小吹隆文/福住廉 |
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6/17 |
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山本恵 展“TREATMENT ROOM”
6/17~29 LADSギャラリー[大阪] |
山本は、自作の白いフレームを持つアクリルケース内にレディメイドのオブジェを配したボックス型作品で知られてる。この手の作品は密やかで濃密というのが相場だが、彼女の作品はどこか外向きの開放感が感じられる。今回の会場には窓が複数あるが、外界と繋がる場を得たことで、かえって作品の本質があらわになったようだ。また、従来のボックス型ではない新作群も多数出品されていた。彼女の創作は新たな段階に入りつつあるようだ。
[6月17日(火) 小吹隆文] |
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はまぐちさくらこ展─story─
6/18~7/5 YOD Gallery[大阪] |
関西で人気急上昇中のはまぐちさくらこ。内的衝動を独自のタッチで発散した作品は、さながら天然生絞りのような魅力に満ち溢れている。彼女は文章(詩)や漫画でも強烈な才能を発揮するのだが、今回は各作品のすぐそばの壁面に手書きの文章を添えていた。絵と文により、その世界観が一層濃縮して感じられたのは言うまでもない。会期中、画廊外壁で定期的にライブペインティングが行なわれるのも興味深いチャレンジ。どのような過程を経て作品が仕上げられていくのか、この機会にしっかり見ておきたい。
[6月17日(火) 小吹隆文] |
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全員展!!!!!!!!
6/10~6/17 MAGIC ROOM?[東京] |
未来美術家の遠藤一郎が企画した「有名・無名・才能・国境・貧富・立場」をいっさい問わず、誰もが出品できる展覧会。それほど広くはないブラックキューブの会場に、100名あまりが出品した。作家たちはほとんどが遠藤一郎と同世代かやや若い世代で、つまりはかつての読売アンデパンダンをまったく知らない世代だ。彼らが、コマーシャルギャラリーのメッカともいえる清澄白川で、有象無象の表現を披露した意義は大きい。けれども、個々の作品はいずれも「絵画」や「彫刻」といったジャンルの規範に忠実で、後期の読売アンパンにおける「反芸術」のように、そうした制度的な枠組みを徹底的にはみ出し、最終的には破壊するほどのエネルギーは見当たらなかった。というよりむしろ、彼らはそもそもそうしたアートの形式を内側から食い破るような表現の欲動を最初から持ち合わせていないように見受けられた。その不在を批判することは明らかに筋違いだが、だからといって無欲でおとなしい表現がこちらの心を揺さぶるかといえば、そうとも限らない。遠藤一郎が力説するように、これからの未来に向けて若者たちがみずからの表現を振り返り、そして再び羽ばたいていくためのステップボードとして、本展は有意義である。次回の開催を待ち望む。
[6月17日(火) 福住廉] |
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