村田真/原久子 |
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5/25-5/28 |
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かながわの絵
5/21〜6/20 そごう美術館[神奈川] |
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「県内美術館所蔵品による」と副題のついた「かながわの絵」。なんだ、神奈川県下の美術館から絵をかき集めてきただけじゃねえか、とタカをくくってたらこれが意外とおもしろかった。出品作家はすべて神奈川ゆかりの画家ばかりで、作品も神奈川を(または神奈川で)描いたものが多い。なかでも見逃せないのが、開港まもない時期に活躍した五雲亭貞秀の横浜浮世絵や、五姓田芳柳の横浜絵、居留地でジャーナリストとして活動していたチャールズ・ワーグマンや、彼に油絵を学んだ高橋由一、芳柳の息子の五姓田義松、小林清親らの作品だ。また、由一をワーグマンに引き合わせた岸田吟香の息子の劉生や萬鉄五郎も、大正期に湘南に移り住んだころの佳作が出ている。それに比べて現代の画家が貧弱なのは、神奈川(および横浜)の魅力が衰退しているからではないか。
[5月24日(月) 村田真] |
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アートがあれば
5/26〜7/11 東京オペラシティアートギャラリー[東京] |
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新興プチブルならぬプチコレクター9組によるプライベート・コレクション展。9組がだれであるかはイニシャルしか明かされていないが(だいたいわかるけど)、それより出品作品を見て、どこの画商から購入したのかを当てるほうがわかりやすいかも。それにしても、公の美術館がこうしたプライベート・コレクション展を組織すること自体、美術館の危機と見るか、新機軸ととらえるか。もっともこの美術館自体、ひとりのプライベート・コレクションの寄贈によって成り立っているんだけど。
[5月25日(火) 村田真] |
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イリヤ&エミリア・カバコフ展
5/29〜7/19 森美術館[東京] |
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時空を重層化させた、展覧会についての展覧会。最初は写真と言葉による作品が続き、やがて上半分が天井に隠れた巨大な額縁絵画が現われ、それを見る巨大な観客の足が登場する。つまりわれわれは、彼らの足もとでゴキブリのように作品を見ていることになる。下を見ると、こんどは床の縁にもっと小さな別世界が広がっていることに気づく。昨年、ヴェネツィアのケリーニ・スタンパリア財団でこれを見たときは、ビエンナーレが退屈だった分リラックスして楽しめたけど、ここではホワイトキューブのうえ窓がないせいか窮屈に感じた。
[5月28日(金) 村田真]
作品にそえられたテキストを読むのに必死になっていたら、小さな子供が「でっかい足〜」と言いながらガリバーようにでっかい足に飛びつく瞬間を観た。全体を観ないで、テキストばかり読んでいて、頭でわかろうとすると大事なことを見過ごしちゃうかも。
[6月6日(日)原久子] |
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岸本康「OUR MUSEUM」
5/28 1929ホール[神奈川] |
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バンカートスクールの岩渕潤子ゼミ最終日の今日は、特別公開講座としてアートドキュメンタリストの岸本康を招き、監督作品「OUR MUSEUM」を上映。この映画、岸本が子供のころよく連れていかれたという京都市美術館の記憶をたどりつつ、同時期に設立されたパリ市立近代美術館などへの取材を重ね合わせて、美術館とはなにかを問うている。どうせなら東京都美術館やMoMAの成り立ちなどにも触れればもっと広がりをもてただろうけど、あくまで私的動機により撮られたものだから、これはこれで深みがあっておもしろい。
[5月28日(金) 村田真] |
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木村望美展
5/26〜6/6 海岸通ギャラリーCASO[大阪] |
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木村望美の作品は観ているほうの身体まで何か重力を失わせるような空気に包み込む。バルーンを浮かせたり、空間が蜘蛛の巣に占領されたように白い糸を編んでいったりしてきたが。この個展では、光を新たに取り入れた。木村は目立った存在ではないが、いつもどきどきしながら展示に導かれる。物質では表現できないものを伝える技量がどんどん高まってきている。
[5月28日(金)原久子] |
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タイ・テツヤ展
5/3〜29 ギャラリーツインスペース[大阪] |
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崖のうえの一軒の家。現代の世情を映したような、人々がおののき立ち尽くす様子。タイ・タツヤの作品は、私たちが日頃感じている周辺の状況に対する恐怖心、気にかかっていることがらなどを断片的に描いているように見える。悪夢とも、現実ともうかがえる。人々はどんな夢をみたのか、夢で心理を分析するようなことをする。よい現実からしか、よい夢は生まれそうにない。
[5月28日(金)原久子] |
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アートコートフロンティア
5/28〜6/26 アートコートギャラリー[大阪] |
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昨年からはじまった企画で、関西を拠点に発表を行なう若手作家15名によるグループ展。同じく関西を拠点にする学芸員/コレクター/ジャーナリストなどの15名が各1名ずつ推薦するという方式をとっている。昨年とはまったく異なる顔ぶれで、こんな機会でもないといっしょに並ぶこともなかっただろう作家たちが並ぶ。作家同士も普段にない刺激を与え合う機会ではないかと思う。
[5月28日(金)原久子] |
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