村田真/原久子 |
|
4/15 |
|
|
|
|
真珠の首飾りの少女
4/10〜 シネスイッチ銀座 ほか |
|
|
|
|
平日の真っ昼間だというのに、映画館の前は列をなしている。ざっと見たところ、観客の半分はおばちゃん、3割はおっさん。残りの2割がぼくのような若者だ。うーむフェルメールは高齢者層に支えられているのか。この映画、フェルメールの作品のモデルを主人公にした物語で、17世紀オランダの画家の日常生活が美しく描かれている。まあ映画についてはさておき、帰りに映画館から出たところでステキな人とすれ違った。オランダ女性とは切っても切り離せないあの佐川くんだ。そういえば映画のなかでは、血まみれの肉屋の息子がモデルの少女と仲よくなり、性交するシーンがあった。一歩まちがえ(なけ)れば芸術家になっていただろう佐川くん、この映画をどう見るか。
[4月15日(木) 村田真] |
|
|
|
|
白汚零写真展「赤い迷宮」
4/12〜17 ヴァニラ画廊[東京] |
|
|
|
|
洞窟(下水道も含む)を撮り続けるユニークな写真家。今回はヌードの女性を洞窟にもぐらせて撮影した作品。「赤い迷宮」というタイトルは、作品がすべて赤いフィルターでおおわれているから。それにしても、しっとり濡れた洞窟(ヴァギナ)に入り込む女体はまるでペニス。しかも彼女たちの陰部は丸出しで、それを白汚のレンズが背後から襲うという奇妙な構図だ。
[4月15日(木) 村田真] |
|
|
|
|
美の生命力と唐草展
4/8〜5/25 ハウスオブシセイドウ[東京] |
|
|
|
|
銀座の資生堂本社ビル1、2階にオープンしたスペース。その記念展は、同社の重要なモチーフである唐草文様をテーマにしたもの。1階では、宙吊りの鉢植え植物に触れると下のスクリーンに植物の増殖するイメージが映し出される、クリスタ・ソムラー&ロラン・ミニョノーのメディアアートを公開し、2階では世界中から集めた唐草文様を展示。こういう博物学的展示は大好きだけど、お上品すぎるなあ。もっと唐草文様で埋めつくしてほしかった。
[4月15日(木) 村田真] |
|
|
|
|
戦後日本美術の多様な断面
4/8〜15 資生堂ギャラリー[東京] |
|
|
|
|
戦後、資生堂ギャラリーで始まったグループ展「椿会」の第4次までの出品作品から抜粋したもの。1、2次は梅原龍三郎、横山大観といった洋画と日本画で占められていたが、3次から佐藤忠良や舟越保武ら彫刻も加わり、4次には堀浩哉らの絵画と舟越桂らの彫刻になった。ちなみに現在の第5次は「現代美術」というしかない選択。作品のみならず作家人選からも時代および資生堂ギャラリーの趣味の変遷がうかがえる。
[4月15日(木) 村田真] |
|
|
|
|
堂本右美展
4/13〜5/14 ギャラリー小柳[東京] |
|
|
|
|
第5次「椿会」にも出している堂本は、現在もっとも質の高い絵画をつくる作家のひとりだ。今回はぼんやりボケた光のイメージを地に、黒く太い線でサクランボの輪郭のような図を描いている。この黒い線が画面の下辺から「生える」ように描かれているところに、なにかしら意図ならぬ「意志」を感じてしまうのだ。
[4月15日(木) 村田真] |
|
|
|
|
松山賢「きもちいいからだ」
3/29〜4/17 ギャラリー手[東京] |
|
|
|
|
ヒップとバストをくっつけたり、乳房がたわわに実った女体をつくったり、男の欲情の対象をもろにクローズアップした彫刻。でもこんなのがベッドに横たわってたりしたら「きもちわりい」よ。
[4月15日(木) 村田真] |
|
|
|
|
池田龍雄展「場の位相」
4/1〜17 ギャルリー東京ユマニテ[東京] |
|
|
|
|
複数のパネルを組み合わせ、モノクロームに近い色彩で有機形態を描いている。パネルにはところどころ穴が空いていて、日本の戦後絵画の試みを集大成したような印象。
[4月15日(木) 村田真] |
|
|
|
|
志村ふくみの紬織り
4/10〜5/23 滋賀県立近代美術館[滋賀] |
|
|
|
|
昨年度同館に収蔵された60点は、本格的に志村が創作活動に入った昭和30年代から最近までの作品。ギンガムチェックのようなモダンな格子柄があったと思えば、幽玄な風景を思わせるようなグラデーションの紬もある。最新作《源氏物語シリーズ》を観ていると、80歳を越えたアーティストがつくっているとは思えない冴えた感覚に驚かされる。 [4月15日(木) 原久子] |
|
|
|
|
小松育美展──どこでもないどこか
4/13〜24 ギャラリー16[京都] |
|
|
|
|
さまざまな時間の空が描かれているのだろうか、そんなことをイメージさせるペインティング。具体的なものが描かれているわけではないが、その色の層のなかで想像力がかきたてられる。
[4月15日(木) 原久子] |
|
|
|
|
荒木珠奈展
4/13〜25 アートスペース虹[京都] |
|
|
|
|
層をなしたカーテンのようなオーガンジー(布)のインスタレーション。劇場空間というほどの迫力もなく。装飾というほどデザインされてもいない。通り抜ける際に肌に触れるのにもかかわらず、迫るものが欠けていた。
[4月15日(木) 原久子] |
|
|
|