村田真/酒井千穂 |
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2/1〜2/8 |
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山下千穂写真展「テリトリー」
2/18〜2/23 ギャラリーwks.[大阪] |
武家屋敷にあるような風格漂う大きな木製の門から鉄やアルミ製の門まで、さまざまな家の門を撮影した写真が並んでいた。作家は成安造形大学の学生。自らが住む地域にあるものばかりだそうだが、すべて家主の許可を得ているという。中の様子がわからない大きな屋敷だけ、ほんの少し門が開けられて撮影されているのが可笑しい。庭や玄関までの風景がうかがえる他の門と違って、そこに、中をのぞき見るような視線と、門を開けた状態で撮影するまでの時間の微妙な「間」を感じるせいだろうか。個人の家の門というプライバヴァシーの境界に向き合う作家の感情がそれぞれに垣間見えるような面白さがあり、もっと沢山見てみたいと興味をかき立てられる写真だった。
[2月20日(水) 酒井千穂] |
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山内裕美 展
2/18〜2/23 Oギャラリーeyes[大阪] |
山内は撮影した写真をもとに絵画に起こしていくのだという。木漏れ日の光景が描かれているが、図像を部分的に切り取り、その断片を抽出するようにドットとその色彩だけで構成した抽象的な画面は、見ている対象や、見るという行為そのものが常に不安定に揺らいでいることを意識させるものだった。移ろう自然の風景、記憶の不確かさ、日頃得ているさまざまな情報と眼との関係に思いをめぐらせる作品だ。
[2月20日(水) 酒井千穂] |
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東京五美術大学連合卒業・修了制作展
2/21〜3/2 国立新美術館[東京] |
31回目の今年、初めて上野を離れて六本木の国立新美術館で開催される。もともとこの五美大展、東京芸大が上野の東京都美術館で卒展を開いていたのに対抗し、武蔵美、多摩美、女子美、造形、日芸の在野五美大が連合で都美館に乗り込み、同時期にぶつけてきたもの。おかげで芸大+五美大をいっぺんに見られたのだが、五美大が六本木に移り、芸大はホームの上野に残ったため、ちょっと不便になった。ともあれ今年の五美大展、多摩美の344人を筆頭に、武蔵美258人、女子美227人、造形127人、日芸69人と、全部で1,025人の出品。これ、建築・デザイン・工芸などを除いたファインアート系の人数です。つまり、なんの役にも立たない若者が毎年千人も世に送り出されているわけだ。なのに写真家の安斎重男さんや、トーキョーワンダーサイトの今村有策館長、アートコーディネーターの児島やよいさんといった「役に立つ」人たちも見に来ているのがアートのおもしろいところ。そんな役立たずのなかでも目に止まったヤツを名前だけあげると、井上樹里、金子慧、佐藤令奈、内田陽輔、田中良太(以上多摩美)、杉田陽平、住田大輔(武蔵美)、鈴木綾子、栗原佐友里(女子美)、佐藤修康(造形)あたりですかね。今年も日芸はゼロ。
[2月22日(金) 村田真] |
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