村田真/原久子 |
|
1/24-1/25 |
|
|
|
|
和製油画
12/12〜2/1 大原美術館児島虎次郎記念館[岡山] |
|
|
|
|
倉敷まで足を伸ばす。同展は「大原美術館・金刀比羅宮第1回文化交流展」のひとつで、瀬戸内海をはさんで大原美術館と香川県の金刀比羅宮のコレクションを交換展示したもの(金刀比羅宮では「アメリカ現代美術展」を開催)。こちらは27点の高橋由一に加え、大原所蔵の近代洋画もあわせて展示しているが、圧巻はやはり由一。大きな一室に高さをそろえて作品を並べているので、由一の特徴がよくつかめる。由一には極端に横長・縦長の絵が多いけど、ここに並んだ作品は、横は40-160センチと極端に幅があるのに、縦はおおむね40-60センチ程度とほぼ一定している。これは壁面の少ない日本家屋に絵を飾るため、鴨居と天井のあいだの横長の壁にあわせた苦肉の策なのだ。もちろんサイズだけでなく、モチーフもスタイルもまさに「和製油画」。ますます由一がいとおしく思えてきた。会場でカタログとともに、「高橋由一からフジタまで」の副題がついた菊畑茂久馬の『絵かきが語る近代美術』を買って、帰りの新幹線のなかでパラパラ読む。2年ほど前に福岡県立美術館で行なわれた連続講演の記録をまとめたものだが、これが内容といい語り口といいめっぽうおもしろい。出版元は、東京じゃなかなか手に入らない福岡の弦書房。
[1月24日(土) 村田真] |
|
|
|
|
シーニック・アイ 美術と劇場
1/17〜3/21 徳島県立近代美術館[徳島] |
|
|
|
|
ベルリンを拠点に活動する19人のアーティストたちの作品が集められた展覧会。今回は劇場、舞台といった空間がテーマになっている。それぞれの作品を劇場、舞台といった切り口でとらえたキュレーションが興味深い。この展覧会では作品の展示のみならず、テーマにそった講演会やワークショップの内容もユニークだ。美術と劇場という、二つの関係のなかに生じるさまざまな出来事を想像することは、ドイツと日本の文化環境の違いから容易ではないが、考えることに参加してみたいという好奇心をそそられる。
[1月24日(土) 原久子] |
|
|
|
|
金政宏治展
1/15〜25 ギャラリーココ[京都] |
|
|
|
|
前回画廊を訪れた際は、時間も遅くさらに、手直しを金政が行なっている最中で、さびしく帰路についたのだが、最終日にやっと全貌を観た。私の知っている金政の作品は繊細な版画作品で、かなり個人的にお気に入りで、作品をなんとか入手できないものかと思っていたから、久しぶりの個展に心踊らせて出かけたのだ。しかし、なんと今回は版画ではなかった。コンセプチュアルなインスタレーションは、空間や影の用い方などについて、本人の説明を受けるまで気付くことができなかった。すぐに作家の言葉に納得するのがよくも悪くも私の癖のようなものだが、今回も「なるほど〜」と頷く。版画ではなかったが、インスタレーション作品も気に入りました。今度は京都市立芸術大学(大学院)の制作展にて作品に遭遇できそうだが、次の発表にも期待したい。
[1月25日(日) 原久子] |
|
|
|
|
デカダンから光明へ 異端画家・秦テルヲの軌跡展
12/9〜1/25 京都国立近代美術館[京都] |
|
|
|
|
秦テルヲという画家の存在をこの展覧会がはじまるまでまったく知らなかった。展覧会場の順路にしたがって移動すると、交流のあった作家たちの作品が多く並んでいて、少し散漫なムードが漂うが、後半はしっかりとテルヲの世界をみせてくれる。女性をモティーフにした絵、仏画等いずれも構図、色彩、かたちの捉え方など、強い個性をもっている。竹久夢二らと交流をもち、複数人でひとつの作品を描くといった遊び心のある制作なども行なっている。もっと早く出あいたかった作家だ。でも、ここで出あえてよかった。
[1月25日(日) 原久子] |
|
|
|
|
CRIA展
1/10〜25 京都芸術センター[京都] |
|
|
|
|
染織や漆工など工芸的な手法を用いた作品がならぶ。この展覧会はジャンルを超えた芸術の交流や、次代を担う作家の育成、京都からの芸術情報の発信といったことを目的に開催されているということだ。境界なく活動する作家が多い現在において、せっかく展覧会を催すのであれば、もっとテーマ性をもったセレクションを行なうか、企画者をひとりたてた展覧会づくりを目指したほうがいいように思えた。
[1月25日(日) 原久子] |
|
|
|
|
近代京都の生活デザイナー 建築家武田五一展
1/10〜27 京都芸術センター(2F講堂)[京都] |
|
|
|
|
大阪の御堂筋にある大阪ガス本社ビルの設計者として、武田五一は私のなかでかなり前からアイドルだった。京都市庁舎や学校建築、個人住宅etc.と、「京都」というくくりになっても、「これもそうだったのか」とゾロゾロと写真パネルほかで作品が紹介されている。イスやランプなどの家具調度品も建物に合わせてつくっている。いまの時代に生きていたなら、どんなものを武田はつくっただろうか、などと、ますます興味がわいてきた。
[1月25日(日) 原久子] |
|
|
|