小吹隆文/福住廉 |
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10/22〜11/23 |
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Art of our time
9/27〜11/9 上野の森美術館[東京] |
世界文化賞の20周年を記念して、これまでの受賞者41名による作品を集めた展覧会。草間彌生や李禹煥、リヒターにカバコフ、ボルタンスキーからキーファー、バルテュスなどなど、教科書で名前を見たような作家の作品が勢ぞろいしているが、これだけの有名アーティストの作品といえども、会場のせいなのかどうなのか、グループ展として見せられると、どうにも貧乏臭い印象は否めない。これらが「私たちの時代の芸術」というのも哀しくなるが、世界的な芸術品として後世に残されたとき、はたしてほんとうに芸術的価値が通用するかどうかも、疑問だ。
[11月9日(日) 福住廉] |
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杉山卓朗展 Hyper-Geometrism
11/11〜29 YOD Gallery[大阪] |
杉山の作品は、立体図形が複雑に絡み合いつつ増殖するジオメトリックな絵画だ。この手の作品をCGで作る人はほかにもいそうだが、彼はあくまで手仕事にこだわっている。描くことにフェティッシュな快感でもあるのだろうか。生き物のように生成・増殖する図形を見ているうち、そんな推理が脳裏をよぎった。単体図形のシンプルな透視図から、初めて挑戦したアルファベット全26文字の連作まで、壁面ごとにバリエーションを強調した展示も効果的だった。
[11月14日(金) 小吹隆文] |
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純粋なる形象 ディーター・ラムスの時代─機能主義デザイン再考
11/15〜1/25 サントリーミュージアム[天保山][大阪] |
ひげ剃り機などで有名なドイツのブラウン社で、1961年以来約40年にわたりチーフ・デザイナーを務めてきたディーター・ラムスの業績を紹介。単に代表作を並べるのではなく、彼の仕事と20世紀デザインの名作群を対比させたり、自身がデザインしたモジュール型の家具を展示台として利用するなど、凝った構成で楽しませてくれた。ラムスのデザインは、バウハウス直系ともいうべき機能美と簡潔さが持ち味。まさにわれわれが連想するドイツ的デザインのエッセンスが集約されている。デジタル化とマーケティング技術の発達により、デザイン過剰の傾向が強まる現代、デザインの本質を問い続けた彼の仕事はますます輝きを増すのではないだろうか。展覧会はもちろん、800ページを超す図録の出来栄えも素晴らしい。学芸員の熱意が伝わる好企画だった。
[11月15日(土) 小吹隆文] |
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季刊タカシ 2008 晩秋
11/14〜11/15 GALLERY MAKI[東京] |
映像作家の崟利子による新作展。なんの変哲もない日常の風景が続くが、よくよく見ていくとあまりふだん気にも留めない動きに目が行くから不思議だ。空中を横切る飛行機や、郵便配達のおじさんの身体の動き、夕暮れの光とぬるい空気感。それらに眼をやりつつも、意識はいつのまにか昔の記憶をたどっていき、別の光景を脳内で見ているような気がして、はっとした。
[11月15日(土) 福住廉] |
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