村田真/原久子 |
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8/5-8/11 |
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淡路島アートフェスティバル2005 7/1〜9/30 発明工房、ムクノキ屋敷[兵庫] |
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雑誌撮影のために淡路島に出かけた。大阪からJR在来線で45分。高速バスに乗り換え明石大橋を渡るともうそこはすぐ淡路島だ。阪神淡路大震災から10年。空き家が多いのは、島から移転したというだけではなく、壊さずに残したまま別なところに家を建てて住み替えたからだと聞いて、都市生活との違いを感じた。とにかく空は広いし、湿度も大阪や京都のように高くないので体感する暑さに違いがある。空き家リノベーションプロジェクトをはじめた上田博文+竹田直樹は造園家。リノベーションというと家に手を加えていくことを想像するが、彼らは庭をつくってゆく。屋根が落ちた土蔵のなかを庭にしたり。発明家がつかっていた工房にあった見捨てられた機械を石に見立てて庭をつくったり。ほかにも、いろんな作家が作品を展示するなどして島の何カ所ものスポット(空き家)がアートの現場となっていた。
[8月5日(金) 原久子] |
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飯沢耕太郎──危ない写真展 8/2〜28 ヴァニラ画廊[東京] |
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画廊の入口で入場料500円をとられ、よし元をとってやる!とリキが入る。最初の部屋はエロ写真が額に入れて飾ってあるだけだが、奥のライブラリーにはポルノ、奇形、死体の写真集が本棚にズラッと数百冊。2〜3人の先客が黙って写真集に見入っている。壁が赤く、照明を落としているのでとても淫靡な感じ。でもこういう写真って見てるうち慣れてくるせいもあって、そんなに衝撃的ではなかったなあ。その「慣れ」が恐い。
[8月5日(金) 村田真] |
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アートフェア東京
8/6〜8 東京国際フォーラム・展示ホール
[東京] |
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NICAFから貸し画廊系を一掃し、古美術・工芸系を加え「アートフェア東京」と改称して再出発。しかし会場の広さも出店数も前回と代わりばえしないなあ。マップを見るとブースにA、C、Mの記号が振ってあるのでなにかと思ったら、アンティーク、モダン、コンテンポラリーの区分なんだね。
[8月5日(金) 村田真] |
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森淳一 shade 8/5〜9/4 東京国際フォーラムエキジビション・スペース [東京] |
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肉体を除いた衣装、およびランプシェードの大理石彫刻。肉体をおおう衣服のひだやしわは、まさにその下の肉体を感じさせる点で重要な彫刻表現のひとつだが、ここでは肉体が消えてひだやしわが主役になっている。これまでも森は、レオナルド・ダ・ヴィンチの描いた髪や水流など、およそ石彫には向かないモチーフばかりを恐るべき技巧で彫ってきた。そこで思い出されるのが、絵画と彫刻どっちがエライかというレオナルドとミケランジェロの論争だ。よく覚えてないが、絵画はイリュージョンにすぎないけど彫刻は実在的だと主張するミケに対して、レオは彫刻では彫れないものも絵画なら表現することができると反論したとか。この「彫刻では彫れないもの」には髪や水流も含まれていたはずで、だから森はあえてそれを大理石で彫ろうとしたのではないか。そして今回の彫刻が、どこかミケランジェロの《ピエタ》を思わせるのも偶然ではないだろう。階下でやってるアートフェア全体より、この1点のほうが見る価値がある。
[8月5日(金) 村田真] |
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黒川彰宣 展 7/23〜8/6 Kodama Gallery Osaka[大阪] |
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第一室にある白くて大きな植物とも動物ともつかない造形を見た後、第二室に移動すると、そこには茶色い重そうな布がだらりと床に伏していた。脱皮したの?!そんな感じがした。造り方を作者に確認すると、その通り。壁には動物を描いたドローイングがある。これらはネガポジを逆転させたような描き方に
なっている。第三室にて3つの蛸壺に足をつっこんでいるタコの足を一目で気に入ってしまった。
[8月6日(土) 原久子] |
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ギュスターヴ・モロー展
8/9〜10/23 Bunkamuraザ・ミュージアム
[東京] |
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パリのギュスターヴ・モロー美術館といえば、ロンドンのサー・ジョン・ソーン美術館と並んで私の大好きな美術館のひとつ。自邸アトリエを改装したアウラ漂う空間といい、壁全面を絵で埋めつくす展示ディスプレイといい、そしてもちろん質量ともに充実した作品といい、個人美術館ならではの驚きと楽しさにあふれている。そのモロー美術館から約280点の大量出品(てことは改装のため長期休館に入ったってことだ)。おもしろいことに日本では1964年に初紹介されて以来、74年、84年、95年、そして05年とほぼ10年ごとにモロー展が開かれており、それなりに需要が高いことがわかる。さすがにモロー美術館の主というべき大作《ユピテルとセメレ》は来てないが、踊るサロメを描いた《出現》や《一角獣》が素描や関連作品ともども来ているのがうれしい。
[8月8日(月) 村田真] |
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ねむの木のこどもたちとまり子 展 7/23〜8/14 東京都現代美術館[東京] |
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肢体不自由児療護施設ねむの木学園の子供たちの絵。これは戦慄的。みんな恐ろしく几帳面で作品の完成度が高い。閉じられたコミュニティだから表現スタイルも感染するのか、それとも絶大な統率力をもつだれかが指導しているのか。やましたゆみこ、おかだかずよし、むらまつきよみらのパラノイアックな植物描写は尋常ではないし、ほんめとしみつ、こいしかわかなえらの絶妙なニュアンスの色彩はとてもシロートでは出せない。もはや「ねむのキズム」とでも呼びたくなるほど強固なスタイルを確立しているのだ。たまげたなあ。ところでこの展覧会、どうやって成り立ってるんだろう。チラシに「東京都名誉都民宮城まり子受賞記念展」とあるので発端はわかるけど、東京都の主催にもかかわらずカタログは美術館ではなくねむの木学園が発行してるし、入場も無料だ。もっとも階下では「ジブリ展」をやっているので、そこからずいぶん人が流れてくるみたいだし、最後の展示室はグッズ売り場になっていて、宮城まり子がカタログにサインして飛ぶように売れていたから収支は合うのかもしれないが。ちなみに、ねむの木学園は企画協力で、文化庁とNHKが後援となっている。主催の東京都は会場を貸しただけか?
[8月11日(木) 村田真] |
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トーキョーワンダーウォール公募2005 7/23〜8/14 東京都現代美術館
[東京] |
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公募の入選者100人による展示。この程度で入選するのかよ、いっぺん落選作を見てみたいもんだ、とブツブツいいながら見る。受賞者は12人いるけど、納得できるのは角野充、麻生知子、傍嶋崇の3人で、ほかに印象にのこったのは掘込幸枝、青山ひろゆきくらい。あとはクズだ。
[8月11日(木) 村田真] |
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