小吹隆文/福住廉 |
 |
7/10 |
 |
流麻二果 展 繋/On a String
7/5~27 PANTALOON[大阪] |
流の作品は街で見かけた人の姿を起点にした抽象絵画だ。作品にはモデルの存在が薄っすら分かるものもあれば、より抽象度が高いものもある。一貫しているのは「気配」を感じること。その気配を通して、作家と観客、そして描かれた人々が見えない線で繋がっていくのだ。本展では布や糸とドローイングを用いたインスタレーションも同時に展開。タブローとインスタレーションを一緒に展示したのは初めてらしいが、自然な感じで彼女の世界観を表現できていた。
[7月10日(金) 小吹隆文] |
 |
浅田政志 写真展 浅田家
7/9~7/22 銀座ニコンサロン[東京] |
浅田家の家族写真シリーズ。父と母、そして兄と浅田が、消防士や戦隊ヒーロー、ヤクザ一家などに扮したシーンを写した写真を発表した。同時に家族行事の写真も展示されていたが、全体をとおして見てみると、いったいどこまでが演出でどこまでが素なのか、そのラインが不透明になっていく。だが、ふと振り返って見れば、浅田家ほど極端ではないにせよ、どこの家庭でもほとんど事情は変わらないことに気づかされるのである。
[7月10日(木) 福住廉] |
 |
下西進 ─I am, I am─
7/1~7/29 INAXギャラリー2[東京] |
日本全国どこの都市でも必ず夕方に放映されているローカル情報番組。下西進は、その街頭中継にねらいを定めてレポーターの背後に写りこみ、手にしたカメラで逆に撮影してしまう。会場にはじっさいにテレビで放送されたシーンと下西が撮影したシーンが同時に見せられていたが、すべて全身真っ黒の服装で通しているせいか、下西のアクションはまるでテロリストのように見える。じっさい、下西が撮影した映像を見ると、撮影スタッフの慌てふためく姿や下西に向けられた殺気のある眼が映されており、彼らにとって下西のふるまいは文字通りテロルそのものであることがわかる。下西が示しているのは、本来的にアーティストとテロリストが表裏一体であること、だからこそアートの力が社会的に求められもすれば、逆に排除されもするという厳然たる事実である。
[7月10日(木) 福住廉] |
|
 |
Index |
 |
|