小吹隆文/福住廉 |
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10/2〜10/3 |
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北辻良央 個展『秋のはぢまり』
9/30〜10/25 MEM[大阪] |
自作の小説『秋のはぢまり』を元にした新作群からなる本展。ローリング・ストーンズの歌詞や与謝蕪村をテーマにした近年の作品に若干の違和感を覚えていた私としては、以前の世界へと回帰したようにも見える本展に安堵と親しみを感じた。作品の一部は小説に対応しており、素材として言葉が多用されている。もともと北辻は物語性の強い作風を持っていたが、新作では言葉と造形の融合がより直接的に進められているようだ。
[10月2日(木) 小吹隆文] |
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Palla/河原和彦 イコノグラフィー
10/1〜31 ギャラリーKai/銀杏菴[大阪] |
まるで風景が生命を持つかのごとくメタモルフォーゼするPalla/河原和彦の作品。それらは1点の画像を重ね合わせ、少しずつずらすシンプルな作業から作り出される。まずギャラリーKaiでは、屏風仕立ての小品写真10点を展覧。手にとって見てもらうことを意図した作品だが、私としては大作の方が彼の本領が伝わると思った。もう一つの会場、銀杏菴では、大型の屏風作品1点とPallalink(東陰地正喜、西川文章とのユニット)名義の映像作品1点を展示。銀杏菴は戦前に建てられた長屋建築だが、河原は会場の雰囲気を壊さぬよう元々あったガラス戸にのみ投影する方法を選択。これが奏功し、控えめながらも味のあるインスタレーションとなった。
[10月2日(木) 小吹隆文] |
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アヴァンギャルド・チャイナ─〈中国当代美術〉二十年─
8/20〜10/20 国立新美術館[東京] |
1980年代から現在にいたる中国現代美術の歴史のなかから代表的な作品をそろえた展覧会。馬六明(マ・リウミン)やジャン・ホアンのパフォーマンス映像も見応えがあるが、この展覧会の見ものはなんといっても孫原+彭禹(スン・ユァン+ポン・ユゥ)による《老人ホーム》。電動車椅子に乗った世界各国の長老たちのリアルな人形がむやみやたらに動き回るこの作品は、不気味なことこの上ない。視力を失って右往左往しているおじいさんたちを見ていると、強力なおばあさんの登場を待望せずにはいられない。
[10月3日(金) 福住廉] |
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西尾康之 健康優良児
9/23〜10/26 NADiff GALLERY[東京] |
セクシーポーズをとる外人の巨大娘のペインティング。ゴジラがそうしたように、ビルを縦横無尽になぎ倒し、都市を破壊し尽くすカタストロフを味わわせてくれる。
[10月3日(金) 福住廉] |
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