2009年10月アーカイブ

こんにちは。YCAMの会田です。

これまで僕の記事を読んで下さった皆さま。ありがとうございました。これが最後のアップロードになります。

最後に、これまでのまとめをしたかったな、と思い「最後に一本だけ書かせて」と編集部にお願いしながら、ぜんぜんアップできず。次のブログがスタートするギリギリ今日になって、書いています。定期的に面白い記事をアップしていくというのは癖づけないとなかなか出来ないですね。でも、書く機会があるというのは幸せなことだったなと思ってます。

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(画像は、「セミトラ インスタレーション展 tFont / fTime」のギャラリーツアーの様子。)
引き続き北加賀屋にある興味深い場所をもうひとつ。こちらは前回紹介したremoさんたちの場所とは対照的に巨大なスペースで、remoさんの場所から歩いて5分程度の木津川河口に位置するCCO(Creative Center Osaka)というナムラ造船所の跡地を利用したアートセンターです。
こちらは規模も空間もとにかく圧倒的です!

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大阪の色んな場所の紹介が続いていますが、もうちょっとだけ大阪に関する投稿です。
前回までは此花区というどちらかというと市内北側での活動などを紹介しましたが、今回は市内南部の住之江区北加賀屋にある興味深い場所をふたつほど紹介します。今回はちょっと長いので、2回に分けて投稿します。

このあたりは造船や運輸などに関わる工場が多数あり、今回紹介するふたつも工場跡地を利用したスペースです。同じように工場跡を利用しているのですが、色んな意味でとても対照的な場所です。ごちゃごちゃ説明するより画像を見てもらった方が分かりやすいと思うので、写真をなるべくたくさん活用しながらご紹介しようと思います。

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大阪の此花区についてもうひとつだけ紹介します。
モトタバコヤや藤さんのオフィスなどがある一帯は此花区の梅香という地名なのですが、同じ梅香の安治川支流沿いに小さいながらとても素敵な「梅香堂」という場所があります。ここは後々田寿徳さんという方のスペースで、僕が訪問した10月初旬の段階ではスペースづくりの途上で、貸画廊やコマーシャルギャラリーなどの既存ギャラリーとは一線を画した場所にしたいが、どういう場所になっていくのかまだまだ細かいことは未定という状態でした。現在も後々田さんが建物のオーナーや大工さんと一緒につくり続けているようです。

後々田さんはもともと東京で学芸員をされていた方で、その後東北で教鞭をとられ、最近大阪に移られて、現在はこのスペースを中心に独自の活動を展開しようと試みているそうです。まだここで具体的な活動が始まっているわけではないのですが、様々な人が噂を聞きつけて集まってきているようで、モトタバコヤの管理人の下道氏もよく遊びにきているとのことでした。もちろん僕も、後々田さんと面識はなかったのですが「此花に面白い場所ができそうだ」という噂を聞きつけて訪れた一人です。そうそう、後々田さんはこのartscape  blogのホストである森司さんと同級生だそうです。そんな人が、これまでの蓄積の上でなにか始めようというのだから、面白い場所になることは間違いありません!

01baikado_river.jpg↑対岸より。手前右手のグレーの建物の左側約半分が梅香堂さんです。

02baikado_sub.jpg↑道路側のファサード。一番手前の建物です。新しい木材のちょっと黄色味のある窓枠や階段が効いてます。
水都大阪は10月12日(日)に終了しましたが、前々回の投稿でも触れたとおり水都大阪とも関連のある此花区という場所を中心に、もうちょっといくつか面白い場所を紹介しようと思います。
まずモトタバコヤの2件となりには、水都大阪のメインアーティストのひとりであるkosuge1-16さんチームの宿泊所があります。またその数ブロック先には藤浩志さんチームの宿泊所兼スタジオもあります。こちらは通りと通りの間にある何軒かの民家が増築というか、なんだか不思議に接続されていってできた結構巨大な空間になっています。

