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展覧会レビュー
村田真/酒井千穂
2/1〜2/8
MOTアニュアル2008「解きほぐすとき」
2/9〜4/13 東京都現代美術館[東京]
MOTアニュアル2008「解きほぐすとき」
物事の輪郭なり本質なりがとらえにくいとき、その物事をいちどばらばらに解きほぐしてみると見えてくるものがある、といったテーマ。出品作家は金氏撤平、高橋万里子、立花文穂、手塚愛子、彦坂敏昭の5人で、なるほど、そういわれりゃそんな気がしてくると思わせる人選だ。いちばん即物的に解きほぐしているのが、織物の糸をほぐした手塚だろうね。輪郭線のギザギザがますますギャグっぽくなってきた彦坂は、同姓の先輩作品に似てきたぞ。
[2月14日(木) 村田真]
高浜利也 展「補遺/小出の家」
2/4〜23 ギャラリーなつか[東京]
高浜利也 展「補遺/小出の家」
家のようなかたちが並ぶ版画。高浜は越後妻有アートトリエンナーレ2006で、「小出の家」と呼ばれる1軒の空家に大がかりなインスタレーションを施し、その屋根裏で地元の小学生と積み木の家をつくるワークショップを実施。家のかたちはその「まちなみ」を表わしているようだ。版画家がサイトスペシフィックなインスタレーションを制作し、高齢化の進む過疎地で子どもたちが未来の「まちなみ」をつくる。こうした対極的なものごとが共存可能になるのも越後妻有のサプライズだ。
[2月15日(土) 村田真]
槙原泰介 展
2/8〜3/2 資生堂ギャラリー[東京]
槙原泰介 展
地下にある資生堂ギャラリーは、階段を降りていくとき踊り場から展示室が見下ろせるようになっているが、その踊り場の床の高さに合わせてシンバルが設置してある。つまり踊り場から見ると、足元のレベルに金色に輝く丸い金属が浮かんでいるのだ。下から見上げると、高さ3.2メートルのスタンドが林立し、その上に205枚ものシンバルが載ってるさまは壮観。まるで水底から見上げた睡蓮の葉のようだ。でもなんでシンバルなんだろ。どうせなら音を出したいところだが、出せば別の作品になっちゃうし。
[2月15日(土) 村田真]
サラ・ジー展
2/8〜5/11 メゾンエルメス8階フォーラム[東京]
いちばん奥の柱に枕やタオル、段ボール、木の枝などを巻きつけている。床には鏡や紙を敷いて海岸みたい。そこここに照明が灯り、扇風機が風を送り、いろとりどりの糸やヒモが縦横に渡してある。バックヤードのドアも開けてその内外にインスタレーション。いろんな要素がぶちまけられていながら、うちの子供部屋みたいに無秩序にとっちらかっていないのは、やっぱりサラ・ジーが大人のアーティストだからなんですかね。
[2月15日(土) 村田真]
両洋の眼 展
2/12〜17 日本橋三越新館7階ギャラリー[東京]
両洋の眼 展
洋画も日本画も具象も抽象も老若男女も関係なく、とにかく絵を集めたグループ展。昨年の感想とまったく同じで、安西大と加藤良造がよかった。だいたいこのふたりも含めて、作品の印象が昨年とほとんど変わらないのはどういうわけだろう。毎年ころころ変わればいいってもんではないけれど、大して変わりばえしないんだったら毎回足を運ぶ必要もないってことだ。そんななかで、毎回スタイルもテーマも変えつつ、それでも作者の同一性が保たれている希有な例が福田美蘭だ。今年の出品作は、植木に女の人の腕が生け花のごとく突き立てられている絵。一瞬なんのことか理解できなかったが、作者のコメントを読むと、少年が母親を殺して腕を切断し、それを植木鉢に植えたという昨年の猟奇的事件にヒントを得たものだという。しかし絵そのものから受けるショックより、そんなショッキングな事件にもかかわらず自分がすでに忘れてしまっていること、それほど情報の消費スピードが速いことのほうにショックを覚えた。時事ネタにヒントを得た絵画の難しさを痛感させられる。
[2月15日(土) 村田真]
Index
2/1〜2/8
アートは心のためにある:UBSアートコレクションより
美術展〜自分を見つめて〜
川俣正[通路]
2/14〜2/15
MOTアニュアル2008「解きほぐすとき」
高浜利也 展「補遺/小出の家」
槙原泰介 展
サラ・ジー展
両洋の眼 展
2/16〜2/17
公募・京都芸術センター2008:大崎のぶゆき「Meltdown」/宮永愛子「漕法」
景色のはじまり
JOINT!!!!! 京都精華大学芸術学部デザイン学科映像分野3回生展
京都市立芸術大学 学内展
2/20〜2/22
山下千穂写真展「テリトリー」
山内裕美 展
東京五美術大学連合卒業・修了制作展
2/24
第11回岡本太郎現代芸術賞展
落直子 展
呉夏枝 個展「織目をすりぬけていくもの〜沈黙の時〜」(フィリンピンでの旅から)
大阪成蹊大学芸術学部卒業制作展
マスジョ展「スナノオンナ」
2/25〜2/26
第56回東京芸術大学卒業・修了作品展
エミリー・ウングワレー展
華やぐこころ 大正昭和のおでかけ着物展
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