小吹隆文/福住廉 |
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9/17〜9/18 |
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THE ECHO
9/13〜10/5 ZAIM別館3、4階[神奈川] |
30歳前後のアーティストがみずから企画した展覧会。新進気鋭の21名が参加した。現在のアートシーンに何かしらの問題提起を試みているようだが、荒い鼻息とは裏腹に、いったいなにが問われているのか、いまいち理解に苦しむ展示だった。というのも、それぞれの作品を展示した小部屋には作家名が記されていたものの、作品そのものにはキャプションが設けられていなかったからだ。だから誰が何を、そしてどんなタイトルで観覧者に見せようとしているのか、まったくわからない。そのアーティストをすでに知っている観覧者であれば、なにも問題ないのかもしれない。だが知らない人にとっては大きな障害だ。またもや繰り返される閉じた円環。日本のアートシーンに批判的な一石を投じるはずが、そのもっとも性悪な根性を受け継いでしまっているようでは、残念ながら「共振」のしようがない。伝える努力と謙虚な姿勢、まずはこの二つが必要である。
[9月17日(水) 福住廉] |
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dual points
9/13〜10/13 京都芸術センター[京都] |
ダブル個展形式で行なわれた高木正勝とsoftpadの展覧会。高木は白布を垂らしたインスタレーションの中にスクリーンを配し、2点の映像作品を上映。softpadは部屋の中央に配したテーブルの上に次々と映像がスクロールする作品を出品した。私が惹かれたのは高木の作品。溶解する女性たちの姿や、死の瞬間を想起させる少女たちの微笑にゾクっとする官能を覚えた。しかし、作品と白布にどんな関連性があるのかは見出せず。映像単体で十分ではなかったか。
[9月18日(木) 小吹隆文] |
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金理有 陶立体展 「R.I.P.」
9/15〜28 ニュートロン[京都] |
メタリックな色彩、縞模様で埋め尽くされた表面、特徴的な目玉の装飾が、金理有の新作の特徴である。中国・殷時代の青銅器を思わせるまがまがしさと未来的感覚が同居した独自の世界が興味深い。彼は以前から古代遺物とSF的要素を合体させた陶オブジェを作っていたが、今回の新作では持ち味のエグさを殺すことなく造形を洗練させることに成功した。まさに長足の飛躍を遂げたというべきだろう。
[9月18日(木) 小吹隆文] |
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大崎のぶゆき“ファンタム”
9/16〜27 ギャラリー16[京都] |
水溶性のシートに絵具やスパンコールなどを用いて絵を描き、水面に浸して絵が崩壊する様を真上から捉えた映像作品。映像は、水面を漂う具象的なイメージが孕む緊張感、崩壊する瞬間のカタルシス、その後マーブル模様のような図柄へと変化しながらクールダウンしていく3つの相からなり、その変化と緩急のなかから美が立ち上るという具合だ。以前の作品は蝶や星座の図柄だったが、今回のモチーフは少女。少女が八つ裂きになる様子は少々残酷で、テロや戦争を連想したが、大崎自身は政治的メッセージを意図していたわけではないようだ。
[9月18日(木) 小吹隆文] |
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