村田真/原久子 |
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11/21-12/1 |
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取手アートプロジェクト2004
11/13〜28 取手市内各所[茨城] |
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99年からはじまったこのイヴェントも毎年きちんと行なわれ今回が6回め。太陽がとっぷりくれるまで、利根川べりだの、神社だの市内をぐるりと熊倉純子さんの運転してくださる車で観てまわる。商店街の店主さんの似顔絵を福笑いにした看板は地元の人たちにも人気。学校の帰りに毎日やってくる小学生までいたとか。そんなほのぼのした作品とは椿昇の作品はちょっと違う。彼のプロポーザルを読んだとき、正直言ってどんなかたちで実現できるのかうまくイメージできなかったが、現場を見て納得。竹を焼いて竹炭をつくるという行為は、プロセスも生産物も、そして放置竹林をなくすためにも、いろんな方面に機能している。「椿忍術研究所」などというと冗談めいて聞こえるかもしれないが、かなりマジなアクティビティであった。竹炭で濾過して飲み水をつくるその知恵を絵本でバングラデシュの人々に伝えて、彼等の生活をかえてゆこうという壮大かつ地道な計画。バングラデシュの人だけじゃなくて、いまどんなことが起きて明日の飲み水がなくなるとも知れない地球ではサヴァイバルのための知恵を伝えてゆくことは大切だ。もちろんほかの作品もたくさんあったんです。
[11月21日(日) 原久子] |
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八尾スローアートショー2004
11/20〜23 八尾町下笹原小学校、夢の森ゆうゆう館前広場[富山] |
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中ザワヒデキ、朝岡あかねがレジデンスを富山でやっていると聞き、遠路出かけて行った。04年春に廃校になった小学校の教室が展示やワークショップの会場となっている。地元の小学生やボランティアの人たち、役場の担当者の家族まで参加してコインを並べた中ザワヒデキの《金額》は、京都芸術センターの畳敷きの立派な広間で観たときとは印象が違う。窓から入ってくる自然光にコインが照らされ1枚ずつのコインがドットになってより絵画的にみえた。「中ザワヒデキの芸術夜塾」では《方法カクテル》というパフォーマンスと、「スローアート」とはいったい何なのかというディスカッションを行なう。朝岡あかねのミニチュア空港《EST空港計画》の点灯している状態は、まるで本物の夜の空港滑走路のようにドラマティック!! で、ESTって何?と思ったら、「越中八尾スロータウン」の頭文字だった。割り箸を支柱にして、豆電球のうえにプラスティックカップをかぶせただけのライトは微笑ましい。終わってから熊鍋を生まれてはじめて食べた。私テキにはキノコ鍋のほうが美味だった。「スローアート」についてはまたゆっくり考えることに。
[11月22日(月) 原久子] |
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奈良美智──From the Depth of My Drawer 展
10/19〜11/28 金津創作の森アートコア[福井] |
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原美術館からの巡回展だが、まったく違う展覧会になっていた。六角形の御堂のなかに作品を設えていたりして、展示空間が新たに構築されていて、ひとつの展覧会というより、ひとつの作品のようになっていた。森の中にあるツルリとした現代建築。そのなかに、またザラザラした木の香りのする場があって、不思議な二重構造に。展示を見終え、自然のなかに帰ると、どこか作品とつながっているような気配もあった。
[11月23日(火) 原久子] |
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AIDS soap project
11/28 六本木ヒルズ[東京] |
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飯島愛も参加する「AIDSキャンペーン」(というとエイズを広める運動みたいだから「AIDS撲滅キャンペーン」というべきでしょう)のイヴェントの一環として行なわれた徳田憲樹の「ソーププロジェクト」。徳田は石鹸を使う関西のアーティストで、別に彼自身がエイズ患者というわけではなさそうだが、その彼がなぜこのイヴェントに参加したのかというと、ソープランドでエイズをうつされないようにという警鐘のためではなく、セックスの前後にアソコを石鹸でゴシゴシ洗おうという啓蒙のためでもなく、世界を席巻する石鹸会社ザ・ボディショップがこのイヴェントを協賛しているからなのだった。で、彼はなにをするのかというと、エイズ撲滅の象徴「レッドリボン」を描いた真っ赤な看板に、白い石鹸のスライスを参加者みんなで貼っていこうというワークショップを行なったのだ。ボディショップのワークショップ。なるほど、これなら手が汚れないし、あとで水で洗えばピッカピカ。
[11月28日(日) 村田真] |
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ルイ・ヴィトン──時空を超える意匠の旅
10/2〜12/25 兵庫県立美術館 |
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ルイ・ヴィトンのトレードマークであるモノグラム・デザインは日本の家紋などにも似ているといわれている。1854年に創設者のルイ・ヴィトンが旅行鞄店を開店した当時から、現在に至るまでのバッグのデザインの変遷をみせる展覧会。日本の着物の文様や、このデザインが生まれた当時のほかの装飾デザインなども比較展示。最近の村上隆やマーク・ジェイコブスがかかわったデザインの商品もあった。いつも美術館に来ている人たちとは明らかに客層が違った。
[11月28日(日) 原久子] |
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山口晃展「売らん哉」
11/25〜1/15 ミヅマアートギャラリー[東京] |
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近代と前近代、日本と西洋、アートとキッチュの境界を絵筆1本でやすやすと乗り越える山口晃。昨年の三越のポスターといい、『ぴあアートワンダーランド』の表紙絵といい、宣伝美術が宣伝される本体を凌駕している。今回の個展も未完成作品が多数あるにもかかわらず、初日でほぼ完売というから恐れ入る。まさに「売らん哉」。
[12月1日(水) 村田真] |
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恋月姫──ルナティックパンテオン[月の神殿]
12/1〜25 ART ZONE[京都] |
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人形をけして馬鹿にしていたわけではないが、想像を絶する完成度に驚いた。この世のものとは思えない。生きているわけではないので、この世のものではないといえばそうじゃないが。透き通る肌にほんのり高揚したような赤い頬。濡れた唇。抱きしめたいわけではなく、そっと触れてみたい、そんな欲求が襲ってきた。会場に立っていたゴスロリの女の子がちょっと邪魔だったかもしれない。
[12月1日(水) 原久子] |
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