村田真/原久子 |
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8/14-8/21 |
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山田正亮の絵画
6/18〜8/14 府中市美術館
[東京] |
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半世紀以上におよぶ山田正亮の仕事を回顧する、美術館では初の本格的な個展。出品は1948〜55年の「静物」、1956〜63年の初期「ワーク」、そして1997年から始まる「カラー」の3つに分けられる。これを作者の年齢に即していえば、18歳から33歳までと67歳以降になり、いわゆる働き盛りの壮年期の作品が1点もないということだ。どういう事情なり判断なりがあってこういう構成になったのかは知らないが、実際に展覧会を見るとそれほど違和感を感じることもなく、むしろ新鮮に思えたのは、ぼくがいちばん知らない時代の作品が並んでいたからかもしれない。逆に、ここにはない60年代から90年代までの30年間の作品が出ていたら、ぼくにとっても比較的なじみ深いうえ、作品の変化も緩慢なため退屈を感じたかも。
[8月14日(日) 村田真] |
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西山仁「序庵」
6/18〜8/14 府中市美術館[東京] |
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公開制作室での展示。室内いっぱいにイヌイットの家のような白いドームをつくっている。ところが、今日は最終日とあってドーム内で演奏が行なわれてるため、何人もの人がいすわって中に入れないではないか。どけよお。
[8月14日(日) 村田真] |
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トリエンナーレ学校 8/16 旧関東財務局ビル(現・トリエンナーレ・ステーション)[神奈川] |
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プレゼンテーションを行なったのは、音を扱う作家集団サイン・ウェーブ・オーケストラのメンバーと堀尾貞治さん。20代と60代の作家なので年齢差は親子以上にあるが、パワーの度合いは堀尾さんのほうが勝っていたように思えた。終了のタイミングとばかりにキュレーターの天野さんが登場したが、堀尾さんはエンジンがかかりっぱなしで、とどまる所を知らない。神戸在住の堀尾さんだが、会期中はずっと横浜に滞在し、作品に手を加え続けてゆくという。最後にピュ〜ぴるさんが登場して、折り鶴を折ることに参加してくれるようアピール。
[8月16日(火) 原久子] |
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マシュー・バーニー展 拘束のドローイング 7/2〜8/25 金沢21世紀美術館 [石川] |
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家族で金沢へ。小猿が2匹いるので美術館に放し飼いにするわけにはいかず、キッズルームに監禁して展覧会を見る。粗大ゴミやアスレチックの器具みたいな陳列物を見てもさっぱりなので、映画「拘束のドローイング9」を見る。クジラを食べる野蛮なオリエントの国へまぎれこんだオキシデンタルなカップルが、捕鯨船のなかで茶の文化を急進化させて殺しあいながら結ばれるという、美しくもワケのわからない究極のラブストーリー。そのあとで展示を見ると、なるほど一部は映画の残骸であった。ともあれ、北陸の街でマシュー・バーニーが見られるなんて、こんなにぜいたくなことはない。東京からもたくさんの知人が見に行った。
[8月18日(木) 村田真] |
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黒部峡谷日本画展ー悠久の大地 黒部より セレネ美術館 [富山] |
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小猿2匹を連れて黒部渓谷の入口、宇奈月温泉へ。その一画に宇奈月国際会館「セレネ」というリッパな建物が建っていて、セレネ美術館のほかに800席の大ホールをはじめ、小ホールや会議室などを備えている。こんな温泉街でどれだけ需要があるのか気になるところだが、今日は取材に来たのではない。セレネ美術館は「黒部峡谷の大自然を絵画芸術を通して未来へ伝える」ために、平山郁夫、福井爽人、田渕俊夫ら7人の日本画家に描いてもらった黒部峡谷の絵を展示している。つまりコミッションワークですね。みなさん汗かきながら山道を登り、雨に打たれながらスケッチするなか、お忙しい平山センセーはひとりヘリコプターに乗って、「神の視点」から効率的に取材されたようだ。
[8月20日(土) 村田真] |
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横尾忠則が招待する イッセイミヤケ パリコレクション1977-1999 7/16〜9/11 富山県立近代美術館[富山] |
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北陸の旅、最後に訪れたのは富山近美。ここへ来るのは約20年ぶり、ということは「事件」以来初めてということだ。でも「事件」といってわかる人はもはや少ないし、美術館に行っても「事件」の痕跡すらない。当たり前か。同展は、70〜90年代の三宅一生のパリコレクションに焦点を当て、横尾忠則がデザインしたその招待状と原画を紹介するもの。つまり、展示の核はちっぽけな招待状であり、それをいかに美術館という空間に拡大して見るに耐えるものにするかが同展のミッション。そこで空間デザインを担当した吉岡徳仁は、採光窓をもったドーム状の吹き抜けの下にキューブ状に壁を設け、その内部に作品を展示し、暗くなった外周にパリコレの映像を流した。なるほど、展示スペースを狭くしつつ、狭さを感じさせないようにさまざまな要素を盛り込んで、お得感を出そうという合理的な解法といえる。
[8月21日(日) 村田真] |
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灰野敬二パフォーマンス
8/21 築港赤レンガ倉庫
[大阪] |
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外はしとしと雨のなか、蒸し暑いレンガ倉庫のなかで、1時間ほどにわたる灰野敬二のパフォーマンスをみた。なんでも楽器になっていた。そして、どんな精巧なスピーカーやアンプを用いて出力するより、そこにある空気そのものが、もっとも素晴らしいメディアとなって、私たちに音を伝えていた。
[8月21日(日) 原久子] |
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