01_fujihause.jpg↑写真を見るとわかるかもしれませんが、この手前から奥までの何棟か全体が繫がっていてひとつの家になっています。


02_office.jpg↑内部のスタジオ部分です。

今日は僕が関わっている山口のNPO山口現代芸術研究所(略称; YICA)による現在開催中のプロジェクトをご紹介します。YICAの活動の歴史は古く、1980年代から山口大学人文学部の奥津聖先生を中心に現代美術に関する研究を軸に展覧会やアーティスト・イン・レジデンスなどを実施してきました。実際1980年代〜90年代にはトーマス・シュトゥルート(Thomas Struth)やダン・グレアム(Dan Graham)などの現在世界的に活躍する超一流のアーティストたちを山口に招聘してきた団体で、山口情報芸術センターや秋吉台国際芸術村などの設立にも尽力された方々が関わっています。YICAの活動の詳細については下記ウェブサイトをご参照ください。
http://web.mac.com/kokutsu/YICA/Home.html

YICAは2007年から3年間継続して若手アーティストを起用したレジデンスプロジェクトを実施してきたのですが、今回はその集大成として、3名のゲストとなるレジデンス・アーティストと20名を超える地元で活動するアーティストや過去のYICAプロジェクトに参加したアーティストによる展覧会『山口盆地午前五時』を10月8日より開催しています。展覧会は10月12日までと非常に短い期間なのですが、YCAMなどとあわせて是非ご訪問いただければと思います。ちなみにこの期間、ぼくは残念ながら青森におります。

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こんにちは。辻村です。



僕の任期は昨日で切れたのですが、最後ぐらいは何か書いておいた方がいいかと思い、慌てて書いてます。やりたいことの完成型を見る前に終ってしまうようで、非常に残念な、情けない気分いっぱいです。

毎日本屋に通うのが唯一の僕の日課なんですが、誰に頼まれたわけでもなく、ただ好きで本屋を巡り、勝手に雑誌を買っているので、それを説明したり、意見を述べたりするのは、予想以上に難しい行為でした。さらにブログというのにも不慣れなため、なかなか思うようにはいきません。

なんだか英語の雑誌に関するポストが多かったですが、日本の雑誌も買うし立ち読みもたくさんします。ただ、何かを言えるほど面白い雑誌が日本語ではあまりないのが現状です。
日本で制作される雑誌は、圧倒的な情報で読者を消費に向かわせること関して、世界一の技術を持っていると思いますが、国民性なのか時代なのか、あらゆるジャンルでジャーナリズムというものが成り立っていない気がします。

その点、やっぱりアメリカの雑誌とか、書いてる人の視点がはっきりしてて、話題も豊富で面白いと思います。メジャーな雑誌なら、ほとんどインターネット上で無料で読むことができるし、専門誌じゃなければ大学受験ぐらいの英語で読めるでしょう。googleの翻訳とか使ってもいいかもしれません。



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というわけで、最後の紹介もアメリカの記事。TIMEの10月5日号。
「NOTOWN」と題して、かつてモータウンと呼ばれアメリカ第4の都市だったデトロイト(現在は11位)の凋落とこれからを特集しています。TIME.COMでは全文読めないようなので、さわりだけでもこちらで。
www.time.com/time/interactive/0,31813,1925735,00.html

僕は雑誌を買い、全文読みました。アメリカの中では行ってみたい都市の上位にくる街ですが(音楽が好きな人なら、その意味はわかるでしょう)、行ったことありません。Northwest航空を使うと、よくデトロイトで足止めを喰らいますが、飛行機の窓から街を眺めるだけで、空港から出たことはありません。読後、やっぱり行ってみたいという思いは変わりませんでした。

So Many Magazines, So Little Time 12




最後に、唐突ですが、僕が最近気に入って聞いている音楽の紹介を。ここのブログに携わっていた3ヵ月間、ずっと聞いていた作品です。
坂本龍一の『beauty』というアルバム。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ビューティ


