村田真/酒井千穂 |
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5/23~5/26 |
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誌上のユートピア
4/26~6/8 うらわ美術館[埼玉] |
明治末から大正期にかけて続々と発刊された美術雑誌を紹介。でも雑誌を展示してもめくれないから表紙をながめるしかなく、おもしろくないので、それにかかわった画家たちの作品も展示している。結局そっちのほうばかり見てしまい、近代日本美術展とあまり変わらなかったりして。
[5月23日(金) 村田真] |
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マイ・アートフル・ライフ
4/26~5/25 川口市立アートギャラリー・アトリア[埼玉] |
川口駅から歩いて10分ほどの公園に建つギャラリー。だがいかにも仮設建築的で、人が入らなかったらほかの用途に転用しますよ的お手軽感が漂う。そんな場所とは不釣り合いな重量級の展覧会(ついでにいえばタイトルも軽すぎる)。塔本シスコ、丸木スマ、石山朔という人生なかばを過ぎてから絵を描き始めた人たちの作品を集めているのだ。女の場合、子育てが一段落した50歳前後から本格的に始めるというパターンがあるが、シスコもスマもその例で、気合いが入ってる。ところが、男の場合は定年後に趣味で始める程度が多いせいか、本気がたりない。その点、朔は極貧生活を憂いて壁に頭を打ちつけていたら、妻が「家が壊れる」といってクレヨンと画用紙を渡したのがきっかけというから本気度が違う。公立のギャラリーや美術館も彼らに負けないくらい本気で気合いを入れてほしい。
[5月23日(金) 村田真] |
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お釈迦様の掌 塩保朋子・人長果月・宮永愛子
5/7~24 ARTCOURT Gallery[大阪] |
最終日と気がついて慌てて足を運んだけれど、会期が延長されたことを会場で知った。塩保朋子、人長果月、宮永愛子という3名のアーティストが、「お釈迦様の掌」をテーマとする作品をそれぞれに個展形式で発表。ギャラリーの天井から滝のように吊るされた塩保の巨大な切り絵作品《water fall》、人長の『蜘蛛の糸』からインスパイアされたという人長のインタラクティブ映像インスタレーション《ウキヨ》、会場近くを流れる川の水を汲んで結晶化させた塩が付着する糸を張り巡らせた宮永の《域(さかい)》。どれも、それぞれのダイナミックな持ち味と繊細な表現の魅力が十分に発揮される空間となっていて見応えがあったが、なにより3名の作品世界の物語性に誘い込まれるように想像がめぐって、各展示空間の居心地がとてもよい。
[5月24日(土) 酒井千穂] |
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アメデオ・モディリアーニ展
4/5~6/1 名古屋市美術館[愛知] |
名古屋市美術館所蔵の《おさげ髪の少女》をはじめ、ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、ポンピドゥー・センターなど各所から集められたモディリアーニの油彩、水彩、素描50数点を展示。作品数は多いし、作風や制作への興味の変遷を時代ごとに比較しながら見ることができて興味深かったけれど、テーマごとに仕切られた会場は鑑賞しづらい空間構成で鑑賞者の流れが悪く、やたら渋滞していてもったいない気がした。
[5月25日(日) 酒井千穂] |
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李相粥展
5/26~31 ギャラリーQ[東京] |
ベタベタと色を塗った空気枕を数十個、天井から宙吊りに並べたインスタレーション。作品自体どうってことないが、韓国在住の作者は空気を抜いた状態の枕を手持ちで運び、こちらで膨らませたという。なるほど、これならかさばらず安上がり。現代美術シーンで映像とともにバルーン作品が増えた理由がわかった。
[5月26日(月) 村田真] |
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アンカー展
5/24~6/22 美術館「えき」KYOTO[京都] |
スイスでは国民的画家として多くの美術館に所蔵されているというアルベール・アンカーの回顧展。日本ではあまり知られていないとチラシに記載されていたが、私も初めて観た。生まれ育った故郷の人々や、日々の暮らしを題材にした細密な絵画の牧歌的な佇まいと色がとても美しいが、特にその代名詞になっているという少女像はうっとりするほど。少女が着ている服の柄や編み物の糸などの細やかな表現にも魅了された。デッサンの素晴らしさにも釘付けになったが、なによりモデルへの親しみと愛情がうかがえる柔らかい光の描写が素敵だった。
[5月26日(日) 酒井千穂] |
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