小吹隆文/福住廉 |
|
8/21〜8/26 |
|
丸木スマ展
7/5〜8/31 埼玉県立近代美術館[埼玉] |
70歳を過ぎてから絵を描き始めた丸木スマの回顧展。81歳で亡くなるまでのあいだに描き残した700点にも及ぶ作品のなかから、100点あまりを展示した。それらを丁寧に見ていくと、文字教育を受けていなかったため直線を引くという基本的な所作すら身体化していなかったスマが、急速に絵を描写する悦びを獲得していく様子が伝わってくる。しかも、いわゆる「素朴派」として見なされるような生命力あふれる絵が、クレヨンの上に墨を流したり、葉っぱの裏に絵の具をつけて紙に貼りつけたり、技術的な工夫にもとづいていることが明らかにされていた。ただし、スマの絵とあわせて発表されていた須田悦弘、安藤栄作、かわしまよう子による作品は、スマの絵とはまったく無関係で、どういう意図があるのかよくわからなかった。
[8月21日(木) 福住廉] |
|
1floor 2008「No potato of name」
8/23〜9/7 神戸アートビレッジセンター[兵庫] |
青田真也、八嶋有司、吉田周平の3人が出品。青田は既成の木製品やプラスチック製品を紙やすりで削って、元の形がぎりぎり分かる形態に加工した立体。八嶋は6つの職業の人にインタヴューして、答える直前の部分ばかりをつないだ映像作品など。吉田はビニールシート上に身の回りにある物の輪郭をなぞり、それらを重ねるなどして壁面に貼り付けた。いずれも手探りで自分が属する社会を捉えようとする意志が感じられ、その共通性ゆえそれぞれの個性が浮上した。
[8月23日(土) 小吹隆文] |
|
永沼理善 展
8/26〜9/7 アートスペース虹[京都] |
アルミ合金や真鍮などの金属部品を、まるで機械式時計の様に精密に組み合わせて稼動型の立体作品を作る永沼の作品。それらは自重で落下するエネルギーのみを頼りに、整然とした動きを刻む。その動きはシンプルに美しく、眺めるうちに時の経過を忘れてしまう。本来地上にあるはずのない「完全に均衡の取れた世界」が眼前に広がっている。永沼作品の魅力はその一点に尽きるだろう。
[8月26日(火) 小吹隆文] |
|
八木良太/個展/太陽
8/1〜31 Sfera Exhibition[京都] |
iPodのボディにセミの抜け殻が引っかかっていて、イヤホンからセミの鳴き声が聞こえてきたり、ヒマワリに太陽電池で動く装置を取り付けて、玩具のフラワーロックよろしく躍らせる作品など、不思議なセンスの作品が並んでいた。八木は言葉や音から発想した作品が多いが、発想のアウトプットが独創的でとても面白い。本人曰く「今回は急なオファーだったので、シンプルに徹した」とのことだが、その制約が良い方向に作用したようだ。
[8月26日(火) 小吹隆文] |
|
|
Index |
|
|