村田真/原久子 |
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6/14-6/18 |
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植物画──世界の至宝展
6/11~7/18 東京藝術大学大学美術館
[東京] |
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イギリス王立園芸協会創立200年の記念展。16世紀の植物誌から現代のボタニカルアートまで約500年間の植物画の流れがたどれる。いちばん観察が綿密で技巧的にも優れているのは博物学全盛時代の18~19世紀。それ以前は想像で描いてるところがあるし、それ以後は写真を見ながら、あるいは写生するにしても写真のように描いてしまうのだ。
[6月14日(火) 村田真] |
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柴田是真──明治宮殿の天井画と写生帖
6/11~8/7 東京藝術大学大学美術館
[東京] |
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上記「植物画展」に関連したコレクション展。柴田は幕末から明治前半にかけて活躍した画家で、明治宮殿の天井画を制作したものの戦災で焼失。その天井画の下絵と写生帖を展示している。これはなかなか興味深い。
[6月14日(火) 村田真] |
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日本におけるダダ展
6/1~18 東京藝術大学陳列館 [東京] |
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ベルリン帰りの村山知義が1923年に立ち上げた前衛グループ「マヴォ」と、ドイツで展開していたクルト・シュヴィッタースの「メルツ」。このふたつの前衛運動に焦点を当て、機関誌やポスター、写真などを展示している。テーマはともかくとして、プリントした幕を壁にかけた展示は金がかかってそうなわりに、あまり効果がないと思うのだが。
[6月14日(火) 村田真] |
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石丸運人 展
5/25~6/25 好古堂 [東京] |
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好古堂の名前からもわかるように、ここは古書や古美術をあつかうお店。しかも春画やシュルレアリスム系が多く、なかなかアナクロで妖しげなところだ。石丸の作品は仮面みたいなものだが、作品よりお店のほうが気になる。
[6月15日(水) 村田真] |
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Nomart Projects #03_01 大西伸明 展
6/18~7/9 ノマルエディション/プロジェクト・スペース CUBE & LOFT[大阪] |
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身の回りにある塗椀や板チョコ、卵などの実物から型どりされた樹脂製のオブジェが長い棚に並ぶ。なかにはいったん折ったオリガミを開いたものからとったカタチなどもある。割れたガラスなどもあるが、本物よりも本物らしくもある。
以前から続けてきたこれらのシリーズに加え、オブジェとしてではなく、空間としてとらえた作品も登場した。床までも取り囲むすべてが真っ白なホワイトキューブと、もとはガレージか工場かなにかに使用されていたラフな造作の部屋という、異なる2室を展示室に使用することに着目し、展示室の片方の部屋の「床面」をかたどった樹脂の作品を、他方の壁に展示。
なにかを「版」とするという部分では共通するが、レース製の女性用下着を解体したカタチを版画にした紙の作品と、レースを下着のかたちにしたものに版画で模様が刷られていた。
[6月18日(土) 原久子]
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ルシアン・フロイド 展
6/11~10/30 コッレール美術館 [ヴェネツィア] |
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2日前の晩にヴェネツィアに入り、昨日ビエンナーレを見学。ビエンナーレにはまともな絵画がほとんどなかっただけに、この「ルシアン・フロイド展」は渇いた目に染み込んでくる。ルシアン・フロイドはジグムント・フロイトの孫として1922年にドイツで生まれ、第2次大戦前にイギリスに移住。戦後まもないころの新即物主義的な初期作品から、今年制作の最新作まで100点近く展示している。50年代後半には現在のコテコテのタッチを習得しており、以後半世紀その技法とスタイルを深化させてきた。こうしてまとめて見てみると、意外なことにクリムトやシーレとの共通性が浮かび上がってくる。いや、祖父がウィーン学派を担っていたことを考えれば意外でもなんでもないかもしれない。さすがに90年代に入ると衰えが見られるが、画狂人的なスゴミを増しつつあるのも事実。最後はどこにころがるか、楽しみだ。
[6月18日(土) 村田真] |
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