小吹隆文/福住廉 |
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5/11-5/16 |
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片岡球子展──101歳のアトリエから
5/9-5/22 ナカジマアート[東京] |
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富士山といえば日本画の画題としてはあまりにもベタだが、片岡球子の描くそれはきちんとネタになっている。真っ赤に塗りつぶされた赤富士は、百貨店系の日本画と比べると、ヘタウマ・マンガのようで、たとえていえば「まんが日本昔ばなし」の背景にそのまま使えそうだ。けれども、たとえば富岡鉄斎の富士山がそもそもマンガ的だったことを考えると、伝統的な正統性はむしろ片岡球子の赤富士のほうにあることがよくわかる。
[5月11日(木) 福住廉] |
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荒井良作品展「化けものつづら」
5/13〜24 ギャラリー島田[神戸] |
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埼玉県川越市を拠点に「張り子」の作品を作っている作家の関西初個展。妖怪や幽霊、魑魅魍魎の類を圧倒的な技量で造形化している。女性の髪一本一本や風景の小石まで全て張り子で出来ており、その一切妥協しない姿勢は驚異的。明治初期の生人形にも通じる妖しい魅力が充満しており、一目見た瞬間に虜になってしまった。
[5月13日(土) 小吹隆文] |
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デスティニー・ディーコン Walk & Don’t Look
Blak
4/29-6/11 東京都写真美術館[東京] |
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オーストラリアの先住民に出自を持つ写真家。といっても伝統的なアボリジニ芸術の雰囲気を売りにしているわけではなく、人形をモチーフにした写真に見られるように、どちらかといえばアメリカ西海岸の狂った感じと通底する、キッチュで暴力的なテイストが強い。
[5月13日(土) 福住廉] |
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藤田嗣治
3/28-5/21 東京国立近代美術館[東京] |
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話題の戦争画はたしかに照明が暗すぎて細部を把握することが難しかったが、暗くても陳腐な白々しさを覚えてしまったため、逆に明るくないほうがよかったのかもしれない。迫真性うんぬんというより、客を存分に満足させる芸者芸を見せられているようだった。戦争画では醒めていた藤田の意識が、戦後の宗教画になって狂っていく過程が面白い。
[5月13日(土) 福住廉] |
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大勧進 重源
4/15〜5/28 奈良国立博物館
[奈良] |
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鎌倉時代に東大寺を再興した僧・重源の没後800年を記念した展覧会。重源の資料や同時代の仏像、仏具、書状など約150点で構成されている。《重源上人坐像》の迫真の写実性、慶派仏師によるキレの良い彫像はさすがの見応えだが、個人的に最もショックを受けたのは2体の《五劫思惟阿弥陀如来像》。修行に没頭したため髪が伸び放題になり、アフロへアーになってしまったファンキーな仏様だ。仏教美術の奥深さを改めて実感。
[5月14日(日) 小吹隆文] |
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中比良真子
5/15〜28 neutron
gallery [京都] |
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上空から地上を見渡した鳥瞰図のような絵。とはいえ、地上の風景を細密に描き込んでいるわけではなく、画面の大半は余白にとられている。最近画廊をまわっていると、こういう白っぽい絵をたくさん見るけれど、どうやら関西でも同じ傾向があるようだ。
[5月16日(火) 福住廉] |
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