村田真/原久子 |
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6/5-6/7 |
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小林孝亘展――終わらない夏
4/24〜6/20 目黒区美術館[東京] |
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初期の潜水艦シリーズから、木もれ日、眠り、新作の日光浴シリーズまで、20年近い仕事を振り返る個展。数えてみると油彩は26点だけだが、50点くらい見たような気分になる。この満腹感はたぶん、1点1点の作品が濃いからだろう。それにしても頑固なまでに自分の嗜好とスタイルにこだわり続ける画家だ。そのこだわりが濃いのだ。カタログの巻末にはモノクロながら全油彩画が掲載され、これを見るだけでもけっこう楽しめる。
[6月5日(土) 村田真] |
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棚田康司展
5/19〜6/19 ミヅマアートギャラリー[東京] |
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いやーな目つきの少女像が4体と、横向きの少年像が1体。パンツや靴下をはいたのもいるけど、ほとんどヌード。うち、少女像3体は1本の巨木を3分割して台座ごと彫り出したもので、3姉妹だそうだ。プロポーションや表情はデフォルメされているが、肌ざわりや色はリアルで気もち悪い。上目づかいのまなこには細い血管が走り、透明樹脂が塗られて涙目になっている。いちおう下も確かめてみると、性器はほんのり赤く湿っており、しっかり穴までうがたれていた。
[6月5日(土) 村田真] |
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ク・ナウカ「アンティゴネ」
6/3〜16 1929ホール[神奈川] |
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演劇だがBankARTネタなので書いちゃう。すげえおもしろかったし。でも演劇を見ること自体すっげえ久しぶりぶりなので、相対的な評価はできませんが。だいたいこれを見て、20年以上も前の早稲田小劇場を思い出したくらいだもん。早稲小を思い出したのは切りつめた動きや語りだが、この劇団の特徴はひとりの「動き」と「語り」をそれぞれ別の役者が演じる2人1役。つまりひとりの登場人物を、役者Aの動作と役者B の台詞に分けて演じるのだ。だけどそれって「演劇」の枠組みを解体しかねない無謀な試みではないかしら。だからこそギリシア悲劇でなくてはならないのかも。ともあれ、ぶっとい円柱が並び、ガラス越しに階段が見えるこの特徴的な空間を巧みに使い、1時間半の時間に凝縮させた力量はみごとというほかない。ただしこの円柱が多くの観客の視界をさえぎってしまい、不満の声があがったのも事実。特徴ある空間ゆえのメリット、デメリットを顕在化させた公演といえる。
[6月5日(土) 村田真] |
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AIWA TO ZEN キャンディス・ブレイツ展「AIWAから禅まで」
6/5〜7/11 トーキョーワンダーサイト[東京] |
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キャンディスの作品には「連続と侵犯」展(東京国立近代美術館、大阪国立国際美術館)で私ははじめて出会った。日本の文化や言語に触れてできた新作「AIWAから禅まで」には彼女の感性の鋭さと、枠にとらわれない表現力を感じた。最初から最後まで何度笑ったことか。何度でも繰り返し観れてしまう。
[6月5日(土)原久子] |
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中川トラヲ個展
5/29〜6/26 Kodama Gallery / Tokyo[東京] |
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ペインティング作家はいっぱいいるし、みんな真面目に絵を描いているんだが、この人はそのなかでもとりわけ画面づくりにこだわっている若手と言えるだろう。いつも実験を続けているその精神も評価できるし、前向きなのもいいところ。今、本人も描くことが楽しくて仕方ないらしい。
[6月5日(土)原久子] |
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MAMプロジェクト ジュン・グエン・ハツシバ展
5/29〜7/19 森美術館[東京] |
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去年のヴェニスではちょっと観づらい展示だった《水俣》も、4面の画像を同機させてバッチリ展示。通り抜けする人がいなくて、吸い込まれるように、どんどん観ている人がたまってゆく。水中の遊戯に絡まれて箱のなかにはいって観ているほうも作品に取り込まれてゆく感じがする。そして沖縄ロケをした新作についても同様。映像作品にありがちな時間に縛られている感じがまったくなく、心地よい緊張感をもって水中でキャンバスに向うダイバーたちといっしょに海に入っている気分。サウンドの効果で気持ちが高揚してくる。
[6月6日(日)原久子] |
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本田健展
5/21〜6/19 ギャラリーGAN[東京] |
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遠野に住む本田が、家の周辺で撮った写真をもとにチャコールペンシルで拡大描写した作品。小川、林、石、星もある。近景にピントを合わせたせいか、背景がボケたものが多く、ボケた頭にはちょうどいいわい。
[6月7日(月) 村田真] |
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