村田真/原久子 |
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8/26-9/2 |
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サントリー森と水の学校 サマー・アート・キャンプ
8/26〜29 山梨県白杜市尾白川一帯[山梨] |
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上:「水を運ぶ器」の制作風景
下:川の色を絵の具で紙に表現しようとする子どもたち |
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24人の子どもたちとキャンプに出かけた。森の自然、水の大切さなどを学ぶと同時に、ものづくりを子どもたちと一緒にやってみようという試み。綿布、木、ひも等のシンプルな材料で、川のきれいな水を、ステキな器を作って運べないものか、ということでプランづくりに挑戦。普段は使うことのないノコギリを握って、班にわかれて工夫しながら「水を運ぶ器」を作った。デザインには機能性も重要といったことも学びながら、みんな想像以上に大量の水を運ぶことに成功。とはいえ、その量をおさらいすると実は水洗トイレで1度流す量とそんなに変わらない程度。普段は蛇口を捻ったり、ボタンを押せば出てくる水を自分たちで運ぶとタイヘンなんだってことも子どもたちにとっては大きな発見だった。
[8月26(土)〜29(火) 原久子] |
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トーキョーワンダーウォール公募2006入選作品展
8/12〜9/3 東京都現代美術館[東京] |
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村田真賞を発表します。ダリの粒子風の絵を描いた上野陽介、オールオーバーな金魚絵の小田嶋紘子、男女のからんだ2枚組の奈良エナミ、前にも選んだ覚えがある掘込幸枝、稚拙ながら暗いなかでひとりテレビを見ている図が訴えかける吉岡雅哉。これからもがんばってください。受賞を逃した人もがんばってください。
[8月31日(木) 村田真] |
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ポップアート1960's→2000's
7/8〜9/3 損保ジャパン東郷青児美術館[東京] |
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「ポップアート展」という以外なんの予備知識もなく入ったら、最初の部屋は版画ばかりなのでキレかかった。いくらリキテンスタインでも、版画はないだろ! 次の部屋にはジャッドやステラやセラがあって、展覧会を間違えたのかと思った。しかし展示室を進むにつれ、あまり聞いたことのない若いアーティストのペインティングが増えてきて、最終的にとても楽しむことができた。お気に入りは、おバカなバルーンと戯れる女を撮ったデイヴィッド・ラシャペル、絵具を生クリームのように盛りつけるジェニファー・リーヴス、よく見ると性器が見えてくる抽象絵画のスー・ウィリアムズら。カタログを手にとって初めて知ったのだが、これはミスミコレクションからの出品なのだ。なるほど、オールド・ポップ(ジャッドやステラを含めて)に版画が多く、ネオ・ポップにペインティングが多い理由がわかった。要するに価格の問題なのね。調べてみると、出品作家のうち1940年以前の生まれは13人、1952年以降の生まれは19人で、40年代生まれの中堅がすっぽり抜け落ちている。みごとに新旧が分裂しているのだ。
[8月31日(木) 村田真] |
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アフリカン・リミックス 多様化するアフリカの現代美術
5/27〜8/31 森美術館[東京] |
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5月からはじまっていたのに、やっと最終日に駆け込んだ。知り合いと遭遇し、ちょっと立ち話をしたりした時間も含め、所要時間は約3時間。最後の部屋はあまり印象に残っていないのは、すでに疲れていたからだろうか。サミュエル・フォッソのセルフポートレイトなど以前にも観てとても衝撃を受けた作品もあったが、初めて名前を聞くアーティストも多かった。彼らが背負わされた歴史的な問題も多いし、アフリカといっても、日本に住んで居てすぐに想像するアフリカ大陸南部のブラックアフリカのイメージよりも広いとらえ方がなされている。北アフリカのアラブ文化の色の濃い、エジプトからモロッコあたりの文化もそこには当然含まれる。カテゴリーに分けられていて見やすさもあり、それだけでなく、それぞれの作品も優れたものが多く、足を運んだ甲斐があった。
[8月31日(木) 原久子] |
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藤浩志の映像「違和感を飛び超える」
9/1 ペペ馬場119[神奈川] |
