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プライバシーステートメント
展覧会レビュー
村田真/原久子
2/24-3/3
榎忠展 「その男、榎忠」
2/11〜4/16 KPOキリンプラザ大阪[大阪]
会場は、初期からの活動を写真パネル、資料等で回顧する部屋、作家が語る映像、そして狭い廊下には緻密に描かれたドローイングが並ぶ。すごいデッサン力である。そして廊下の先にBAR「ローズチュウ」を28年ぶりに復活させ、最上階には話題の新作《RPM-1200》が、ずしんと重いが、しかし光を放ち、宙をそのまま飛んでいかんばかりのエネルギーをもって鎮座している。イチイチ私の表現は矛盾だらけなのだが、この矛盾を引き起こさせているのは榎の作品が原因なのだ。BARでは、女装をして髭を蓄えたローズチュウが毎週土曜日に店開きしている。その男こそ、榎忠だ。1960年代後期から毎回思いも寄らないような事件とも言うべき作品を発表してきた男の正体がここにある。
[2月24日(金) 原久子]
金氏徹平「飛沫と破片」
2/11〜3/25 児玉画廊[大阪] 
金氏徹平「飛沫と破片」
空間も平面もコラージュをしてゆく金氏徹平。さまざまなものを連鎖させ、私たちが大きな連鎖のなかのとてもちっぽけな欠片でしかないことを思わせたりもする。流木を積み上げてつくられた作品には、たくさんの鏡、虫眼鏡や双眼鏡などがついている。あっちをのぞいたり、こっちをのぞいたり。相関しながら、すべてのものがもしかするとどこかでつながっているのかな、って。実はそれほど意図してなくて作家から叱られるかもしれないが、そんなことを思った。コーヒーなどのこぼしシミを切り抜いた同系色のコラージュも、立体的にしたオブジェもなかなか新鮮だった。
[2月24日(金) 原久子]
オラファー・エリアソン
11/17〜3/5 原美術館[東京]
雨の日曜日。だけど、美術館は若いオーディエンスでいっぱい。会期延長になっていたので、やっと観られた。といっても、けっこう駆け足でもったいなかったけれど、監視のおじさまが質問にたいへん丁寧に答えてくださって、感激。光の反射、屈折を用いてマジシャンのように、オラファーは光を操ることのできるアーティストだ。これぞアート&サイエンス。電子技術を使うことに没頭している人々を横目に、こんなことをしてしまう余裕がスゴイ。科学館に来たみたい、って子どもなら素直な感想をもらすかもしれない。
[2月26日(日) 原久子]
岡村桂三郎展
2/20〜3/4 コバヤシ画廊[東京]
岡村桂三郎展
あいかわらず力作を見せつけてくれる。単に作品にリキが入っているというだけでなく、木の板を組んだ屏風状の画面が画廊の木の床から立ち上がってきたような錯覚すら覚えるほど力強く、この空間になじみ、サイトスペシフィックなインスタレーションになっている。
[2月27日(月) 村田真]
佐藤万絵子“boat”
2/27〜3/4 Space Kobo & Tomo[東京]
佐藤万絵子“boat”
白い紙袋の内側を暗緑色のオイルスティックで塗ったもの。でもゴシゴシこすりすぎて紙袋のかたちがほとんど残ってないほどボロボロ。彼女は結果(作品)を導くために作業してるわけではなく、おそらく過程そのものが目的だから結果だけ見せられてもねえ。
[2月27日(月) 村田真]
ザ・リングII
2/17〜3/12 エキジビション・スペース[東京]
ザ・リングII
指輪、ブレスレット、ネックレスといった輪状の装身具展。2004年に続く2回目で、今回は奥畑実奈、眞田岳彦、三橋遵、森淳一の4人が出品。「too decorative」という副題どおりどれも過剰気味で、あまり機能的ではなさそうだ。まあ装飾品だから機能的である必要もないけれど、なかでも森淳一によるエイリアンの骨みたいなトサカ状の櫛は驚嘆もの。いつもの大理石とは違って今回は木彫。
[2月27日(月) 村田真]
Aランチ
3/1〜10 アクシスギャラリー・アネックス[東京]
