小吹隆文/福住廉 |
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11/8-11/11 |
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八木良太 文字の存在論のために
11/7〜19 ヴォイスギャラリーpfs/w[京都] |
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氷でできたレコードなど、音にまつわる作品で知られる八木良太だが、今回は文字や記号、それらに対する認識をテーマにした作品を発表した。『星の王子さま』の原文からピリオドやカンマなどの記号のみを抽出した作品や、二重のガラス板にランダムに単語を分解した虹に関する原作の作品では、作品の構造が原作のメッセージを体現する冴えた表現を展開。ほかには、本の文字部分に録音テープを貼り録音ヘッドでなぞると音がする作品や、QRコードを利用した作品なども。思考を鮮やかにビジュアル化する手腕は見事である。
[11月8日(水) 小吹隆文] |
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泉依里展 dangle
11/11〜16 ギャラリー島田[兵庫] |
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実際に見たりインターネットで検索した風景を変形し、それらを組み合わせて絵画作品に仕上げている。そのイメージは、一見何物に由来するか分からず、見る者のイマジネーションに委ねられる。ドローイングを繰り返して変形させたモチーフはコンピューターに取り込まれ、モチーフの合体と着彩をデジタル環境で実施。ほぼ完成形まで仕上げた後、その画像を元に改めて油絵を描くという複雑な工程も大きな特徴だ。真っ白な画面に浮遊するカラフルな断片的イメージは、爽やかな印象を見る者に残す。
[11月11日(土) 小吹隆文] |
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STAY WIYH ART2006 WHAT'S ENTERTAINMANT
11/11・12 HOTEL T'POINT[大阪] |
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大阪・東心斎橋のHOTEL T'POINTは、全客室のデザインが異なる異色のホテル。しかも、寝室とバスルームが壁無しで連続していたり、室内がジャングルジムのようになっていたりと、どの部屋も過激な事この上ない。その部屋を舞台に11組のアーティストが展覧会を繰り広げた。なかでも航空障害灯で室内を真っ赤に染めた箭内新一の表現は秀逸。また、ワーク・イン・プログレスとして今後1年かけてインスタレーションを制作する横谷奈歩も見応えある空間を作り上げた。ほかには川野美帆、谷澤紗和子、現代美術二等兵の展示もそれぞれ印象深い。サイトスペシフィック・アートの面白さを満喫できる2日間だった。
[11月11日(土) 小吹隆文] |
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宮川ひかる トリップ・オブ・ヒカル
10/28〜11/25 高橋コレクション[東京] |
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わき腹に引っかき傷でクリップ模様。パンク精神と自傷行為と身体異装をエロスでひっくるめて写したような写真だ。
[11月11日(土) 福住廉] |
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三瀬夏之介
11/6〜11/15 アート・インタラクティヴ東京[東京] |
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三瀬夏之介の新作展。いつものように断片的な風景の混淆を描き出しているが、今回は画面の中央に巨大な器が出現していた。大河の流れをせき止めているのか、不自然なまでに大きいこの器は、なぜか弥生土器に見えた。これは三瀬の関心がますます「日本的なるもの」に向けられていることの現われであると考えられるし、であればおそらく橋本治がいうところの「弥生的なメルティングポット」に対峙する局面をいよいよ迎えているということなのだろう。あらゆる異質なものをすべて受け入れて熔かしこんでしまう坩堝が日本文化の中心であるとすれば、従来の「日本画」はこの構造に安住するか、黙認するか、あるいはそこから逃走しようとするしか手立てがなかった。だが、これこそ僕らの暮らしの根底にひそんでいる力であるならば、いずれどこかで正面から真摯に向き合わなければならない。より厳密に言い換えれば、結局のところ、これは僕ら自身が天皇制といかに格闘するかという問題なのだ。足元にのびる影は、とてつもなく深く、暗く、そして不気味である。
[11月11日(土) 福住廉] |
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