小吹隆文/福住廉 |
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6/10-6/15 |
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時間の庭へ・植松奎二展
6/10〜7/30 西宮市大谷記念美術館[兵庫] |
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10年前にも同館で個展を開催した植松だが、本展ではこの10年間に美術館が収蔵した作品と、新作を織り交ぜて紹介。1階は新作、2階はコレクションと区分けして展示された。なかでも、宇宙線もしくは聖なる光を連想させる《光の庭──雨》と、壁面いっぱいに滝の映像を投影した《水の庭──音》の新作2点は、スケールの大きさと同時にある種のヒーリング作用を持ち、今展の見所となっている。
[6月10日(土) 小吹隆文] |
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新野圭二郎 FOR THE BEGINNING OF ALL THE WORLD
5/27〜6/11 Polyphonic* Viewing room[東京] |
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「人生は、破綻する事もある」。のっけから強烈なメッセージで迎えてくれる新野圭二郎の新作展。一文字ずつステンレスで形成した文字枠のなかで発光ダイオードを光らせて反射させているため、しばらく見続けていると眼が痛くなるほど、「人生は、破綻する事もある」がピカピカキラキラと輝いている。ほかにも、若手建築家の昨年度の年収を明示する石膏作品や、実印をロケット花火にくくりつけて発射させる映像など、全体的に漂っているのは昨今の下流感だ。これを「負け組」の怨恨としてしか見ることができないのは、その人が「勝ち組」か、そうでないにもかかわらず、そのように振る舞いたい人に限られている。新野が優れているのは、それをたんなるルサンチマンの表明としてではなく、ピカピカに輝く「破綻」の文字が表しているように、絶望と希望がないまぜになった両義性をそのまま抱え込みながらあけすけに提示しているからである。
[6月10日(土) 福住廉] |
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LOCUS 2006 TOKYO展 MEMORY
5/23〜6/10 人形町Vision's[東京] |
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世界各国でのお茶を飲むシーンを集めた映像。どこの国でも「まったり感」が漂っていて、世界はかくも平和なのかと危うくだまされるところだった。
[6月10日(土) 福住廉] |
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なかもと真生
6/7〜15 NC Art Gallery[東京] |
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空間の内面を銀色の機械で埋め尽くしたインスタレーション。宇宙船の船内のようでもあるけれど、よく見ると木材や発泡スチロールも使われているのでジャンクアートのようでもある。室内が密閉されていたせいか、かなりの息苦しさを覚えた。
[6月10日(土) 福住廉] |
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BuBu de la Madeleine ブブ・ド・ラ・マドレーヌ 売女日記「お客と一緒に撮るポルノ」
5/16〜6/17 オオタファインアーツ[東京] |
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「売女」を職業とする作家による映像作品。タイトルが示すとおり、顧客との共同作業によってポルノ映像をとる。それは文字通りのリアリズムだが、それらのあいまに差し挟まれる車窓からの風景に文字で私情(詩情)を語るシーンが、全体的に私小説のような印象を強くしている。その落差をどのように受け止めていいのか、いまだにわからない。
[6月10日(土) 福住廉] |
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√ roots 私の中の日本的なるもの
6/15〜24 法然院[京都] |
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呉夏枝、手塚愛子、パラモデル、船井美佐の若手4組と、コーディネーター・ 山本麻友美による展覧会。寺内の講堂と南書院が会場だったが、襖を開けて 4室を通り抜ける南書院の展示は、ある種のストーリー性と共に各自の個性が 発揮されており見応えがあった。手塚、パラモデル、船井の表現にある種の共 通性が垣間見えたのもあらたな発見だった。ただ、「わたしの中の日本的なる もの」が何なのか、肝心の部分までは理解に至らず。会場にいたメンバーに追 及せず、疑問を抱えたまま帰ったのは私のミスだった。
[6月15日(木) 小吹隆文] |
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