小吹隆文/福住廉 |
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5/8-5/11 |
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安喜万佐子個展 “a thousand years”
5/8〜27 キュービック・ギャラリー[大阪] |
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風景を、写し取るのではなく、心象レベルまで醸成して描き出そうとする試み。樹木や車窓風景、鳥瞰図などのモチーフは一旦粒子レベルに還元され、驚くべき細密さの点描で描き出される。作品を見ていると、過去の曖昧な記憶を呼び戻そうとする時の歯がゆくも切ない感情が湧き上がってきた。
[5月8日(月) 小吹隆文] |
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カルティエ現代美術財団コレクション展
4/22〜7/2 東京都現代美術館[東京] |
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「なんであんなにバカでかいものばっかりなの」「コンテンポラリーアートというのが大嫌い」という石原慎太郎・東京都知事のスピーチで幕を開けたという本展。その古典的な芸術観はさておき、都知事の辛辣なコメントに反駁できるほどの作品が見当たらないのが悲しいところだ。写真と音を組み合わせてスライドショーのように見せたナン・ゴールディンと川内倫子が新鮮だったくらいで、ほかに特筆すべき作品は思い浮かばない。「ぼくはブランドなんて大嫌いでね」と言いつつ、東京ワンダーサイトへの資金援助をカルティエに要請する都知事のふてぶてしいパフォーマンスが際立つようでは、アート業界もまだまだ頑張らなければならない。
[5月9日(火) 福住廉] |
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MОTコレクション──1960年代以降の美術 特集展示:吉田克朗/中村一美
4/15〜7/2 東京都現代美術館[東京] |
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絵の具をたくさん使った中村一美の巨大な平面や吉田克朗のリトグラフ、川俣正やクリストのスケッチ、それから宮島達男。目利きの点に限っていえば、カルティエなんかよりぜんぜん勝っている。
[5月9日(火) 福住廉] |
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武満徹──Visions in Time
4/9〜6/18 東京オペラシティアートギャラリー[東京] |
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武満徹の直筆音符や絵画作品、映画音楽を手掛けた映画のポスター、ジャスパー・ジョーンズやサム・フランシスのコレクションなどを展示しているが、なかでも目をひいたのは実験工房や草月アートセンターでの集合写真。そうそうたる面々が写っている写真はまちがいなく資料的価値が高いが、集合写真を撮影するという行為じたいが、いまの時代ではほとんど考えられなくなっていることに気づかされる。それは写真というメディアが大衆化したせいか、芸術運動という形式が衰弱したせいか、それともなにかほかの理由があるのか。
[5月9日(火) 福住廉] |
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彫刻の力
5/3〜28 海岸通ギャラリー・CASO[大阪] |
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関西を拠点に活動している21人が出品。世代的には40歳前後で、大学で教鞭をとっている人が主。皆キャリアがある人なので、どの作品も安心して見られる水準の物だが、やや詰め込みすぎの観があった。二つの鏡と映像を組み合わせて無限空間を作った森口ゆたかと、ウレタン製の人物頭像を愛犬に噛ませている映像(まるで犬が像を作っているかのよう)の杉浦隆夫の作品が印象深かった。
[5月10日(水) 小吹隆文] |
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時松はるな展「なんか(すごく)楽しい」
5/8〜5/13 ギャラリー東京ユマニテ[東京] |
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シャープペンシルで描かれた体操服姿の子どもたちの群像。どれも同じような顔で、男女の性別が曖昧な、均質化された「子ども」を表現している。それらに共通するやわらかい身体表現は、没個性的な現代の子どもたちを反映しているというより、子どもであれば誰もが知っている、しかし子どもでしか経験し得ない独自の遊戯性を正確に把握しているということなのだろう。
[5月11日(木) 福住廉] |
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