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これは、1989年、坂本龍一の国外デビューを飾ったアルバムで、発売時、僕はまだ中学生ぐらいだったと思うんですが、当時からまったく好きではありませんでした。と言うよりも、hateしていました。
理由はいくつかあるんですが、もっとも最大の理由は、沖縄民謡などの民族音楽をあまりにも安直に使っているような気がしたことです。実際に、沖縄だけでなく、オリエンタルなの感触の素材がそこかしこに散りばめられています。現代音楽や電子音楽のフィールドにいた人間が、海外でうけるために、それらエスニックな音楽を単に利用したようにしか感じられなかったのです。少年だった僕に、とても大きな失望と怒りを与えてくれた、記念すべきアルバムでした。

それがどうしてか、今ごろなって好きになり、毎日のように聞いています。ほんとに美しい作品だと思います。
その考え方の変化の過程は、なかなか一言では言い表せませんが、たぶん僕が大人になったということだと思います。そして、アートという手段を使って、より多くの人に自分を届けようとする行為が、どれほどのものなのかということを、少しは理解できるようになったからだと思います。それが嬉しくて、毎日聞いているだけなのかもしれません。

ナイーブな世界の中に閉じこもることを正当化する人たちは多いですが、そこからは何も産み出さないよ、と囁いているのだと勝手に妄想しながら、このアルバムを聞いています。
たとえ自分のエゴのためにある種の音楽を利用していたとしても、もはや僕は怒りを覚えることはないでしょう。自分がどこから来たのかということを嫌になるほど考えさせられ、それを赤の他人に説き続けることは、想像するだけでも骨の折れる作業です。セールス的には失敗でしたが、坂本龍一は一流の腕を使ってそれをやってのけたのだと思います。

この作品が美しいとすれば、それは坂本龍一のエゴが美しかったからでしょうね。大人になった僕は、そういうエゴを持った人が大好きです。もし本人に会うことがあれば、僕はこの「Beauty」について、じっくり話を聞いてみたい気がします。


アルバムの中の1曲、「ちんさぐの花」。

ではではまたどこかで。Zayonara。

辻村慶人




こんにちは、オードリーです。
これが私の最後の投稿です。今日はパリの本屋さん。





IMG_7131.JPGLa Hune
Librairie
170, boulevard Saint-Germain
75006 Paris
France


Tel: +33(0)1 . 45488099
Fax: +33(0)1 . 45444987

www.lahune.fr
lahune.librairie@wanadoo.fr

Horaires d'ouverture: 営業時間
Mon-Fri 10-23:40, Sun 11-20


  La Hune is a bookstore located between Cafe de Flore and Les Deux magots in Saint Germain, it was built in 1949, Max Ernst, Henri Michaux, Andre Breton, Jean Paul Sartre.. were  regular customers.
La hune offers an edgy selection of books on architecture. litterature, poetry, design, art, philosophy, and organizes very often books  sings events.   It's very common to meet authors while there, especially at night, La hune closes at 23.40 pm on week ends and it opens on Sunday ( yes! even in Paris!)
 The most remarkable aspect of this store is the staff, who knows well the books, and have good advice to give.

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La Huneは、サンジェルマンのカフェドフロールとレドゥマゴの間に挟まれたところにある書店です。1949年に建てられ、マックス・エルンストやアンドレ・ブルトン、ジャン・ポール・サルトル、、、、などなどが常連客として通っていました。

La Huneには、建築から文学、詩、デザイン、アート、哲学などの分野から、先鋭的な本のセレクションが並びます。さらに、著者サイン会なども頻繁に開催されていて、著者と面会できることがわりと日常的にあります。とりわけ夜、週末のLa Huneは、23:40まで開いているし、日曜日も営業しています(ここはパリなのに!)

特筆すべきはお店の店員で、本のことをよく知っているし、的確なアドヴァイスをうけることができますよ。

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