村田真/原久子 |
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10/18-10/20 |
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緑の森の一角獣座・風の塔1995-2004記録
10/8~23 ギャラリー福果[東京] |
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旧知のデザイナー中村慎太郎さんが神保町「さぼうる」の2階に開いたギャラリー。彼が「一角獣座を緑の森に残す会」の会員だったとは知らなかった。これは、日の出町のゴミ処分場につくられた若林奮の《緑の森の一角獣座》と中里繪魯洲の《風の塔》を残すことで、ゴミ処分場の建設に反対した有志の会。その活動の写真やビデオによるドキュメント展。結局、この活動は裁判でも敗訴となり、若林さんも亡くなってしまったが、アートをこのような「政治闘争」に「利用」した点、日本ではあまり例がなく、貴重な記録といえる。
[10月18日(月) 村田真] |
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芸術家の家アートセンター
10/1~24 ギャラリーアートリエ[福岡] |
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ミュージアム・シティ・天神の発展形というか、なれのはてというか、2年前に始めた天神芸術学校に呼ばれて福岡へ。教室はアジア美術館の入っているリバレインの地下にあり、その教室で浜竹睦子の個展が開かれていた。なのになぜタイトルが「芸術家の家アートセンター」なのか理解に苦しむが、どうやら会場全体がアートセンター構想の提案になっていて、そのギャラリーの一例として浜竹の個展が開かれているらしい。浜竹の作品はマンガチックな人物画。
[10月19日(火) 村田真] |
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新収蔵品展
9/16~11/30 福岡アジア美術館[福岡] |
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昼の講座が終わって夜の部が始まるまで時間があいたので、階上のアジア美術館へ。ひとくちにアジアといっても、国によって宗教も政治体制も気候風土も異なるから、「アジア美術」なんて存在しないことがあらためて痛感される。それはともかく、あとで聞いた話だが、このアジア美術館はどうやらアジアのアーティストにとってあこがれの場所であり、同館に作品を購入されることが金と地位を確保する近道だそうだ。そのため各国の代表的な近現代美術作品がここに集中するらしい。喜ばしい反面、なにか植民地主義的な居心地の悪さもあり、割り切れない気分。
[10月19日(火) 村田真] |
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美しい、ひと 山川順子展
10/12~24 アートスペース・テトラ[福岡] |
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ついでに雨のなか、近くのアートスペース・テトラに行く。ここはさまざまなアーティストや関係者が民家を借りて自主運営するスペース。寝ているヌード女性を描く山川さんの作品は、毒気を抜いたエゴン・シーレのようだ。
[10月19日(火) 村田真] |
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乃美希久子展 空き家
9/12~10/21 福岡県立美術館[福岡] |
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テトラの2階で酒を飲んでいた女の子に運転させて県立美術館へ。入口はすでに閉まっていたけど、閉館にはまだ時間があったので裏口から入れてもらう。以上のセンテンスを読むと、なんて横暴な美術ジャーナリストだと思われるかもしれませんが、これはすべて私ではなく、天神芸術学校のディレクター山野真悟が主導したことでございます。乃美さんの作品はロビーに小屋を建て、屋根をぬいぐるみでおおい、床に空気マットを置いてゴザを敷いたインスタレーション。その上を歩くとフワフワして危ない。帰りも女の子に運転してもらったが、その子が乃美さん本人だとあとでわかった。
[10月19日(火) 村田真] |
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ミュージアム・シティ・天神2004「芸術家の家を作る」
10/14~27 A氏宅[福岡] |
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夜の講座も終わって、福岡市内から西へ車で約40分の二丈町にあるA氏宅へ。改築前のこの家を1軒まるごと使って作品化しちゃおうというのが今年のプロジェクト。参加アーティストは建築家の今村創平、元コンプレッソ・プラスティコの平野治朗、近所の藤浩志、インドネシアのヘリ・ドノら。ヘリ・ドノを除いてみんな作業中でした。ほんとはここに泊まる予定だったけど、台風が接近中で帰れなくなるかもしれないので、空港に近い山野氏宅へ。
[10月19日(火) 村田真] |
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The Owl Project「交信/更新するカメレオン」
10/7~19 FUKUGAN + PLUS[大阪] |
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木村真由美、津田たかこ、フクダメグという若い個性的な3人を選び酒井千穂が展覧会を企画した。4者がネット上での交信を行ない、そして交信したデータはつねに更新されてゆく。カメレオンが周りの色に染まる特性を現代人の心のうつろいや、行為とも結びつけ、まったく異なるタイプの作家3人をあえてぶつけてみたようなグループ展だった。
[10月19日(火) 原久子] |
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大阪アート・カレイドスコープ OSAKA05 プレイベント
10/19 さいかくホール[大阪] |
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来春(2005年3月5日~24日)大阪で開かれるアートイベント「大阪アート・カレイドスコープ OSAKA05──交通するアート・万華鏡的複眼思考のススメ」のちょっとした告知と、前回の事業についての報告と検証。なにを隠そう私もこのイベントの企画者のひとりなので、あまり宣伝めいたことを書くのもなんですが……。ダグラス・ゴードンから20代の新進アーティストまで出品することになる来年の展覧会は、テーマ通り「複眼的」に世界をみています。この日ステージ上で話した面子も20代から60代まで、いろんなレイヤーをつくっています。3月は春とはいえ寒いですが、展覧会の現場は熱くなると思いますので、乞うご期待。
[10月19日(火) 原久子] |
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福岡空港児童画展2004
9/25~10/24 福岡空港ターミナルビル2階ロビー |
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台風接近のため朝から飛行機が欠航し、夕方の便の空席待ちのあいだに見る。小学生の描く飛行機はなぜかみんなスペースシャトルみたいな寸づまりのデブになる。描いてる自分の体型に似るのか。ひとりだけ飛行機を描かず、空港で働く作業車を描いてるやつがいた。ほめてやりたい。結局5時間待って夕方の便の席は確保できたものの、こんどは羽田に台風接近のため飛べず、福岡にもう1泊するはめに。今晩と明日の授業が2本つぶれるわ、かーちゃんにしかられるわ、はって帰れちゅーんかい!?
[10月20日(水) 村田真] |
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フィレンツェ──芸術都市の誕生
10/23~12/19 東京都美術館[東京] |
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今年はイタリア年、でもなければ、ルネサンス誕生600年というわけでもない。しいてあげれば、来年が京都とフィレンツェの姉妹都市提携40周年、というのが京都を巡回する同展の意味づけなのだ。別にルネサンスを代表するフィレンツェの秘宝が来ているわけではないけれど、有名なダンテの肖像画や、ジョットのフレスコの断片、レオナルドの《アンギアーリの戦い》の模写、ミケランジェロの最初期の彫刻とされる《磔刑のキリスト》、チェッリーニの《ペルセウス》のひな型、ラピスラズリの塊から彫り出された水差し、ヴァザーリによるメディチ家のふたりのコジモの肖像など、そそられる出品物が少なくない。そのうえ「絵画」「彫刻」「金工」といったテーマごとに、そのテーマに沿ったピサーノの工房による六角形の大理石の浮彫りが掲げられ、なかなか楽しい展示になっている。フィレンツェという大河ドラマの本編というより、よくできた予告編といったところだ。
[10月22日(金) 村田真] |
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