持ちで前向きだった時代の絵本は、未来に向けて子供の教育のことなどを考慮したり、楽しい労働や日常生活を感じるようなものが多い。ロシアアヴァンギャルドの影響をうけた色面で構成したような絵や印刷の質感がよい。次第に体制からの抑圧を受け、理想と現実との乖離を感じる時代になると色づかいや絵まで変化してゆくのがわかる。「具体美術協会」を引っぱっていた吉原治良が収集していた1920〜30年代の絵本を中心に展示されている。所謂「具体」のイメージとは異なる画風だが、吉原がつくった絵本『スイゾクカン』(1932年)もずいぶんとロシアの絵本の影響があったようにみえる。
[2月29日(日) 原久子] |
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