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北仲ホワイトのペペ馬場119で藤浩志の映像をやるというので見に行った。1983年から2005年までに撮った映像17本を28分に編集した「違和感を飛び超える術!」と、80年代後半に青年海外協力隊で滞在していたパプアニューギニアのアトリエをドキュメントした「PNG制作室1988」の2本立て。前者は1〜3分の映像のオムニバスなので興味深く見られたが、後者は手ブレとボケの熱帯映像が21分も続き、おまけに映写室にはクーラーがないので気持ち悪くなった。
[9月1日(金) 村田真] |
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日本×画展
7/17〜9/20 横浜美術館[神奈川] |
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MOTアニュアル(東京都現代美術館)でもあったし、最近は「日本画」というキーワードがちょっとしたブームでもあるのか、横浜でもこんな「日本×画展」が開かれていた。しりあがり寿、小瀬村真美、中上清、中村ケンゴ、藤井雷、松井冬子の6名の作家が参加。漫画家として知られるしりあがり寿は、墨による線描で高い天井の上まで埋め尽くす巨大なパノラマ絵画(?)を出品。松井冬子の作品は怪しさをますます増してきている。今回、注目したのは藤井雷の《絵手紙》。家族に宛てたものからはじまったというこの絵手紙。彼の人生という旅が続く限り、延々と作品は続くのかもしれないと思った。つねに1枚としては完結しているものの、一方でつねに未完でもある作品。
[9月1日(金) 原久子] |
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インゴ・マウラー展 光の魔術師
7/8〜9/18 東京オペラシティアートギャラリー[東京] |
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キャリアも長いマウラーだけに、家庭にでもつけられるようなものから、駅などの公共施設のためにデザインされた大型のものまで、照明といってもさまざま。身近な日用品を素材につくられた照明具なども多い。これって私にもつくれそう、などと自宅で工作をしたくなる、そんな意欲をそそられたのは私だけだろう。
[9月1日(金) 原久子] |
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安部良展「アーキロマンス──空間との親密さ」
8/31〜9/12 リビングデザインギャラリー(リビングセンターOZONE 6F) |
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萱原里砂、鷹野隆大は写真を東恩納裕一は蛍光灯を用いたオブジェを展示、作曲家の三宅榛名は空間を包むサウンドを担当し、建築家の阿部良が空間構成をした。ダンボールを使った仮設っぽい空間づくり、それがチープだということではなく、ここに何故このアート作品が必要だったのか、その必然性に乏しくて添え物っぽくなってしまっていて残念だった。
[9月1日(金) 原久子] |
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オノデラユキ作品展
9/2〜10/7 ツァイト・フォト・サロン[東京] |
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ありふれたホテルの一室を写した写真と森林の風景写真がセットになった新作、《オルフェウスの下方へ》を中心とする展示。これは、ある人物が宿泊中のホテルからこつ然と姿を消した事件と、280年前に南太平洋の島に狂人が現われたという逸話を結びつけたことに始まる。失踪事件のほうは北緯40度25分51秒、西経3度42分28秒(マドリッド)、狂人が現われたのは南緯40度25分51秒、東経176度17分32秒(ニュージーランド)だから、地球の対蹠点で起こったことになる。ということは、ホテルで姿を消した人物が280年の時をさかのぼって地球の反対側にひょっこり現われた? はたしてどこまで真実なのかわからない。全部ほんとかもしれないし、失踪事件も狂人の逸話もつくり話で、マドリッドとニュージーランドへ写真を撮りに行くための方便だったのかもしれないし、ひょっとしたら写真もスタジオで撮ったものかもしれない。いずれであれ、写真とストーリーだけでわれわれの想像力は地球の反対側まで飛ぶのだ。
[9月2日(土) 村田真] |
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P & E展
Aグループ 8/18〜26、Bグループ 9/1〜9
アートコートギャラリー[大阪] |
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若手を応援しようという公募企画P & E展が、A,Bの前期後期の2回に分けて開催された。この企画は今回が2年目で2回目。前期は絵画など平面作品を中心に、後期は彫刻的な作品、インスタレーションなどさまざまな手法でつくられた作品が並ぶ。若手のアーティストたちを前に講評を天野一夫氏と担当。大学院生などまだ発表歴の浅いつくり手たちが多い、彼らの制作意図をインタビューしつつ、ツッコミを入れてゆくことに。アーティストだけでなく、同世代の人たちもたくさん来ていて、天野氏も私も言葉を選ぶのに苦労した。
[9月2日(土) 原久子] |
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