村田真/酒井千穂 |
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6/21〜6/25 |
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稲垣元則 展「distance」
5/31〜6/28 ノマル・プロジェクトスペース キューブ&ロフト[大阪] |
来春のリニューアルオープンまで一時休廊するノマル・プロジェクトスペース最後の展覧会。風景や身体、植物など、脈絡のつかめない場面で構成されたモノクロ映像、ドローイング、写真など、稲垣は作品から特定の感情や物語を排除する作品を発表している。実際に目にしたものが過去の記憶のイメージと結びつき、どこかで見たことがあるようなものとして浮かび上がるとき、そのときの感情体験など、目に見えないものや言葉にすることが難しい感覚、記憶などを再構築したヴィジュアルイメージはまるでパズルの一片のようだ。きわめて曖昧なそれらの表現は、見た後も気持ちを引き摺って頭の中を漂う。
[6月21日(土) 酒井千穂] |
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エミリー・ウングワレー展
5/28〜7/28 国立新美術館[東京] |
80歳近くになって絵筆をにぎり、亡くなるまでの8年間に3,000点もの作品を残したアボリジニの女性画家。もうそれだけで西洋美術史から除外されるというか、アウトサイダー・アートにがっちり組み込まれるというか。しかしエミリーのおもしろいところは、そんな枠づけをぶち壊すほどモダニズム絵画に接近していることだ。実際、彼女の絵は草間彌生やブライス・マーデンによく似ている。でも似ているのは見た目であって、絵画に対する考えや制作手法などはまったく異なっていたはず。だいたい8年間に3,000点ということは、平均すれば1日1点。近代の芸術家のように次はどのように展開していこうなどと悩むことなく、あらかじめ描くことは決まっていたのだ(アクリル絵具を使っていることも速描きの一因だ)。作品を見て気づいたことのひとつは、最初のころは木枠の側面に釘を打ったキャンヴァスを使っていたのに、途中から布を裏側に折り返して止めたキャンヴァスを使うようになったこと。これだと側面に釘跡が見えないので、厚みそのものも作品に組み込むことができる。これはフォーマリズム絵画の常套手段だ。もうひとつは、大作の場合、木枠に張ったキャンヴァスに描くのではなく、布にアタリをつけて描き、そのあとカットして木枠に張っていることだ。これはポロックやルイスら抽象表現主義が採用した方法で、描いたあとでフレーミングを調整できる。これらの手法はエミリー自身が考えたというより、おそらく周囲のだれか(ギャラリストか研究者か)の助言に従ったものだろう。だからといってもちろん彼女の作品の価値が下がるわけではないが。
[6月25日(水) 村田真] |
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「GIRLISH BLENDS」展
6/17〜6/29 ギャラリー gallery ni modo[東京] |
今年美大や芸大を出た女の子たち6人のグループ展。性別が女の子というだけでなく、作品がいかにも女の子していて、おいちゃんは居心地が悪いよ。唯一知ってる奥村昂子はこれまであまり女の子を意識させなかったが、ここでの作品は女の子だ。さすがにみんな美大芸大出身だけあって、作品はそこそこ売れそうな。
[6月25日(水) 村田真] |
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横浜トリエンナーレ2008 第3回記者発表会
6/25〜 赤レンガ倉庫1号館3階ホール[神奈川] |
参加アーティスト全員の発表。国際展の常連では、マリーナ・アブラモヴィッチ、マシュー・バーニー、フィッシュリ&ヴァイス、ダグラス・ゴードン、ジョーン・ジョナス、マイク・ケリー、ミケランジェロ・ピストレット、リクリット・ティラヴァニャ……。ほかにパフォーマンス系では、灰野敬二、小杉武久、中谷芙二子、ヘルマン・ニッチ、オノ・ヨーコ、田中泯、勅使川原三郎と、60〜70年代にタイムスリップしたかのような錯覚をおぼえないでもない。もちろん、ツァオ・フェイ、笹本晃、ティノ・セーガル、トリス・ヴォナ=ミッシェル(最年少26歳)ら若手も入っている。その後メイン会場となる工事中の新港ピアを見学。空っぽの巨大なハコでした。
[6月25日(水) 村田真] |
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小寺絵里〜メガロごっこ〜
6/17〜6/29 gallery 揺[京都] |
銀閣寺近くの閑静な住宅街にあるギャラリーでの小寺絵里の新作展。掘り炬燵のあるリビングルームと障子窓のある部屋、紫陽花が咲きそろう庭など、会場の展示空間はもともと住居空間だったそう。小寺の作品はこれまでホワイトキューブの空間でしか見たことがなかったが、蟹の甲羅を大地に見立てて着色し、ウマやシカなど建築模型用の小さな動物を配置したジオラマ作品や、壁に展示された風景画、ふとんを雪山の風景に見立てたインスタレーションなど、実際の風景とのスケール感の違いを見せる作品は、この特徴的な空間で本領を発揮していてじつに楽しい。空間と作品がみごとによい関係を結んでいた展覧会。
[6月25日(水) 酒井千穂] |
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