| 小吹隆文／福住廉 |
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| 10/6〜10/7 |
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高柳恵里 展
10/6〜25 SAI GALLERRY［大阪］ |
関西にいると高柳恵里の作品を頻繁に見ることはできない。私が初めて出合ったのは、国立国際美術館の企画展に出品された濡れ雑巾を絞ったオブジェだった。それまで見たことがない表現を前に、頭の中が疑問符だらけになったことを今でも鮮明に覚えている。今回の出品作も、最小限の操作でテーマをくっきりと表現する高柳ワールドが健在だった。意外だったのは、造花と照明を用いた作品のタイトル《無いところに、あるかのような、幻想をつくらないために…。》。ちょうどアメリカ発の金融不安が起こった直後だったので、あまりのタイミングの良さに驚いたのだ。もちろんこのタイトルは金融業界ではなく、昨今のアート業界に向けられたものなのだが。
［10月6日（木） 小吹隆文］ |
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横浜トリエンナーレ2008
9/13〜11/30 新港ピアほか［神奈川］ |
前回の川俣トリエンナーレからの揺り戻しなのか、今回はアートのハードコアを見せつけようとしているようだが、結果としていかにも中途半端なハードコアに終わっている。新港ピアの会場ではホワイトキューブの背面の木材が剥き出しにされているため、純粋な視覚空間を構築することに失敗しているばかりか、前回のハリボテ感を継承しているのかと錯覚してしまうほどであるし、作品についての解説文もいっさい省略されているため、鑑賞の手がかりは皆無である。なにかが表現されている（らしい）、その道の人にはわかるのだろう、だが素人には、いくら見続けたところで、結局のところなにもわかりはしない。本展の全体を貫いていたのは、時代錯誤も甚だしい貴族的な態度だが、こうした勘違いしたエリート意識をもっとも体現しているのが、公式ホームページに発表されている「ゲームの規則」という一文だ。どうやら展覧会主旨として書かれているらしいこと、そして翻訳文であるらしいことは、どうにか推測できる。だが、その文章が悪文極まりないことに加えて、そもそも筆者名が隠されているので、だれが書いているのかすら、まったくわからない。いかに美しく「煙に巻いた」ところで、中身はいうほど「深遠」でもなんでもないということは、もうバレている。
［10月6日（月） 福住廉］ |
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今井誠志 作品展─my collection MUSI─
10/7〜19 GALLERRY SUZUKI［京都］ |
自ら染織した布を裂き、他の布片と縫い合わせるなどして作られた、昆虫を思わせるオブジェを大量に出品。アクリルケースを使った展示方法も昆虫採集を思わせる。また、画廊中央には大木が設置され、まるで蜜を求めて虫が集まったかのよう。作者に聞くと、自邸のコナラが枯れたので伐採して再利用したとのこと。美しく、自由で、少年時代へと夢想が広がる気持ちのいい個展だった。
［10月7日（火） 小吹隆文］ |
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河合晋平 展『Live Rock』
10/7〜19 ギャラリーはねうさぎ［京都］ |
Live Rock（ライヴ・ロック）とは珊瑚礁の海底にある石のこと。小さな海洋生物はそこで産卵し、生命の揺りかごになっているらしい。河合は海岸に漂着した発泡スチロールのゴミからLive Rockを連想。アート作品で独自の擬似生態系を作る彼自身の仕事の一環として作品化した。発泡スチロール、樹脂、電球、丸ピンなどで作られた4点の作品は、まるで深海に棲む巨大ウニのよう。それらと対を成すようにクラゲのようなオブジェも展示されている。クラゲの触手は電気コードで、ウニに電気を送る役目を果たしている。市販品をそのまま使用しているが、不自然さは全く感じなかった。
［10月7日（火） 小吹隆文］ |
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