村田真/原久子 |
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9/4-9/6 |
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名和晃平展
9/1〜28 INAXギャラリー2[東京] |
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ポコポコと丸いものが細胞分裂のように浮かんでは消える映像。その奥には、墨汁を泡立たせて撮影する装置があり、丸いものがあぶくだとわかる。名和は、デジタル画像の画素を表わすpixelと細胞のcellから造語した「PixCell」のシリーズを発表してきたアーティスト。
9月4日(土) 村田真] |
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富田勝彦展
8/30〜9/8 ASK?[東京] |
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手前の部屋には金箔や銀箔の地に一輪の花を描いた絵。奥の部屋では蓮の花の大作絵画が四周を囲む。ここで作者が登場し、4つの壁面が東西南北を示し、各壁面にかけた絵はそれぞれの方角から描いた蓮の花だと説明する。なるほど、色や陰影が少しずつ異なっている。そしてここからがクライマックス、やにわに明かりを消すとブラックライトが灯り、絵のなかの空にそれまで見えなかった星が輝き出すという趣向だ。昼と夜のふたつの顔をもつ絵画。
[9月4日(土) 村田真] |
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漆の美展
9/4〜10/24 野村美術館[京都] |
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南禅寺に隣接する野村美術館は、個人のものだった美術品コレクションを展示公開している。外は9月といえどもまだまだ蒸し暑いが、秋季の展示が始まった。入口では秋の草花が描かれた屏風が季節を伝える。1階では硯入れなどの文具、棗などの茶道具ほか、漆作品を中心に展示。
[9月4日(土) 原久子] |
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アンリ・カルティエ=ブレッソン展
9/1〜26 何必館/京都現代美術館[京都] |
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1ケ月まえの8月2日に逝去したアンリ・カルティエ=ブレッソンの個展が京都で開かれた。大阪芸術大学博物館でも同氏の展覧会が開かれており、会期中に訃報が伝えられることになった。「決定的瞬間」をとらえることで、知られる彼の作品は、多くの人々に愛された。小型カメラで日常のなかのスナップを撮っているにもかかわらず、構図のつくり方は完璧。まるで、次の瞬間になにがどう動くかということを予知する能力があったのではないかと思えるような天才肌の写真家だった。代表作のプリントを前に95歳で亡くなった冥福を祈った。
[9月4日(土) 原久子] |
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扇田克也&畠山耕治「空間の密度」
9/4〜18 ギャラリーギャラリー[京都] |
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鋳造したブロンズ作品(扇田)とガラス作品(畠山)。両者ともアーティストとしてキャリアも技も持つ。物質としての作品の存在を正面から向い合わせて、定期的に2人で空間を共有して展覧会をするのは、作ることの根源的なものを確認するためのようだ。緊張感の漂う展覧会だった。
[9月4日(土) 原久子] |
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「sotto」展
8/7〜9/5 京都芸術センター ギャラリー南・北[京都] |
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名和晃平とかなもりゆうこの2人展。といっても、同じ建物内とはいえ少し離れた場所にある2つのギャラリースペースで展示が行なわれているので、2つの個展といったふうでもある。日本語の語感のわかる人にしか理解できないかもしれないが、「sotto」はとてもすてきな展覧会タイトルだ。そしてタイトル通りの気持ちを伝えてくれる展覧会だった。
夏休み中のワークショップで、筆の代わりにスポンジなどを子供たちに持たせて絵を描いてもらった名和。自分で描いた絵を父親に観てもらおうといっしょに作品を探しているのだが、表には名前がないため、自分の描いたものがどれだったかわからなくなり困りはてている少年が会場にいた。スポンジを使っているので、筆を使うときと異なり表現が大胆になっていること、気泡の痕跡が紙に残っているのが作品の特徴だ。
かなもりは「テレパシー」という映像インスタレーションを展示。赤いカーテンの前でパフォーマンスをする納谷衣美ととざきまなみ。彼女たちの共同作業は息があっていて、ほんとにテレパシーで3人が通じ合っているようだ。大きな画面の前方に雪がちらつくように紙片が落ちる。そして、床に小さな山をつくってゆく。気持ちがリラックスしてゆき、ついつい何度も繰り返し観てしまった。
[9月4日(土) 原久子] |
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金沢21世紀美術館
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某誌の仕事で、1ケ月後に迫った開館を前に内部を見せてもらった。2年前に来たときはまだ工事が始まったばかりでスケール感がわかなかったが、こうして完成してみるとかなりでかい。建物は直径113メートルの平たい円筒形で、その1階部分にほとんどの機能を集中させ、本来は外部にあるべき広場も採り込んでいるため、よけい広く感じるのだろう。この円形の中央部が有料ゾーンで、そこに四角い展示室が林立するという入れ子構造になっている。展示室はひとつずつ広さも高さも異なるが、すべてホワイトキューブ。唯一、天井のガラスの継ぎ目に設計の妹島和世らしさが表われている。10月9日からオープニング展「21世紀の出会い」が始まるが、11月からは、なんと金沢市内の全小中学生(約4万人)を順ぐりに招待するという。けっこうな話、と聞き流してはいけない。よく考えれば、これがいかに無謀な計画であるかがわかるはず。黒沢伸学芸員いわく、「100人にひとりは作品を壊しかねないのがいる。1日1000人来れば10人はテロリストが混じっている」と。無事を願うばかりだ。
[9月6日(月) 村田真] |
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