小吹隆文/福住廉 |
 |
2/27~3/1 |
 |
染谷聡 展 Heritage of “S”
2/26~3/2 ギャラリー恵風[京都] |
大学で漆芸を学んでいる染谷だが、その作品は器などの工芸品ではない。キメラや付喪神を思わせるモノノケを、漆芸技法を使って表現しているのだ。作品にはフィギュアやプラモデルからの影響が明らかに感じられる一方、日本人の基層的な精神性も見え隠れする。そのハイブリッド感はまさに現代的だ。
[2月27日(水) 小吹隆文] |
 |
クリテリオム72 飯田淑乃
2/16~5/11 水戸芸術館現代美術ギャラリー[茨城] |
ご当地キャラクターに扮するアーティスト、飯田淑乃の新作展。今回のキャラクターは「ごけんゆかり」こと歌のおねえさんで、水戸の地元ネタを盛り込みながら作り上げた「ねばねばなっちぃの歌」を披露した。カラフルな風船でデコレーションされた会場には、彼女が軽やかに歌い上げるPV映像とCDなどの関連グッズが展示されていた。同時期に同会場で催されていた宮島達男の展覧会がデジタル数字を並べ立てた無機的な展示だったせいか、バカバカしくもあり血肉が通った作品の特徴が際立っていた。
[2月29日(金) 福住廉] |
 |
大阪・アート・カレイドスコープ2008「大阪時間」
3/1~20 大阪府立現代美術センター及び市内各所 [大阪] |
大阪市内に現役で残る近代建築で展覧会を行ない、街とアートの魅力を相乗効果で見せるアートイベント。昨年に続き北川フラムが総合プロデューサーを担当し、招待作家4名と公募で選ばれた10作家が参加した。今年はエリアを中央区内の10カ所に絞ったが、移動が容易になり、イベントの凝縮感も増したと思う。この辺りは昨年の反省が生かされたのではないか。作品は、三島喜美代、土屋公雄、松井紫朗、かなもりゆうこ、石塚沙矢香が素晴らしい出来栄えだった。一方、幾つかの会場ではビル側の制約もあってロケーションを生かし切れず。これは昨年から持ち越した課題だが、残念ながら今年も乗り越えられなかったようだ。全体として昨年より向上したのは確かなので、来年は更にブラッシュアップした姿が見られることを期待したい。
[3月1日(土) 小吹隆文] |
 |
苅谷昌江 展「Meeting」
3/1~22 studio J[大阪] |
昨年末に公募展『アミューズ・アート・ジャム in 京都』でグランプリを獲得した苅谷昌江。絶好のタイミングでの個展となったが、これはあくまで偶然だ。複数の風景が重なったり、動物のイメージがシンボリックに用いられた作品からは、どこか謎めいた物語性が漂ってくる。全体に薄塗りなこともあって透明度は高いのに、なぜか先が見通せないような不思議な感覚の世界だ。
[3月1日(土) 小吹隆文] |
|
 |
Index |
 |
|