村田真/原久子 |
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1/13〜1/19 |
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飯川雄大「時の演習用時計」
1/6〜20 Kodama Gallery|Tokyo[東京] |
サッカーなどのグループ競技をしている映像は、ある一人だけをカメラが追いかけていて、タイムオーバーとなったとき、きつねにつままれたような表情になって、時計をまじまじと眺めるシーンが出てくる。そのシーンを観ても私は状況がつかめなかった。まさにカメラにおさまっている人物もその「状況がつかめない」という顔をしているのだ。種を明かせば、カメラに撮られている人だけが知らないうちに試合時間が半分に短縮されていたのだという。対角線上に設置された2つの画面の一方は複数の風船が空をゆらゆら動いていて、一方の映像は空中から町を俯瞰して撮っている映像。時々カメラの側が回転しているのと、風船の動きを観て、こちらは風船にカメラをつけていることには気づいたが、会場の真上でしかもリアルタイムで撮っていることは、聞いてはじめて知る。はじめ理解できなかった「時の演習用時計」というタイトルをやっと理解できた。
[1月13日 原久子] |
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Art @ Agnes
1/13,14 ホテルアグネス[東京] |
前日もJ-WAVEのFM放送の効果か、1日で2000人がこのアートフェアを観にやってきたという。日曜の昼下がり、一番危険な時間帯かもしれないと覚悟していたが、やはり満員電車に乗っているような人混みで作品を観ることに。最初に入ったタケフロ+ミサコ&ローゼンの部屋だけでも、ファイルに入ったドローイングなどの作品やビデオを観ているとあっという間に時間が経っていた。31室中、1室だけ観られなかったが、所要時間3時間以上。ギャラリー小柳の部屋で展示中の内藤礼の繊細なインスタレーションを一人占めして観られたのは奇跡に近かった。洗面の蛇口からガラスコップに細く水がおちてなかの水を回転させることで、薄いピンクのリボンが踊っている様子を微笑んでみている自分の姿が前の鏡に映っていて、観てはいけない自分の顔を見てしまった恐怖にびびる……。計3点のお買い物をし、ホテルを出るとき振り返ると外まで入場待ちの列ができていた。
[1月13日 原久子] |
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Awesomeレジデンス帰国報告 永岡大輔
1/8〜21 トーキョーワンダーサイト本郷[東京] |
永岡大輔は鉛筆や木炭ドローイングでコマ撮りどころかビデオカメラを回しっぱなしでアニメーションをつくっていく。最終的に編集はするが、描いた絵を消しゴム等で消しては次のシーンを描くという独特の手法をとる。描かれた痕跡を残さず消し去ってしまう潔さに好感がもてる。そんな永岡がオーストラリアのパースで滞在制作やワークショップを行なった。パースで見た大樹をモチーフに壁画を描き、現地で制作したアニメーションを上映。今回初めて映像インスタレーションを試みた永岡。部屋にぽつんと置かれた机から、ぬーっと手が伸びて壁に描いているかのように映像が投影されていた。パースでの人々とのふれあいや、町の様子を話してくれたのだが、話しを聞きながらアニメーションを見てると、薄暗がりの展示室に彼が描いているのは白い地に黒だというのに、天然色に見えてきた。
[1月13日 原久子] |
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眞田塾展07 身体髪膚
1/16〜28 アクシスギャラリー[東京] |
眞田岳彦による「衣服造形家」養成のための造形・デザイン塾の塾生5人が、1年がかりで調査・研究・試作した最終結果の発表展。手や身体のネガ(鋳型)をとったり、痛みや遺伝子に言及したり、衣服を考えるのに身体や衣服以外のものごとを追求することによって、逆に衣服の本質を浮かび上がらせようとする姿勢が共通しているようだ。ファッションとしては、3つのシャツやジーンズをつなぎ合わせた永井俊平の作品が実用化できそう。
[1月15日 村田真] |
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手塚愛子展 「薄い膜、地下の森」
1/5〜18 スパイラルガーデン[東京] |
織物のある色の糸だけほぐして見せる作品で知られる作家。円形のスパイラルガーデンには直径7メートルの大作が鎮座するが、反対側のエスプラナードに展示されていた小品のほうにより魅力を感じた。買えるから、というわけではなく、作品にはおのずと固有のスケールというものがあるから。
[1月17日 村田真] |
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諸泉茂 ℃-PATTERN
1/9〜31 ギャラリー360°[東京] |
赤、青、黄色などの温度計を斜め格子に並べた作品。暑くなれば色の線がいっせいに伸びるはずだが、目盛りがないので何度かわからない。360°でやるのは、角度と温度の違いはあっても同じ「°」の縁だからか。
[1月17日 村田真] |
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オブジェ・ヴォラン 「サークル+透明+コントルポワン」
1/19〜21 BankART Studio NYKホール[東京] |
ジャグリング専門のヌーヴォー・シルク。なんのことかさっぱりわからないおじいちゃんおばあちゃん、フランス風お手玉ですよ。チラシに「ジャグリングはアートだ!」というキャッチが踊るが、たしかに。ふたりのジャグラーが手当たりしだいの素材を使って、可能な限りの順列組合せで投げ合う。たとえジャグリングの枠を踏み外しても可能性を追求する。これこそアートですね。失敗しても意にかえさないところもアートっぽい。ちなみにタイトルの「コントルポワン」は岡本太郎の初期作品名にもあり、この公演が、太郎に刺激された石山朔の大作に囲まれて行なわれたのもなにかの縁だろう。
[1月19日 村田真] |
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西森瑛一
1/13〜27 Kodama Gallery|Osaka[大阪] |
鉛筆を用いたドローイング、描いている本人なりの法則性があるようにもみえる。これからどんな展開になるのか未知数ではあるが、先が見えないところがいい。
[1月19日 原久子] |
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