小吹隆文/福住廉
11/4〜11/10
三沢厚彦 アニマルズ+PLUS
11/3〜12/16
伊丹市立美術館
[兵庫]
大人気を博する三沢厚彦の関西初個展とあって、開催早々に出かけてみた。動物園状態の会場には親子連れが大勢。幅広い世代の来訪を願う美術館の目論みはひとまず成功と言えよう。私自身彼の作品を見たのは(恥ずかしながら)初めて。造形は独自のデフォルメがなされており、特に人間同様に正面を向いた目の表現には驚かされた。カタログ等には日本の伝統的木彫、特に仏像との類似が指摘されていたが、私はむしろ置物との関連性を感じた次第。何せ初体験なもので、まだ頭の整理が追いつかない。これから時間をかけて三沢作品との距離を縮めてゆかねば。
[11月4日(日) 小吹隆文]
岡本高幸 展「一人力」
11/9〜24
アートコートギャラリー
[大阪]
一人力(いちじんりき)とは、岡本高幸が独自に作り上げた身体観の単位。1日8時間スコップで土を掘り、作り上げた山の大きさを基準とする。展示は、旧自宅跡地で作った「一人力山」と、自宅や北海道のズリ山(炭鉱にある捨石の集積場)で行なった作業の記録映像を中心に構成。過去作の《×マン(倍マン)》──全身に96個の万歩計を装着したスーツ。身体の動きを感知すると内側のバイブレーターが振動して、体のどこを使っているのか体感できる──とその姉妹作も併せて展示された。身体性をテーマとする作品は数々あるが、どこか不器用で遠回りしているところが岡本のチャームポイントだ。体一つで世界中どこでも始められる作品なので、今後の展開が期待される。
[11月4日(日) 小吹隆文]
堀香子 展──螺旋の森へ
11/2〜24
イムラアートギャラリー
[京都]
増殖する泡や有機体を思わせる複雑な造形の陶立体で知られる堀香子。今回は「螺旋」をテーマに、新作をメインにした個展を行なった。作品を見ていると、剥いたリンゴの皮など身近な連想から、曼荼羅などの形而上的世界まで、次々とイマジネーションが刺激されて見飽きることがない。紐作りというシンプルな手法でよくぞここまでと思ったが、逆に言えば、土と触れ続ける陶芸というジャンルだからこそ生み出せる造形なのかもしれない。
[11月6日(火) 小吹隆文]
STAY WITH ART 2007
11/10〜11
ホテルT'POINT
[大阪]
心斎橋のユニークなデザイナーズホテルを会場とする本展。客室1室をアーティストに任せてそれぞれの世界を作り上げるのがお約束だが、今回は複数の部屋や空間を一作家に任せる構成に変化。連続性のある展示を行なうことで、イベントとしての深みを追求した。中でも印象深いのは、パフォーマーのシルエットを撮影した映像で男女のやり取りを映し出した高橋匡太の映像作品。ホテルという、ストーリーを描きやすいシチュエーションにピッタリはまって、絶妙の味わいを見せた。部屋のみならず、各階廊下の突き当たりにも作品を配置することで、水平・垂直の構造を作り出したのも成功の要因だろう。他には、前回から内装が施されていない一室を任されている横谷奈歩も、雪原を思わせる空間を作り出していて見応えがあった。
[11月10日(土) 小吹隆文]
Index
10/25〜10/30
浅田政志 写真展 浅田家2007
北九州国際ビエンナーレ'07 Cute or Creepy?
ARKO2007三瀬夏之介
平塚景堂 展
GELATIN SILVER SESSION
10/31〜11/3
矢部奈桜子 展
I meet
鳥獣戯画がやってきた!──国宝『鳥獣人物戯画絵巻』の全貌
河口龍夫──見えないものと見えるもの
11/4〜11/10
三沢厚彦 アニマルズ+PLUS
岡本高幸 展「一人力」
堀香子 展──螺旋の森へ
STAY WITH ART 2007
11/13〜11/14
齋藤周「それでも優しい風は吹く」
藤友陽子 銅版画展
永沼理善 展
感情の強盗
「沈黙から」塩田千春 展
11/15〜11/21
間島秀徳 展──Kinesis No.316 hydrometeor
Chim↑Pom展 サンキューセレブプロジェクト「アイムボカン」
ピピロッティ・リスト からから
マツダジュンイチ展
八つの課題
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