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プライバシーステートメント
展覧会レビュー
村田真/原久子
9/8-9/13
江上計太と遠山裕崇
9/8〜10/1 北仲ホワイト301号室[神奈川]
江上計太と遠山裕崇
福岡の新旧ふたりのアーティスト。旧、というより中堅バリバリの江上は、表面にさまざまな図像のコピーを貼った幾何学的立体コラージュ。価格が1万円に統一されているため、多少安っぽいつくりであるのはやむをえないか。遠山は赤い花をフォトリアリズム風に描いているのだが、おもしろいのは1枚描くのに絵具皿を1枚ずつ使い、その絵具のついた皿も展示していること。皿だけでは単に汚れた皿でしかないけれど、隣に花の絵を並べることで赤や緑の絵具跡がなんとなく花に見えてくるのだ。
[9月8日(金) 村田真]
「TOSHIE KUSAMOTO PHOTO EXHIBITION」
9/3,9,10,16,17 のざとのいえ[大阪]
草本 写真展
もう何年前だろうか、友人の建築家たちが昭和初期に建った長屋をリノベーションした。彼らの教え子たちと一緒に私も少しだけお手伝いして完成したのだが、懐かしいその場所で展覧会があった。当初、ギャラリーっぽく使いたいということで作業をはじめたので、やっとその意志を継いで企画をする人が現われたというわけだ。天蚕糸でグリッドを作り、そこにパネル貼りした写真を展示。なので、写真が宙に浮いたような状態になっている。床面も少し上げて、足元にも写真を展示。アートの世界でいつも変わりない展示をしているのとは発想が違う。いい意味「遊び」があって、写真を観る視点も変化する。
[9月10日(日) 原久子]
ベルギー王立美術館展
9/12〜12/10 国立西洋美術館[東京]
ベルギー王立美術館展
最初のほうでいきなりブリューゲルの《イカロスの墜落》をはじめ、ルーベンス、ヴァン・ダイク、ヨルダーンスといった目玉を見せられて、「なんだ、お楽しみはもう終わり?」と思ったら大間違い。ダーフィット・テニールスによるネーデルラント総督のギャラリー画、フィリップ・ヴァン・ブレーによるルーベンスの制作風景、ルーベンスと見まがうアントワーヌ・ヴィールツ、ジェームズ・アンソールとフェルナン・クノップフ(ジョルジュ・レメンを加えてもいい)によるピアノを弾く人物という同主題の絵の変奏、ヴァレリウス・ド・サーデレールのブリューゲルを思わせる冬景色など、いくつかの出品作品が互いに呼応しあい、展覧会全体がひとつの巨大な迷路のようになっているのだ。そのため展示室を行ったり来たりすることになり、400年の美術史を何度もトリップすることができた。また、この王立美術館には人気の高いフランス近代絵画もコレクションされているのに、今回はベルギー(フランドル)ゆかりの画家に絞ったことも評価できる。惜しむらくは、ブリューゲル以前のウェイデン、クリストゥス、バウツらプリミティフ派の作品がないこと。ところでそのブリューゲルだが、偉大なとうちゃんのコピーに明け暮れたピーテル(子)や、曾孫のヤン・ペーテルの作品もあるのに、肝腎の《イカロスの墜落》が実はピーテル・ブリューゲル(父)の筆になるものではないらしいと初めて知った。ではないにしろ、魅力的な絵であることはたしか。
[9月12日(火) 村田真]
第91回二科展
9/1〜16 東京都美術館[東京]
9月からいよいよ公募団体展も目白押し。いま開かれているのは院展、行動展、主体展、二科展の4本。名前からしてすごいなあ、行動とか主体とか。北朝鮮かここは。院展と二科展はそれぞれ91回目というからこれもすごい。しかも院展は再興だからそれ以前から歴史があったってこと。回を重ねりゃいいってもんだな。よし、これらを全部制覇してやろうと思って、まず二科展に入ったのだが……見なきゃよかった。絵画だけで入選854人、作品は2段がけでも3フロアにまたがるという厖大な量。しかも、比較的均質な日展に比べて「なんでこんなのが……」と絶句しそうな駄作も含まれているのだ。にもかかわらずどれもこれも似たり寄ったりに見えてくるという日本特製洋画の黒魔術。2フロア見ただけで気分が悪くなり退散しました。完敗です。
[9月12日(火) 村田真]
reseau−透膜の兆し− 今村源+児玉靖枝
9/4〜16 O ギャラリーeyes[大阪]
この2人のアーティストが2人展というのはかなり画期的なことだと思う。今年は国立国際美術館、伊丹市立美術館の個展など、まとまったかたちでの発表が続いている今村。児玉はペインティングを床に置くなどいつもと違ってとても実験的なことを試みている。一種のコラボレーションとも見えるような展示も面白い。
今村源+児玉靖枝 今村源+児玉靖枝
[9月12日(火) 原久子]
中村勇大 建築展 → 2005→ 水平面を問い直す
8/22〜9/15 Early Gallery[大阪]
180年まえに建った民家の建て替えをめぐる設計プランを展示。すべて解体してしまうのではなく、柱や梁という木軸を残してそのうえを新しい建物がすっぽりと覆うようなかたちで新築されるという。完成形を見てみたい!
