村田真/原久子 |
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3/2-3/5 |
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クリスト&ジャンヌ=クロード ニューヨーク/台場“プロジェクト”
3/2〜28 フジテレビ本社ビル 球体展望室[東京] |
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来年2月に実施予定の《ザ・ゲート、ニューヨーク、セントラルパークのためのプロジェクト》は、全長37キロにおよぶセントラルパークの遊歩道に、サフラン色の布を吊り下げた高さ4.9メートルのゲートを7,500本立てるという計画。立案されたのが1979年だから、実に4半世紀がかりのプロジェクトとなる。その告知を兼ねて、1996年に発案された《台場プロジェクト》も、その舞台となるフジテレビ本社で紹介しちゃおうという展覧会。《台場プロジェクト》のほうは、お台場に浮かぶふたつの島から浮き橋を通って海浜公園、遊歩道、フジテレビの大階段まで布でおおってしまう計画だが、実現のメドはたってない。それにしてもこの計画、メディア企業を巻き込んでいること、しかも系列グループによる世界文化賞を受賞(1995)したことが発端になっている点で、これまでのプロジェクトに比べて安易だし、動機が不純だ。もっともクリスト&ジャンヌ=クロードのアーティストとしての仕事は《ライヒスターク》(1995)が最後のピークであって、それに比べれば《バイエラー》にしろ《ゲート》にしろ《台場》にしろ、「老後の楽しみ」というべきだ。
[3月2日(火) 村田真] |
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リサ・ラーソンとスウェーデンの暮らし展
3/2〜4/11 graf media gm[大阪] |
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懐かしさや暖かさを感じるようなリサ・ラーソンの陶オブジェは美術品というより、誰もが手にとって親しめる日常の生活品といったほうがしっくりくる。動物をモチーフとした置き物は、家にひとつ持って帰りたいといった気持ちにさせる。今回はスウェーデンの民家風に設え、リサ・ラーソン作品だけではなく、北欧家具や食器類などが並び、そこでだれかが生活をしているような展示空間になっている。
[3月2日(火) 原久子] |
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「Human Notation」
ヤマガミユキヒロ、山本麻紀子、吉田周平
3/2〜7 ギャラリーcoco[京都] |
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それぞれ3人の作品はこれまでにも観て知っていたが、どうしてこの3人の組み合わせなのかが腑に落ちないまま初日を迎えた。「Human Notation」というタイトルもよく理解できず、直訳すれば「人間に関する覚書/記録」なのかな、などとぼんやり考えながら画廊へ到着。ヤマガミは前回の個展の延長上にある作品。日常のノイズにも近い街の中などの会話を録音し2つのスピーカーから流し、言葉を拾い起こしてスピーカーの間の壁に文字を並べてゆくといったもの。山本は3人の人物をピックアップし、周囲の情報から彼らの人物像を作り上げてゆく。そして、吉田は棚の上に日用品を置いていくが、それは人の行為の痕跡とも言えるような微妙な「間」をもった作品だった。3人3様の個性をいかして表現している作品を観て、こういう展覧会もありなのね、と納得。
[3月2日(火) 原久子] |
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物見遊山
2/28〜3/14 東京大学総合研究博物館小石川分館[東京] |
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東京大学博物館工学の西野嘉章ゼミと、東京藝術大学の川俣正ゼミの有志が立ち上げた有限会社「TO.CO」のアートプロジェクト第1弾。というのだが、立ち並ぶ博物学的標本のあいまを摸型の鉄道が走っていたり、チープなオブジェが置かれていたり、なにがなんだかよくわからないのであった。
[3月4日(木) 村田真] |
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岡村桂三郎展
2/23〜3/6 コバヤシ画廊[東京] |
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ギャラリーに入ると四周を絵に囲まれる。高さ3メートル近い8曲の屏風絵と、それよりひとまわり低いが2メートルを超す6曲および12曲の屏風絵。素材は板で、表面を刻むように描かれている。照明を落としているうえ画面がモノトーンなので、一見なにが描かれているのかわかりにくいが、よく見ると、ウロコが生え、目がたくさんある中国の幻獣らしい。作品そのものもさることながら、支持体の板のこげ茶色がフローリングの色につながり、胡粉の白が壁の色と共鳴し、このまま常設展示にしてほしいくらいギャラリー空間にぴったりはまっている。画廊で見る個展としては久々に感動的な、すんばらしいインスタレーション。
[3月5日(金) 村田真] |
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黒田悠子展
3/1〜13 巷房+Space Kobo & Tomo[東京] |
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綿布にアクリルと紙に水彩の人物画。いずれもニジミやボカシを生かしている。でもね、前回はマルレーネ・デュマス、今回は丸山直文を想起させちゃうんだよね。
[3月5日(金) 村田真] |
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永原トミヒロ展
3/4〜13 ギャラリィK[東京] |
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道端のフェンスやベンチなど、なんてことないモチーフをあっさりと描いたどうってことのない絵。この「なんてことなさ、どうってことなさ」が作者の売りか。
[3月5日(金) 村田真] |
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渡辺紅月展
2/23〜3/6 ギャラリーQ[東京] |
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白い紙と胡粉に、名のごとく紅色も鮮やかな絵。「情念」みたいな言葉が視線にからみついて、ちょっと苦手どす。 [3月5日(金) 村田真] |
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千崎千恵夫展
3/1〜13 ギャラリー21+葉[東京] |
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世界各国の肌の色の違いを調べて、それを比べたり混ぜたりしている。作者にはそんな気はないんだろうけど、とっても恐ろしいことかもしれません。
[3月5日(金) 村田真] |
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川島清展
3/1〜27 ギャルリー東京ユマニテ[東京] |
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鉛や鉄板を巻いたものや焦げた材木や使い古した太いロープや、とにかく重厚そうなものが床に積み重なって、なんか重そう。彫刻とも違うし、いわゆるインスタレーションとも違う。思わせぶりのようでもあるし、まったく思わせぶりのない「そのもの」でもあるようだし……と考えさせてしまう作品。
[3月5日(金) 村田真] |
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綿引展子展
3/1〜13 藍画廊[東京] |
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紙にオイルパステルの絵。作者のキャリアと自信が画面にしっとりと定着してるって感じ。
[3月5日(金) 村田真] |
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