小吹隆文/福住廉 |
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10/22〜11/23 |
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浅田政志 写真展 浅田家
10/28〜11/9 ギルドギャラリー[大阪] |
浅田といえば、家族総出のコスプレ記念写真。だが、今回の作品にコスプレはない。撮影の合間に撮ったオフショットで構成されているのだ。ただの家族写真と言われたらそれまでだが、作品から漂うくリラックスした空気感がとても良い。聞くところによると、浅田は他家の家族写真を撮る新シリーズを既に始めているらしい。今までのコスプレ家族写真も、最近結婚した兄の嫁を加えた5人で撮り続けるとのこと。変わり目にある作家を見られたのが収穫だった。
[10月30日(木) 小吹隆文] |
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ネオ・トロピカリア|ブラジルの創造力
10/22〜1/12 東京都現代美術館[東京] |
ブラジルのアーティストを集めた企画展。国立近代美術館がかつて企画した「ボディ・ノスタルジア」のような硬派ではなく、こちらは「デートコースにぜひどうぞ」といわんばかりの軟派路線。それはそれで公立美術館のありうる態度にはちがいないが、それにしてもここまで芸が粗いとデートの可能性に水が差されるのではないかと気にならないでもない。というのも、作品こそちがっているものの、展示の構成が以前の展覧会とあまり変わり映えしないからだ。紗幕で天井を覆いつくす展示手法は「マルレーネ・デュマス」展と同じだし、全体的に空間の使い方も「SPACE FOR YOUR FUTURE」展と似通っている。企画者の趣味があまりにも強く打ち出されているのは構わないが、それが何度も反復されると、さすがに飽き飽きしてくる。企画者はアーティストではないのだから黒子に徹すべきなのは当然としても、もっと別の人に企画を任せたほうが新鮮に見えたのではないかしらと思わずにはいられない。
[10月31日(金) 福住廉] |
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片桐功敦 展
11/1〜30 PANTALOON[大阪] |
片桐は華道家だが、本展に生花は登場しない。古代の葬祭場を思わせるインスタレーションや、真っ二つにカットした石の中に動物の骨を入れた作品、そして枯葉の中に埋もれた気分で寝転んで鑑賞するインスタレーションが出品された。いずれも、一本の花を生ける背景に広がる広大な世界観や、片桐なりの死生観を表明しているようだ。特に枯葉の作品は秀逸。あまりの居心地のよさに、危うく寝入ってしまう所だった。
[11月1日(土) 小吹隆文] |
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伊庭靖子 個展 SENSE OF TOUCH
11/1〜30 enarts[京都] |
昨年は滋賀県立近代美術館の「ダイアローグ」展に参加したものの、個展となると地元関西では約3年ぶりの伊庭靖子。なかなか作品を見られずジリジリしていた身としては待望の機会だった。今回は、ファブリックを描いた油彩画と、陶器の表面をクローズアップして描いた油彩画、パステル画を出品。作品を見ていると、日干しした布団に顔を埋めた時の至福の感覚や、陶器の透明でしっとりした肌触りがリアルによみがえってくる。絵画なのに、むしろ触覚や記憶など視覚以外の感覚に強く作用するのが彼女の作品の特徴だ。
[11月2日(日) 小吹隆文] |
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