| 小吹隆文／福住廉 |
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| 8/28〜9/1 |
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現代美術二等兵展 駄美術ミュージアム
8/28〜9/7 HEP HALL［大阪］ |
お菓子に安価な駄菓子があるように、美術にも高尚でない「駄美術」があっていいじゃないか。そんな信条に基づく現代美術二等兵の作品は、アートピープルが集う画廊よりも、ごく普通の人々が集う商業ビルこそふさわしい。既発表作品の展示だったのでディープなファンには新鮮味が足りなかったかもしれないが、観客の多くを占めたビギナーは彼らの世界を楽しんでくれたようだ。私が見る限り、ほとんどの人がニヤニヤと薄ら笑いを浮かべていた。
［8月28日（木） 小吹隆文］ |
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馬嶋亮太 写真展 SHED
8/29〜9/7 ギャラリーフォトグラム［大阪］ |
冒頭に展示された2枚の写真──泣き顔の女と、ドアを開ける男──で二人の関係が提示され、その後の日々が綴られていく。しかし、女性は数々の男性と交際し、結婚、出産に至るも、冒頭の男性と一緒に写っているのは結婚パーティーのワンショットのみ。男性はどうやら同性愛者みたいだ。一体どうなってるんだ？？？ じつはこの2人は馬嶋の友人という以外接点はなく、住所も全然違うのだとか。そういえば、彼女の写真は壁の上半分、彼の写真は下半分と分けて展示されている。冒頭の2枚でこっちが勝手に勘違いしたのだ。レイアウト一つで意味がすり替えられる、写真ならではのトリックにまんまとはめられてしまった。
［9月1日（月） 小吹隆文］ |
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中岡真珠美 展
9/1〜13 Oギャラリーeyes［大阪］ |
カシュー（人工漆）を用いたツルッと平面的な部分と、滲みとボケの部分が複雑な層を成す中岡の絵画。彼女の作品に不思議な艶かしさを感じていた私だが、その理由をやっと具体的に例示できるようになった。自分の隣を通り過ぎた女性の香水が鼻腔に飛び込んできた時の、フッと意識が遠のくような一瞬。あの感じを彼女の作品から受けていたのだ。嗅覚は視覚以上に本能直結と言われている。彼女の絵は私の本能をキュッと掴んでいた。
［9月1日（月） 小吹隆文］ |
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木内貴志 個展 キウチビデオフェスティバル2008
9/1〜20 ギャラリーwks.［大阪］ |
タイトルから映像展を予想したが、映像作品は一切なし。木内が長年にわたりテレビ番組を録り溜めたビデオテープをキャンバス代わりにした絵画作品や、ビデオテープのラベルシールで作ったミニ掛け軸、テレビ情報誌の番組表にある時間軸をコラージュした迷彩柄の平面作品などが並んでいた。今さら使いようがない、でも捨てるには忍びない私物（＝ほぼゴミ）も、アート作品にカスタマイズすれば正当化できるというわけだ。作品から漂う悶々と煮詰まった空気に、引きこもりとワーキングプア世代の哀愁が滲み出ていたことも付記しておく。
［9月1日（月） 小吹隆文］ |
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