はしょっていえば、版画は日本画に似ている。どちらもそれぞれのメディア特性によって「版画」「日本画」という枠に組み込まれているのに、近年はその枠組みを超えるような試みが盛んだからだ。しかし、ここが肝腎なのだが、版画が「版画」の枠を超えたとき、それは版画としては意義深いことかもしれないけれど、たとえば「絵画」として見るとどうってことなかったりして。それなら「版画」の枠内で、版画のメディア特性を活かした作品づくりをしていたほうがずっと生産的かもしれない。な〜んてことを考えさせられた展覧会。
[12月11日(土) 村田真]
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