Aランチ
会場には作品らしきものはなく、テーブルと椅子が整然と並んでいるだけ。観客が席につくと作品のメニューが渡され、そこから好みの作品をオーダーすると席までもってきてくれ、ゆっくり鑑賞できるシステム。出品作家の村山華子がいたのでいっしょにありつくことにした。青木克世、O JUN、藤本由紀夫らの作品を注文。たしかにこれなら作品を手にとって心ゆくまで堪能できるけれど、作品のサイズや素材が限られるし、めんどくさいし、ひとりだと気恥ずかしいというのもある。おまけに初回は300円、以後100円ずつの鑑賞料をとられるから非効率的。まああくまで実験的試みであり、遊びってことで。
[3月1日(水) 村田真]
スイス・スピリッツ
3/4〜4/9 Bunkamuraザ・ミュージアム[東京]
スイス・スピリッツ
スイス美術を紹介するのにアルプスの山々を描いた絵をもってくるとは、なんと陳腐な。逆の立場でいうと、スイスで開く日本美術展に富士山の絵ばかりもっていくみたいな。そう思って会場に入ったら、これが期待ハズレにおもしろかった。まず、のっけから近年後退著しい氷河の絵が出てくる。そもそもアルプスの山々が風景として描かれるようになるのは、いいかえればアルプスが観光の対象になるのは、崇高の概念が確立した18世紀以後のこと。険しい山岳や巨大な氷河はそれ以前はやっかいな邪魔物でしかなかった。19世紀になるとやや穏やかなロマン主義や印象派が登場し、セガンティーニやホドラーの出番となる。20世紀の表現主義のキルヒナーやクレーあたりで風景画は終わるが、その後もフィッシュリ&ヴァイスによるハリボテの岩や、ローマン・シグナーのパフォーマンス写真、ピピロッティ・リストの映像インスタレーションなどが、「スイス・スピリッツ」のキャパシティを広げている。予想外の満足感。
[3月3日(金) 村田真]
Index
2/24-3/3
榎忠展 「その男、榎忠」
金氏徹平「飛沫と破片」
オラファー・エリアソン
岡村桂三郎展
佐藤万絵子“boat”
ザ・リングII
Aランチ
スイス・スピリッツ
3/4-3/7
life/art 05 Part4 中村政人
名和晃平展 「AIR」 
「Antenna + ヤノベケンジ 森で会いましょう 」
tenants展
In the Wind 水越香重子 個展
[Artist Talk:しだいテレビ]A-1 -Artist Grand Prix-〜血湧き肉躍るタッグマッチ!
トークショー 後藤繁雄『スキスキ帖』出版記念
大阪市立大学医学部付属病院小児病棟アートプロジェクト2005しだいテレビ展覧会
3/9-3/17
[wallstream] @ 御堂筋
composition──建築する音
CAP ART Fair 2006 アートのお買い物──みること、うること、かうこと、もつこと
私のいる場所
ロダンとカリエール
VOCA展2006
今日の作家展2006──一丁目一番地はまのくらし
ナスカ展
3/18
袴田京太朗 展──1000層
柴川敏之
祐成政徳展
田中偉一郎×増岡巽 展
レプリカ
甲斐すみ子展
X2 kuroda part3/2006
村住知也
塚田守──妖怪SPECTER
大野智史展──acid gardenER
村瀬恭子「月と森とシダの下のかたつむり」
戸谷成雄「ミニマルバロック」
ブルース・コナー展
3/20-3/22
杉浦晶展
松浦寿夫展
たほりつこ──環境から感境へ
激変するアート・パブリック
村田朋泰展
Anonymous Still”Yang Yong
ハッピー・サイドショー
3/25
八代亜紀 絵画展
高野コレクション──浅井忠 展
増山麗奈 個展
life/art 05 須田悦弘
TETSUSON 2006
ひらいゆう「キッチンサーカス」
『sight』安藤雅視
dream.GIRLS -I am not a person.-
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