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プライバシーステートメント
展覧会レビュー
小吹隆文/福住廉
10/19-10/20
小暮学 マチカド・ファミリー
10/16〜10/21 Pepper’s Gallery[東京]
小暮学 マチカド・ファミリー
画昭和の街角に見られた看板をモチーフにした絵。着想は面白いけれども、その絵で結局なにを描き出したかったのかがわかりにくかった。
[10月19日(木) 福住廉]
犬飼美也妃 個展 part2
10/16〜10/21 Gallery Q[東京]
犬飼美也妃 個展 part2
草花が人型にくりぬかれた野原の写真。作家本人の影法師を丸ごと切り取ったらしい。その抜き取った草花を同じ形のレースのなかに詰め込んで会場で再現していたが、当然それらは枯れてしまっているため、再現不可能性の哀愁が漂っていた。
[9月23日(土) 小吹隆文]
小西淳也写真展 子供の時間
10/14〜10/23 コニカミノルタプラザギャラリーA[東京]
小西淳也写真展 子供の時間
同じ子どもの写真といっても、梅佳代のそれとは正反対の写真。暗い部屋でひとりテレビゲームに没頭する男の子やベッドの上で仰向けに寝そべる女の子など、いずれも時間が止まったかのように動きがない静かな写真だ。梅佳代の写真が外で動いていないと死んでしまう子どもの一面を写し出しているとすれば、小西のそれは内にこもっていないと死んでしまう子どもの一面をとらえている。両者はともに子どもが抱える危うい「死」をファインダーの先に見ていたはずだが、小西のほうが直接的にそれを表現しているようだ。
[10月19日(木) 福住廉]
テレンス・ドノヴァン 
10/6〜10/22 ポール・スミス スペース[東京]
いまに始まったことではないにせよ、最近とみにファッションとアートの距離が近づいている。アーティストがファッション・ブランドに手を貸す「コラボ」はもはや珍しくなくなってきたし、ここ数年のあいだショップにギャラリーを併設するブランドが眼に見えて多くなってきた。
既存のアート業界とは異なる文脈が生まれていることはまちがいないけれど、ではここで何が展示されているかというと、絵画や彫刻は極めて稀で、インスタレーションや版画ですらなく、ほとんどの場合が写真に限られている。それはなぜか。写真がファッションと近接している表現媒体であることはもちろん、それよりなにより、身もふたもなく言ってしまえば、「安上がり」だからだろう。写真の展示はコストを低く抑えられる反面、高い収益が期待できる。だからファッション・ブランドがこぞって写真を展示している事態は、金儲けの基本に忠実であることを物語っているが、逆にいえば「ファッション業界には金がある」という神話が文字どおりの神話でしかないことをほのめかしている。
もう一点、写真は自立した表現というより、ブランド・イメージを効果的に補強する手段として用いられていることも見逃せない。たとえば、かつて青山のBAPEXCLUSIVE内にあったBAPE GALLERYがグラフィティの写真展を催していたのは、グラフィティそのものの魅力もさることながら、それがストリート系のBAPEのイメージに合致していたからであり、なおかつそのイメージを確実に補う力をもちえていたからだ。同様に、テレンス・ドノヴァンの写真はポール・スミスを裏切ることは決してない。けれども同時に、そのイメージを爆発的に増幅させるほどのものでもない。良くも悪くも中庸な写真といえるが、これは、今夏ブランド・イメージを根底から覆しかねないような西野達の個展を催すことで、逆に一気に株を上げたエルメスとは対照的だ。
とはいえ、展示構成の面ではアート業界の規範に縛られない本領を発揮していた。淡いピンクの壁にモノクロの写真を展示する手法は新鮮だったし、そうすることで被写体の女優たちへの暖かい眼差しを効果的に強調していた。また、広い開口部をとおして芝生のテラスと連続する展示空間も、無駄に緊張感を強いる画廊や美術館ではありえない居心地の良さを演出していた。こうした点はなりふり構わず学ぶべきだろう。
[10月20日(金) 福住廉]
森山大道写真展 DAIDO MORIYAMA it
10/13〜11/19 RAT HOLE GALLERY[東京]
HISTERIC GLAMOURの青山店にオープンしたギャラリー。こけら落としに森山大道とは、いかにも無難な選択だが、じっさい森山へのリスペクト以外のなにかを感じ取ることの難しい展覧会だ。写真集を発行してきた実績はわからなくはないけれども、青のフレームで森山の白黒ザラブレ写真を見せることの意味はよくわからないし(白黒が美しくは見えない)、とくに照明が配慮されているとも思えない。その名に違わず、壁にネズミの穴を開けていたところが、見所といえば見所。
[10月20日(金) 福住廉]
島田晴雄絵画展
10/13〜10/20 CHANEL NEXUS HALL[東京]
銀座のシャネルでは抽象画の展覧会。マダムや紳士が多く来場していたが、絵具をたくさん使っているならまだしも、どの作品も薄く茫漠としていて、なにが優れているのかまったくわからなかったし、なぜシャネルがこうした展覧会を企画するのかすら理解に苦しんだ。まさしくエルメスが誰の目にもわかるほどはっきりと示したように、写真や古典にかかわらず、ほんとうに挑戦的な展覧会を仕掛けることが、もっとも効率的にそのブランドのイメージを高めることにつながるという原則にはやく気がついたほうがよい。
[10月20日(金) 福住廉]
Index
9/20-9/25
竹村幸恵個展
中西信洋展──さかさまの風景
ミオ写真奨励賞2006入賞者作品展 
梅佳代写真展「シャッターチャンス祭り」
花村泰江展
渡辺雅絵個展 peTom銀座店展
内海陽介 “mini-missing”
9/26-10/1
上田順平展──チャンポン
ジェニー・ホルツァー
桑山彰彦展
中ハシ克シゲ展 ZEROs──連鎖する記憶
10/2-10/6
小川信治展──干渉する世界
エッセンシャル・ペインティング
間島秀徳 Kinesis : 発生(birth/site/kinetic)
黒木美希展──樹海の浮標 2006
中村一美展
10/10-10/15
旗谷吉員展──名画の変容 痛みと快楽
ARGUS 2006〜 天野憲一「second nature」
中東正之写真展 サヨナラ軍艦アパート 
ビル・ヴィオラ はつゆめ
西原功織展
10/16-10/18
中村協子展「煩悩スープ」
三瀬夏之介展『奇景』
プライスコレクション 若冲と江戸日本絵画展
森鴎外と美術
10/19-10/20
小暮学 マチカド・ファミリー
犬飼美也妃 個展 Part2
小西淳也写真展 子供の時間
テレンス・ドノヴァン
森山大道写真展 Daido Moriyama it
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