村田真/原久子 |
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10/29-11/23 |
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大見世物
11/1〜12/14 たばこと塩の博物館[東京] |
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江戸開府400年と、同館の開館25周年記念展。江戸・明治期の生人形、珍獣、細工物、曲芸などの見世物を、一部再現を含めて紹介している。こうした見世物は明治以降、珍獣ばかりを集めて動物園になり、動物と曲芸を組み合わせてサーカスが生まれ、細工物に教育的配慮を加えて美術館や博物館に分化していく。その集大成が明治5年に文部省主催で開かれた湯島聖堂の博覧会だが、それが現在の東京国立博物館の前身なのだから、美術館や博物館は見世物小屋としての初心を忘れてはいけないということだ。そうでなければ、アメリカの大見世物ディズニーランドに勝てないだろう(どっちにしろ勝てないが)。なお、同展の会期中に作者不詳の出品作品《大婚二十五年奉祝景況図》が高橋由一の息子、源吉の作品だったことがわかった。
[11月7日(金) 村田真] |
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合田佐和子影像
10/14〜11/24 渋谷区松涛美術館[東京] |
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学生時代、銀座の村松画廊で初めて合田佐和子の個展を見た。もう30年近く前のことだ。ただ写真を油彩で描いただけといえばそれまでの作品なのだが、にもかかわらずそれがまったく別の世界を築きあげていて、ひどく惹かれた覚えがある。今回、回顧展を見て、おいしいところをやってるなと思った。でも、おいしいところをやってるというより、彼女がやるからおいしそうに見えるのかもしれないと思い直した。合田を見出した瀧口修造、合田の伴侶だった三木富雄の展覧会を開いた松涛美術館ならではの企画。
[11月7日(金) 村田真] |
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キリンアートアワード2003
10/15〜11/9 ヒルサイドフォーラム[東京]
11/14〜2004/1/11 KPOキリンプラザ[大阪]
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審査員特別優秀賞のK.K.と審査員特別奨励賞の東野哲史はそれぞれ、テレビの「笑っていいとも!」「水戸黄門」を素材とした映像作品(ただし前者は著作権などの関係で別バージョンの公開)。優秀賞の石渡誠と椎名勇仁はそれぞれ、人間を真空パックしたり、火山の溶岩で素焼きしたりする身体の限界系。どうもこのアワードはキワモノ好みのようだ。まあアートはしょせんキワモノだけどね。《裸体像Tシャツ計画》で奨励賞を得た北川純は、以前フェミニストたちがやっていた裸婦像に衣をかけるデモンストレーションを知っているのだろうか。
[11月7日(金) 村田真]
最近、巷でも噂のK.K.。その前評判に皆が動揺していたが、ほかの作品は行儀良く並んでいた。
[11月16日(日) 原久子] |
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テイクアートコレクション2003
10/25〜11/9 スパイラルガーデン[東京] |
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見るのではなく買う展覧会。でも買うにはいつも以上に見てしまうけど。赤崎みま、坂上チユキ、杉本博司、中村哲也、八谷和彦などいくつかそそられる作品があったけど、買うにはいたらなかったのは、もちろん金がないから。
[11月8日(土) 村田真] |
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第18回平行芸術展
10/27〜11/8 エスパスOHARA[東京] |
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「〈あざやか〉の構造」のテーマのもと、井出創太郎、斎藤芽生、さとう陽子、袴田京太朗、橋本倫の5人が出品。瞠目すべきは斎藤芽生。《遊隠地構想図》《踊場酒場(おどりバー)》《湿地回復隊》《瘴気機関車》などとことば遊びしつつ、キッチュでおどろおどろしい独自の世界を深めている。
[11月8日(土) 村田真] |
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アトリエ圭内覧会
11/8 アトリエ圭[東京] |
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聖蹟桜ヶ丘からバスで5分の多摩市和田に、アトリエのある集合住宅が完成。2階がオーナーの住居で、1階と地下1階の計6室が、キッチン・バス・トイレをはさんで寝室とアトリエを配した賃貸になっている。設計は郡裕美+遠藤敏也/スタジオ宙。いずれもコンクリート打ち放しのハードでシンプルな空間だ。1部屋平均25平方メートルで、月66,000円。美大生にはいいかも。ぼくも仕事部屋にひとつほしい。
[11月8日(土) 村田真] |
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日本絵画に見る女性の躍動美――働く女、遊ぶ女
10/7〜11/16 サントリー美術館[東京] |
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充実した日本美術展。教科書でおなじみの《病草紙(肥満の女)》から、英一蝶の流刑時代の傑作《布晒舞図》、ブスと美人の対比が笑える久隅守景の《鍋冠祭図押絵貼屏風》、その娘の清原雪信の《小督図》、北斎の《夜鷹図》、その娘の葛飾応為の《月下砧打ち美人図》まで、名品だけでなく珍品奇品も少なくない。ただ、日本絵画の脆弱さゆえか展示替えが多いのが難点。全出品点数104点のうち、会期を通して見られたのは18点のみ。そのうち16点は絵巻や図巻などで場面替えがあるので、結局ずっと展示されてたのはサントリー美術館所蔵の2点だけ。でもヒマなら何度も足を運びたくなるような展覧会。
[11月8日(土) 村田真] |
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小山基彰「かぐのようながく」
11/7〜21 ギャラリーサイド2[東京] |
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小山の制作した木製のテーブルやCDラックに、小川敦生の彫ったグラスをはめ込んだ額のような家具。いや、家具のような額。高い家具というか、安いアートというか。
[11月8日(土) 村田真] |
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