村田真/原久子 |
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12/2-12/9 |
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ANZAI meets the window
12/2〜25 DESPERADO[東京] |
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今朝にこさんを幼稚園に見送ったあと、横浜に行って母の遺産相続について話し合い、午後は小学館で近刊書籍のゲラを校正し、編集者と神保町でフグ刺しをつまんで、夜9時に渋谷のお店で開かれていた安斎重男さんの写真展オープニングに駆けつけました。おしまい。ではなくて、安斎さんの写真展は、このお店のウィンドーで本間純ら若いアーティストらが展示してきた作品を3年間にわたって撮りためたもの。作品の記録であると同時にウィンドーの定点観測でもある。
[12月2日(火) 村田真] |
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中平卓馬展
10/4〜12/14 横浜美術館 |
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展覧会を観に行ったとき、ちょうど中平自身が来館していた。すでに雑誌などの情報で、作家の歩みを知っていたという部分をさしひいても、やっぱり会場に足を運んでよかったと思った。1枚1枚が語る力をもっている写真。そして、会場のベンチに座る老いた写真家の横顔を遠くから見ながら、どうしてこの人の目は未だに濁らないのだろうかと思った。
[12月3日(水) 原久子] |
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ディディエ・クールボ
11/14〜12/13 SCAI[東京] |
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会場をひとしきり見終えてから、画廊の人に「小鳥はいないんですか?」と尋ねると、同じ質問をする人が多いのだと言われた。小鳥はいない。だが、さっきまでそこで餌をついばんでいたかのように、床に餌の粒が散乱している。ベンチ、ベンチのうえの本、写真、ドローイング……ひとけのない公園の物語、とでも言うのだろうか。ドローイングのなかでは小鳥が餌をつついている。小鳥はどこにいったのか、そこからの物語はベンチに座ってゆっくり妄想にふけるのもよし。
[12月4日(木) 原久子] |
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有馬かおる展
11/29〜4/18 ワタリウム美術館[東京] |
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繊細な線で描かれたドローイングは、どこか安心感に欠けるというか、ドキドキさせる。男の子みたいな、女の子みたいな、しなやかな身体の登場人物。いつもギリギリのところに、観ている私たちもいっしょに立たせてしまう有馬君の作品。複数をいっしょに壁に留めたわら半紙に描いた作品、新聞紙に描いた作品。おまけに日記にもちかい赤裸々に日常がみてとれるクロッキー帳までもが壁にぶらさがっていた。こんなにさらけ出していても、それが押し付けがましくないのは何故なんだろう。
[12月4日(木) 原久子] |
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まどわしの空間──遠近法をめぐる現代の15相
11/18〜2/22 うらわ美術館[埼玉] |
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会場に足を踏み入れたとたん、目がくらんでしまう。天井から吊り下げた細いワイヤーに鉛の粒を規則正しくつなげた川村直子のインスタレーションだ。遠近法をテーマに、こうしたトリッキーともいえる作品を最初にもってくるのはかなりセンセーショナル(煽情的)だが、この作品の場合まさにセンセーショナル(知覚的)で成功している。あとは高松次郎の遠近法シリーズとか、福田繁雄の鏡像彫刻とか、デイヴィッド・ホックニーの写真コラージュとか、まあ無難な展示。どっちかといえば、鉄塔を真下から撮った写真を部屋いっぱいに並べた屋代敏博や、陳列ケース内にドローイングした鯨津朝子らインスタレーション系の作品のほうにインパクトがある。最後の部屋は、1960年代に観光芸術研究所を設立した中村宏とタイガー立石の絵画で、遠近法のテーマとは別に再考すべきもの。
[12月6日(土) 村田真] |
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「フィンランド現代美術展──GOKANN 五感・五官・互換・語感・語幹」
11/21〜12/14 京都芸術センター/京都精華大学ギャラリーフロール/ヴォイスギャラリー[京都] |
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2003年、フィンランドの芸術文化を伝えるfeel finlandに関係する数多くのイベントがあった。京都市内の3箇所における展覧会を順に回っていって、フィンランドのアートの現状を少し垣間見たような気がした。26人の参加作家たちは絵画、写真、彫刻、映像などさまざまな表現手段を用いて制作している。色使いが日本で生まれ育った人のものとは違うように思えた。暖色による色の組み合わせ方などに特徴がある。イメージとして定着すると均質になるはずの写真や映像の質感が、いずれの作品にも共通するひとつの空気感のようなものを持っていることに気づき、そのことがもっとも印象に残った。
[12月6日(土) 原久子] |
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林ケイタ個展
12/2〜7 立体ギャラリー射手座[京都] |
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プロジェクターから壁までの間に、透ける繊維のスクリーンがある。それぞれのスクリーンに映し出される像は、微妙に異なる。投射される光りのなかの像は、データとしての複製可能なイメージではなく、放たれたとたんに別な生命体となったように自由に一瞬一瞬のきらめきをもって動いていた。
[12月6日(土) 原久子] |
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アーカスプロジェクト2003 オープンスタジオ
12/6, 7 アーカススタジオ[茨木] |
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毎年恒例のバスツアーで、隣に座った美術ジャーナリスト名古屋覚の与太話を聞きながら茨城県守谷市に到着。今年の滞在アーティストは、アメリカ、ベトナム、スペイン、インドネシア、日本からの5人。映像系が多いのが玉に傷(痛そう)だが、おもしろかったのは、仕事中の人々の静止像を撮り続けたアリシア・フラミス(スペイン)と、自作自演(他演もある)の小泉明郎のビデオ作品だった。今年からディレクターを務める帆足亜紀さんの仕切りもいい。
[12月7日(日) 村田真] |
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藤田匠平個展
12/2〜14 アートスペース虹[京都] |
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陶土からつくられた形に釉薬がかけられ焼成された造形。とてもプリミティブなのだが、素朴さではなく、崇高さを感じる。手のひらに載るサイズの作品は、「手に取って御覧下さい」と促されたので両手のなかに入れてみた。いずれも人工的につくった色や物質というよりは、土から生まれ出たといってもいいような作品だった。なぜか画廊の扉を出るときには背筋が伸びていた。
[12月9日(火) 原久子] |
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