[9月12日(火) 原久子]
小松敏宏 サナトリウム
8/30〜9/17 遊工房[東京]
小松敏宏 サナトリウム
2階のギャラリーの床に、十字形に交差するように写真が並べられている。そこにはギャラリーと同じような木の床や、テーブル、椅子などが俯瞰で撮られ、窓に突き当たって垂直に伸びた十字形の末端には、窓から見えるのと同じ外の風景が写っている。つまりこれ、ギャラリーの真下にあるレジデンス・スペースで撮った写真を、そのまま2階に垂直移動させたものなのだ。京都在住の小松は夏休みのあいだここに滞在して制作していたそうだ。
[9月13日(水) 村田真]
ART CAMP in Kunst-Bau 第4期
9/9〜21 サントリーミュージアム[天保山]ギャラリーヤマグチクンストバウ[大阪]
サントリー森と水の学校 サマー・アート・キャンプ
関西一円の芸術系大学生・大学院生を中心とした展覧会。2002年から毎年この大阪港周辺で開催されてきた。今回はサントリーミュージアム[天保山]の階段部やテラスなどの共有部も用いて展示。継続は力なり。発表する作家たちはどんどん新しい顔ぶれになるのだが、いろいろなことが引き継がれてゆき、どんどんまとまりのある展覧会になってきている。ただ、若いのにすっきりと収まってしまうのも、どうかと思われる作品も見受けられるので、もっといろんな部分を出してね。
[9月13日(水) 原久子]
Index
8/22-8/25
tenants
伊勢克也 「家について」 in 大阪
三つの個展:伊藤存×今村源×須田悦弘
国宝障壁画「方丈襖絵」リプレイスプロジェクト 記者発表会
遠藤彰子展 生命を謳う
ブルーオアシス2
8/26-9/2
サントリー森と水の学校 サマー・アート・キャンプ
トーキョーワンダーウォール公募2006入選作品展
ポップアート1960's→2000's
アフリカン・リミックス 多様化するアフリカの現代美術
藤浩志の映像「違和感を飛び超える」
日本×画展
インゴ・マウラー展 光の魔術師
安部良展「アーキロマンス──空間との親密さ」
オノデラユキ作品展
P & E展
9/3-9/7
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2006
アロマロア エロゲロエ
浅井忠と関西美術院展
松浦寿夫 林と森──筆触の論理学
9/8-9/13
江上計太と遠山裕崇
「TOSHIE KUSAMOTO PHOTO EXHIBITION」
ベルギー王立美術館展
第91回二科展
今村源+児玉靖枝
中村勇大 建築展 → 2005→ 水平面を問い直す
小松敏宏 サナトリウム
ART CAMP in Kunst-Bau 第4期
9/16-9/22
京都文化祭典'06
ウィーン美術アカデミー名品展
空気のように、空気をはらんで
ダリ回顧展
ART in CASO
9/23
CS祭2006「あ、」
Freeing the Mind、抽象再訪
チェルフィッシュ『体と関係のない時間』
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