村田真/酒井千穂 |
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5/3〜5/4 |
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SICF(Aグループ)
5/2,3 スパイラルホール[東京] |
若手クリエーターの登竜門として出発したSICF(スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバル)も9回目。今年は審査員をおおせつかっただけでなく、これをネタにしたアートライター講座にもかかわってる手前、しっかり見とかなくちゃいけないのだ。しかも総勢100組を前期と後期の2組に分けて展示しているので、結局毎日通うはめに。で、今日は前半のAグループ。出品作品はアートに限らず広くデザインや工芸も含まれているせいか、総じて学芸会的な軽いノリが多く、本格的なペインティングやインスタレーションはほとんどない。こりゃ後半のBグループに期待するしかないなと思ったが、いくつか引っかかる作品もないわけではなかった。そのひとつが、手づくりホウキと反戦メッセージの書を掲げた吉田慎司のブース。彼はホウキ職人なのだが、ホウキづくりと反戦メッセージがどうつながっているのか、本人にたずねてもよくわからず。でも彼のなかではそのふたつの要素がトポロジカルに、しかも分かちがたくつながっているらしいところがスゴイと思った(一説によれば、武器をホウキで掃き清める、あるいは、戦争をホウキする、というダジャレとも)。
[5月3日(金) 村田真] |
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PEACE LAND m.hasui panoramic photographs 2002-2007
5/2〜5/11 スパイラルガーデン[東京] |
約1:3の横長の画面の中央に水平線が走る写真。画面中央に水平線といえばどうしても杉本博司が思い出され、テクニックやコンセプトを比較されてしまうのでソンだと思う。
[5月3日(金) 村田真] |
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シャツとかっぽう着展
4/29〜5/4 ギャラリーコンシール渋谷[東京] |
前回のSICFで受賞し、今回のスパイラルにも展示されていたのむらみちこの個展。おとうさんが使っていた英和辞典を切り刻んでシャツに仕立て、おかあさんの愛用していた料理の本でかっぽう着を編み上げている。こんどは、おとうさんやおかあさんを切り刻んで本にしちゃうとか。
[5月3日(金) 村田真] |
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お寺deアートin東光寺
4/27〜5/6 日照山東光寺[滋賀] |
滋賀県守山市にある東光寺で、関西を中心に活動するアーティストたちが展示やパフォーマンス、日替わりのワークショップなど、会期中さまざまな催しを開催。近所の下新川神社の伝統的神事「すし切りまつり」にあわせ、4日は寺の境内で餅つきも行なわれた。会場にはいるとすぐに地元のおばあさんや子どもたちの団らんに案内され、作りたてのおはぎをいただいたが、その和やかな雰囲気はアートイベントの会場というよりも町内会の集まりといった印象で、遡ると1300年余りの歴史をもつというお寺と地元の人々の密接な関係がうかがえる。本殿の前で大島有香子の書のパフォーマンスが行なわれるころには、子どもが沢山集まってきた。人々との交流をテーマにするイベントは数あれど、老若男女さまざまな人に親しまれた場の力を感じる会場だった。
[5月4日(日) 酒井千穂] |
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アール・ブリュット/交差する魂
2/28〜5/11 ボーダレス・アートミュージアムNO-MA[滋賀] |
ローザンヌ市のアール・ブリュット・コレクションと日本国内の、アウトサイダーアート作品が並ぶ。電車の通る町の俯瞰図、精霊との交信を表わした絵画など、多くの作品に見られる画面を埋め尽くす勢いの色や線や文字は圧倒的で、鑑賞する側も一所懸命に。ユーモラスな作品も多くて楽しいが、全部の作品画面に夢中になって見終わる頃にはエネルギーを使い果たした気分。なんて自由でパワフルなのだろうと想像力とその衝動の力を思い知る思い。
[5月4日(日) 酒井千穂] |
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