小吹隆文/福住廉 |
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7/11〜7/13 |
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Chim↑Pom 日本のアートは10年おくれている。
7/7〜7/27 NADiff Gallery[東京] |
ナディッフのリニューアルオープンを飾るChim↑Pomの新作展。半地下の空間をすべて水浸しにして、壁面には落書き、ションベン小僧がおしっこをしたたらせ、モニターにはChim↑Pomのメンバーがこの場に放尿する映像が写されている。つまりナディッフの地下はChim↑Pomのおしっこでビシャビシャになってしまったというわけだ。ナディッフはもちろん、上層階に入居する新装ギャラリーの白々しい華やかさに、文字通り冷や水を浴びせるような彼らの作品は、じつに痛快だ。だが、おそらくChim↑Pomにとって、展示する場の特性を意識したこのような作品は、余技である。彼らの醍醐味は、アートの文脈や業界的な力関係などまったく無視したうえで繰り出される表現にあるからだ。だから、ほんとうに見なければならないのは、「こっくりさん」の名を借りてメンバーが嬉々として水野くんの背中にタトゥーを彫りこむ映像作品である。このテンション(まちがっても「狂気」などではない)を感じ取れ。
[7月11日(金) 福住廉] |
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北尾家の展覧会 森の部品──堺町の森
7/11〜16 北尾家[京都] |
京都の四条通に程近い街中に位置する築100年の京町家で育った北尾が、実家の解体を前に邸内で個展を開催。植物や星座をモチーフにした彫刻作品約60点を、家宝の屏風や掛軸などとともに展示した。家族と家屋への思いに満ちた展覧会はそれだけでも十分感慨深いのに、時期を祇園祭の宵山に合わせたことで万感胸に迫るものとなった。近所の人たちが集い、あちこちではんなりした京言葉が交わされていたのも風情があった。
[7月12日(土) 小吹隆文] |
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3つの柱 コレクションの底力
6/21〜8/31 芦屋市立美術博物館[兵庫] |
3つの柱とは、同館コレクションの中核ををなす「小出楢重と信濃橋洋画研究所の作家たち」「吉原治良と具体美術協会」「中山岩太、ハナヤ勘兵衛と芦屋カメラクラブ」の作品群を指す。今回は約120点が出品されたが、特に具体の展示が充実していた。同館の閉館騒ぎが起こった時に、「活動が具体美術協会に偏重しすぎ」と問題視する人がいたそうだが、これだけのコレクションを前に何故そんな声が上がったのか理解に苦しむ。芦屋市の貴重な財産として今後も有効に活用してもらいたい。
[7月13日(日) 小吹隆文] |
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山村幸則 展 ─邂逅─
7/7・12・13・19〜21 板宿本通商店街振興組合ビル[兵庫] |
昨年7月に兵庫県立美術館で行なわれた「美術の中のかたち─手で見る造形」展の出品作を制作した場所で、そのドキュメント展を改めて開催。山村いわく「このプロジェクトを全うするために、どうしてもやっておきたかった」。展示された画像や資料を見ると、作品のために多くの人が協力している様子がよく分かる。制作現場でこうした企画が行なわれるのは意義深いことだ。同時に、本展は兵庫県立美術館でも行なわれるべきだと思った。
[7月13日(日) 小吹隆文] |
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大竹茂夫 個展
7/12〜23 ギャラリー島田[兵庫] |
大竹の絵画は、どこかボッシュを思わせる幻想的作風が持ち味。今回の展示では、完成作だけでなくラフスケッチや下絵を大量に出品したのが見どころだった。作品からある程度予想はしていたが、やはり綿密に推敲を重ねて描かれたいたのだ。また、作品と共に冬虫夏草のコレクションをが大量に並んでいたのも大竹らしい趣味だと感じた。
[7月13日(日) 小吹隆文] |
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