小吹隆文/福住廉 |
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10/13〜10/17 |
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潮田登久子 展「冷蔵庫」
10/13〜11/1 Port Gallery T[大阪] |
さまざまな家庭にお邪魔して、冷蔵庫の蓋を開けた状態と閉めた状態で真正面から撮影した代表作「冷蔵庫」を展覧。このシリーズは1981年から撮影が始められ、1996年には写真集になったが、本展にはそれ以降に撮られた近作も含まれていた。冷蔵庫のドアの数や引き出しの有無で製造年代がわかるし、中の商品を見れば持ち主の生活状況や好みも窺える。冷蔵庫の周囲が食材や調味料だらけの家もあれば、モデルルームのように整理された家もあって興味が尽きない。テーマが身近で気負う必要がないせいか、観客同士の会話が尽きないのも印象的だった。
[10月13日(月) 小吹隆文] |
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赤坂アートフラワー08
9/10〜10/13 赤坂サカスほか[東京] |
TBSが主催する展覧会。赤坂からアートの魅力を発信すると同時に、アートによって赤坂の魅力を再発見することがテーマらしい。なんだか90年代に盛んに言われてきたことをもう一度聞かされているような錯覚に陥るが、体育館やパブリックスペースに作品を置く展示手法もまったく同じだ。椿昇の巨大な黄色いインコは、赤坂サカスのど真ん中にあるのならまだしも、ビルの裏の空き地のような「憩いの広場」に展示されていたため、いかにも物悲しい風情を醸し出していた。旧赤坂小学校の会場では、空間全体を泥の絵で埋め尽くした淺井裕介と、おじいさんと少年の物語マンガを見せた田尾創樹+オカメプロがそれぞれ持っている力を発揮したようだが、パラモデルは支持体となった体育館の壁面にたいしてプラレールが貧弱であり、ホワイトキューブで発表される際の視覚的な圧倒感に欠けていた。その一方で、わりとアベレージが高かったのが、元料亭の島崎。とりわけ、無数の待ち針を組み合わせたインスタレーションを見せた志村信裕と、さまざまなガラスの造形を和室に配置した松宮硝子が、暴力的な感性と儚さを同時に開示して、見る者の眼を奪っていた。
[10月13日(月) 福住廉] |
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林勇気 個展「ちいさなまひ」
10/13〜26 neutron[京都] |
空中に白い立方体を並べた床が渡され、そこで幾つかの出来事が淡々と繰り返されるアニメの映像作品。会場では3つの映像を並べて上映していたが、実は5点組のDVD作品としてパッケージされており、それぞれが異なる作品である。世界観が連続しているので自由に組み合わせることができ、音楽も複数が同時に鳴っても破綻しないよう作曲されている。コンピューターゲームやミニマル音楽のような、麻痺的快感を得られる作品だ。
[10月14日(火) 小吹隆文] |
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女性画家の大阪 美人画と前衛の20世紀
9/20〜12/7 大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室[大阪] |
大正から昭和初期にかけての大阪は、女性画家の躍進が著しく、文展や帝展に入選作家が次々と誕生したそうだ。本展ではそうした女性画家たちと、戦後に活躍した田中敦子、山崎つる子、山沢栄子らの作品約60点を紹介している。同種の展覧会として『島成園と浪華の女性画家達展』(2006年、大阪高島屋)という先駆があるが、本展はそれを受け継ぐ好企画と言えるだろう。
[10月17日(金) 小吹隆文] |
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